河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1490- ベートーヴェン7番、ブラームス1番、ミヒャエル・ザンデルリンク、ドレスデン・フィルハーモ

2013-06-25 22:16:59 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年6月25日(火)7:00pm
サントリーホール
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ベートーヴェン 交響曲第7番
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ブラームス 交響曲第1番
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(アンコール)
ブラームス ハンガリアン・ダンス第5番
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ミヒャエル・ザンデルリンク 指揮
ドレスデン・フィルハーモニー
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プログラム前半にベト7を持ってくるあたり、後半はさらに上を行くプログラムという意気込みを強く感じさせるこの日のコンサート。ベト7の気張りがブラ1では消え、滑らかな弦に埋もれた素晴らしい演奏となりました。
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ドレスデンと言えば、ドレスデン国立歌劇場のイメージが強く、フィルハーモニーのほうは個人的にはないがしろ状態に近いものがあった。
しかし、今回の来日公演、500円のプログラムパンフによると、9回公演で、プログラムはなんと、
ベト5,6,7、皇帝、エグモント、ブラ1、メンコン
定番とはいえ、技術力を突き抜けた何かが無いとこんなラインナップでうならすのは大変だろう、特にツアー先が日本だし。
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劈頭(ヘキトウ)から7番。ノリとかインストゥルメントの余熱具合とかいろいろあると思うが、オーケストラがちょっと気張り気味。7番では粒立ちの良さが欲しいが、スタッカートが泡立ちせず、ウキウキ感やすっきり爽快感があまり感じられない。かなり気張って音を出している。「後半のプログラムを考えて抑えていた」の真逆であったような気がします。張りきり過ぎ。でも、エグモントとかを頭に置くことなくいきなり7番からはじめる、神経集中と気構え、そこは買いたい。序奏一音目の気概を買います。もしかしてコンクール的緊張感がプレイヤーにも少し混ざっていたのかもしれない。
第1楽章のコーダはめくれるような付点音符のウィンド、ブラスの響きが欲しかった。そのままアタッカで第2楽章へ。この楽章は雨に濡れた石畳のペイヴメント、ときとして、その上を歩く人たちの悲しみの表情、これからに期待しよう。
ソナタ形式という概念をはずした時に、一体何が残るのか。第3楽章では響きの妙を楽しみたかった。ちょっと緩みましたね。
終楽章の快速テンポは、それまでの楽章の流れからいって少し違和感あり。無理やり興奮のるつぼに惹きこもうとする作為は指揮者のものであろう。オヤジならどう振っていただろうか。
でもまぁ、一旦このテンポに乗っかってしまえば、極度に速いというわけではないし、この楽章のなかだけの推移でいうとインテンポ的な流れの品性がある。(間違っても小躍り指揮ではない)
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ブラ1は前半とうって変わって、深い弦の森。滑らかでぶ厚い弦の響きが圧倒的。この塗りたくるような響きは明らかに指揮者の意図するところであると見える。スリムで大柄なミヒャエルが縦ではなく横に振りまくる。明白な弦の響きと言える。
指揮者自身、前半のベートーヴェンよりもこちらのブラームスの方が得意そうだというのは腕の運動と鳴り渡るオーケストラの響きの一体感からいっても明白。
ブラスのアタックが明確過ぎるきらいがあり、強奏部分でうまくブレンドしきらないもどかしさが少しあるものの、16型弦楽五部の圧倒的な厚みと流れ、この深い滑らかさそれ自体が音楽のドラマティックなものを自己表現するという状態にまで高められたと思います。
ブラームスが言う劇的な音楽とはこのようなもんだったのかもしれないと少し興奮。
長丁場の演奏でしたが、この深みのおかげであっという間の出来事に終わってしまいました。第1楽章の序奏からしてベートーヴェンとかなり異なっていたので、第2楽章はきっと素晴らしいに違いないと、案の定、瞬間に過ぎ去りました。よかったと思います。堪能できました。
第3楽章から終楽章への推移はもはや指揮者の自然棒のなせるわざと言え、全般に目障りさのない動きとともにまだぎこちなさが残るものの精一杯の音楽への愛情表現ということになるのだろう。
オーボエはソロ女性は前半でお仕事終わり、このブラ1では男性に交替。ホルンは4本に、ティンパニは下手から上手に位置替え、弦は対向から通常へ。
ということで、秀でたソロプレイヤーがいるのかどうかは知りませんがウィンドは手堅く、オーボエはツートップということなのかな、ホルンは小粒ながら音色が揃っている、特にこの曲の第4楽章では一つポイントになりますね。
ホルン含めたウィンドと弦楽五部は、コクがありうまくブレンドされている。
トランペットとトロンボーンが、パーンという感じで出てくるので、いわゆる深みが無い。譜面通りの出、ということになるわけですが、厚い弦に負けることなく、ではなくて、この深い弦を聴いてからおもむろに音が出てくる、そんな雰囲気が欲しい。そうゆう部分はありましたけれど、基本的に、この日は十分満足しました。
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アンコールでは久しぶりに聴くハンガリー舞曲第5番。ぶ厚さ加減はブラームスと同じで濃いものでしたが、この曲にかけるミヒャエルの濃厚棒。ベト7とブラ1の憂さ晴らしではないと思いますが、やたらと濃厚な味付けで、もろ作為を越えたような面白さがありました。舞曲における確信犯的な遊び心、ヘヴィーな曲2曲のあとなら軽く許せますね。
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演奏全部、堪能できました。ありがとうございます。
おわり


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1489- フィリップ・マイヤーズに聞いてみました

2013-06-23 15:39:44 | インポート

Pm

ニューヨーク・フィルハーモニックのソリスト、フィリップ・マイヤーズに質問。
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担当している楽器は? ホルンです。
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お国はどちらですか?インディアナ州のエルクハートです。
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どこの学校に通っていましたか?インディアナ州のエルクハートでした。
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小学校、高校での得意科目はなんでしたか?数学でした。
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子供のときの愛読書はなんでしたか?フェニックスでした。
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ペットいますか?猫3匹です。
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音楽を志そうと思ったのはいつですか?9才のときでした。
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もしそれがかなわなかったら何になろうと思いましたか?バンド・ディレクター。
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あなたにとっての音楽関係のヒーローはおりますか?いるとすれば誰ですか?
以前、クリーヴランド管弦楽団の首席を吹いていたマイロン・ブルームです。
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ニューヨーク・フィルハーモニックに入団したのはいつですか?1980年です。
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どんな音楽が好きですか?なんでも、です。
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音楽を聴いていないときは何をしていますか?手持ちのコンピュータで遊んでいます。
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ニューヨーク・フィルハーモニックのプレイヤーとして一番好きなことはなんですか?友、ツアー、音楽。
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質問おわり
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ニューヨーク・フィルハーモニック
キッドゾーン
http://www.nyphilkids.org/main.phtml
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キッドゾーンのミュージシャン・ラウンジ →フィリップ・マイヤーズの顔をクリック
http://www.nyphilkids.org/studio/main.phtml?
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1488- モーツァルトpf協21、マーラー5番、ミュン・フン・チュン、N響2013.6.19

2013-06-19 22:25:08 | インポート

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2012-2013シーズン
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2013年6月19日(水)7:00pm
サントリーホール
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モーツァルト ピアノ協奏曲第21番
  ピアノ、チョ・ソンジン
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マーラー 交響曲第5番
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ミュン・フン・チュン 指揮 NHK交響楽団
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マーラー実測値
Ⅰ 12 Ⅱ 16 Ⅲ 18 Ⅳ 12 Ⅴ 14
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マーラーの5番、アゴーギクが結構目立つ演奏で、推移が滑らかというわけでもない。滑らかが必ずしもいいというわけではなく、劇的な強調の意味合いもあるのかなと、前から3列目では色々なことがよく見える。
棒はオペラティックな雰囲気を醸し出す個所も散見。フレーズのエンディングをきっちり一回取りまとめてから、次に進んでいく。オペラの歌い手が思う存分歌ったところで、一区切りをつけ、次の入りを待つ。そんな感じですので、インストゥルメントでも割とプレイしやすいのかなと思います。プレイヤーが自分で自分を味わえる、そんな濃厚な雰囲気です。
5番は技術的に困難なところがたくさんある曲だと思いますが、N響はやはりワンランク上かな。ブラスセクションについては特に感じるところはありませんが、ウィンドと弦は、やっぱり、上。おしなべて、いい、というところが凄い。マスの技がさえる。
第1ヴァイオリンの空中浮遊するような響きは、マーラーにおいては一種醍醐味。すじ状に束になり中空を漂う弦の美しさは格別。
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この曲、個人的に、すっきり爽快感を味わえるポイントがあって、それは第2楽章エンディング部分直前のファンファーレ。いつもあすこは気持ちよくなりたい。この日の演奏では、入りのトランペットが見事に決まり、立体的な深彫り感がよく出ました。素晴らしかった。この入りのあと、幅を狭めて鋭く響けばさらにすごいことになっていたかと思われます。(ここらあたりは、往年のショルティ&シカゴ響にまかせればいいのだろうとも思う)
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チュンは第4楽章に見られるように細部に極度にズブズブになることはなく、中楊のバランス感覚をもっている。これが物足りなく思ったりするのは、昨今の変態演奏流行りのせい。普通の感覚で美しい歌のフレージングをこの日は味わうことが出来ました。
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チュンは第4楽章の終わりをここでも一度きっちり切る。際どいホルンと、バスーンのブリッジで終楽章へ。ホルンの一声のあと、アダージェットの余韻が出て、チュンは自分の耳で味わうように聴き、それからロンドに突入していく。見た目、オペラ的余裕棒。
この終楽章はもう少し爆発するような力が欲しいと思いましたが、彼のスタイルやバランス感からいうとこうなるのだろう。抑えているのかどうか、これまでのものが全部はじける感覚ではない。音で戯れるのを観たり聴いたりしたい、彼の場合、全楽章が均衡したように聴こえた。このままブルックナーをやると展覧会場にある絵のようなフレーム感覚になり構造を横に置くとあとに残るものは多くない。かもしれない。
マーラーはたしかに違う。
そうではあるのだが、スリルとサスペンスも欲しい。
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前半のモーツァルトは、鍵盤を深く押すことを排除したような軽いサウンドで、きれいに鳴っておりました。バックのオーケストラも美しかった。
おわり


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1487- ブリッテン、戦争レクイエム、大野和士、東京都響2013.6.18

2013-06-19 01:55:16 | インポート

1487- ブリッテン、戦争レクイエム、大野和士、東京都響2013.6.18
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2012-2013シーズン
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2013年6月18日(火)7:00pm
東京文化会館
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ブリテン 戦争レクイエム
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ソプラノ:リー・シューイン
テノール:オリヴァー・クック
バリトン:福島明也
合唱:晋友会合唱団
児童合唱:東京少年少女合唱隊
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指揮:大野和士
東京都交響楽団
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タイミング実測値
Ⅰ 10分
Ⅱ 23分
Ⅲ 10分
Ⅳ 10分
Ⅴ 5分
Ⅵ 20分
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この日は、上野の5階席センター1列目で観ました。前後にセットアップされた2つの編成とソロ歌い手の動きが手に取るようにわかり視覚的にはかなり面白かった。2つのことが進行する奇妙なレクイエムをより理解することが出来ました。また、5階は比較的明るくてリブレットがわりとよく見える。これも良かった。字幕があるに越したことはないけれど。
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やにっこい曲で、覚えられるようなフレーズは皆無。ブーレーズの曲の方がまだ口ずさめるものがありそうだ。自宅で、CDでこの曲を聴こうとする意志はあまりない。
とは言うものの、シリアスな緊張感は曲が進むにつれて高まってくる。音楽は時間軸に沿ってエモーショナルなものが積分されるものなのだと言えるかもしれない。
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5階席は、音はそれなり、ただライブ感が薄まる。歌に関してはラテン語の方はおろか、英語での歌の方もさっぱり発音がわからない。リブレットをみながらかろうじて追えるレベル。これは残念であったがゆっくりできる席なので、多少は我慢する。
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大野の棒はいつもシリアスであるが、この曲もこの指揮者によく合っていたと思う。ただ一回公演のためなのかどうか、もっと研ぎ澄まされた演奏も可能性としてはあるのかな、とも思えるものでした。
おわり


1486- 今年一番の超バッティング公演、ワルキューレ第1幕 新日フィル!vs日フィル!

2013-06-18 00:08:50 | インポート

悪い冗談のような気もするけど、
今からでもいいからどっちか日程を変えて欲しい。
日フィルのほうは土曜日の公演時間を繰り下げているがどういうことなのだろうか。
歌い手の為、ぐらいだな。
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2013年9月6日(金)19:15すみだトリフォニーホール
2013年9月7日(土)14:00すみだトリフォニーホール

シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき
ワーグナー ワルキューレ第1幕

指揮インゴ・メッツマッハー
新日本フィルハーモニー交響楽団
ジークリンデ:ミヒャエラ・カウネ
ジークムント:ヴィル・ハルトマン
フンディング:リアン・リ
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http://www.njp.or.jp/?cat=3&s=2013-2014tri&x=0&y=0
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2013年9月6日(金)19:00サントリーホール
2013年9月7日(土)16:00サントリーホール

ワーグナー ジークフリート牧歌
ワーグナー トリスタンとイゾルデより、前奏曲と愛の死
ワーグナー ワルキューレ第1幕

指揮ピエタリ・インキネン
日本フィルハーモニー交響楽団
ジークリンデ:エディス・ハーラー
ジークムント:サイモン・オニール
フンディング:マーティン・スネル
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http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi
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1485- レインボウ21、ブルックナー、ブラームスの美しき合唱曲-トロンボーンを添えて-、国立音楽

2013-06-07 01:20:00 | インポート

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2012-2013シーズン
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2013年6月5日(水)7:00pm
サントリーホール
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ブルックナー
2つのエクアーレWAB114,149(トロンボーン三重奏)
アヴェ・マリアWAB6(無伴奏混声7部合唱)
王のもとに導かれWAB1(混声4部合唱+3トロンボーン)
この場所はWAB23(無伴奏混声4部合唱)
主に従う人は口にWAB30(無伴奏混声8部合唱)
エッサイの枝が花開いたWAB52(無伴奏混声4部合唱)
後奏曲WAB126(ウィンクラー編曲による金管アンサンブル)
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ブラームス
4つの歌(女声3部合唱+2ホルン+1ハープ)
ジプシーの歌(混声4部合唱+1ピアノ)
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(アンコール)ブラームス、静かな夜に
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●.
このシリーズの主旨は、音楽大学在学生、卒業生によるサントリー・ホール(ブルー・ローズ)・デビューの出演に至る企画も含めた全般の経験を積む、といったあたりのことでみんなヤングでフレッシュ。スケジュールは以下、
6/3武蔵野音大プロデュース
6/4洗足学園音楽大学プロデュース
6/5国立音楽大学プロデュース
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この日は6/5の公演です。
トロンボーンを添えて、というあたりレストラン新作メニューのような言い回しで微妙だが意味はよくわかる。圧縮されたプログラムで非常に充実した内容、またアンコールまでついていた。
前半のブルックナーの佳作もさることながら、後半ブラームスの2曲が陰影に富んだ生きた演奏で大変に素晴らしかった。これら功績はひとえに指揮の清水さんによるものではないだろうかと思う。もちろんこの大学の歌のレベルは並々ならぬものがあるのは当然という前提はあるにしてもだ。
おしなべてソプラノ、アルト陣が力強く整ったピッチで、またソフィスティケイテッドされていて、ザラザラ感がなく滑らかで美しい。
指揮者の本領はジプシーの歌にあったと思います。まるでハンガリー舞曲でも聴いているようなダイナミックで雄弁な動きからピアニシモも生き生きと活きていて、切ればしぶきが飛び散りそうな緊張感。またピアノ伴奏の自然な余裕。よかったと思います。
ありがとうございました。
おわり
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【以下、プログラム詳細】
レインボウ21 サントリーホール デビューコンサート2013
ブルックナー、ブラームスの美しき合唱曲-トロンボーンを添えて-、
国立音楽大学プロデュース
日時2013年6月5日(水) 19:00 開演 (18:20開場)
曲目
【ブルックナー】
エクアーレ(トロンボーン三重奏)
アヴェ・マリア(合唱)
王のもとに導かれ(合唱とトロンボーン)
この場所は(合唱)
後奏曲(ウィンクラー編曲による金管アンサンブル)、他

【ブラームス】
4つの歌(女声合唱とホルン、ハープ)
ジプシーの歌(ピアノ伴奏付き合唱)
出演国立音楽大学室内合唱団
清水新(指揮)
岡本知也(ピアノ)
青木昂、梅澤駿佑、山口泰子(トロンボーン)
宮本正太郎、澤田幸実(トランペット)
栁谷信、桑原舞(ホルン)
山内悠里佳(ハープ)

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1484- レインボウ21、Jazz in CLASSIC -ジャズに魅せられた作曲家たち、洗足学園

2013-06-07 01:10:00 | インポート


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2012-2013シーズン
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2013年6月4日(火)7:00pm
サントリーホール
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ストラヴィンスキー ピアノ・ラグ・ミュージック(1919)
ラヴェル ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1927)
ガーシュウィン 3つの前奏曲(1926)
ミヨー 世界の創造(1923)
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ジョリヴェ 幻想即興曲(1953)
デニゾフ アルトサクソフォーンとピアノのためのソナタ(1970)
カプースチン 8つの演奏会用エチュード op. 40より1,2,3(1984)
バーンスタイン プレリュード、フーガとリフ(1942/1952)
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このシリーズの主旨は、音楽大学在学生、卒業生によるサントリー・ホール(ブルー・ローズ)・デビューの出演に至る企画も含めた全般の経験を積む、といったあたりのことでみんなヤングでフレッシュ。スケジュールは以下、
6/3武蔵野音大プロデュース
6/4洗足学園音楽大学プロデュース
6/5国立音楽大学プロデュース
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この日は6/4の公演です。
副題の「Jazz in CLASSIC」という英語、Jazz in CLASSICAL MUSICではないのかとどことなく引っ掛かりのあるフライヤーではありますが、要はバーンスタインの、「プレリュード、フーガとリフ」が目にとまり聴きに来たという感が強く、それなら三日間聴いてしまえという展開でのこの日だったのです。
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前日と比べると、間延びの、正反対。省略無しのほぼフルスペックの演奏、かなり濃いプログラムの質と量、終わったのが9時から10分ぐらい越えておりました。
ミヨーとバーンスタインでお腹いっぱいなんですが、アルトサックスのジョリヴェ、デニゾフの2曲、特にデニゾフ、これでお腹、満腹。素晴らしかった。
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ミヨーは一歩間違うと陳腐で雑踏の街場ミュージックになってしまうが(ちょっとそういった部分もありましたが)、もともとそういったものでもあるので、演奏がダサくてこうなるのか、ハイスキルでのダサさ表現なのか、そこらあたり微妙に揺れ動く。選曲としてはかなりきわどい。
バーンスタインの曲は生では記憶によると2回目ぐらいかなと思います。その初めに聴いたはずのプロオケのときよりこの日の演奏の方が、断然、インパクトあり。ホールが小さいせいもあるが、しびれるような感触を味わいました。ありがとうございました。
バーンスタインの曲は、だいたいが、やにっこいメロディーラインのものが多く、ロマンティックにズブズブ没頭できるものがない。それはそれで悪くありません。このプレリュード・フーガ・リフも同じく松脂みたいなラインなんですが、この日の演奏、迫力が違う。彫が深くてニュアンスに富む。あえて言えば、もうひとノリ(スウィング)、欲しいところではありますが、そこは副題どおりの品位で押しとどめたと解釈しておきましょう。
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質、量ともに充実のコンサートでした。
おわり

【以下、プログラム詳細】
レインボウ21 サントリーホール デビューコンサート2013
洗足学園音楽大学プロデュース
「Jazz in CLASSIC ―ジャズに魅せられた作曲家たち―」
日時2013年6月4日(火) 19:00 開演 (18:20開場)
曲目・出演
ストラヴィンスキー: ピアノ・ラグ・ミュージック(1919)
初鹿早菜(ピアノ)
ラヴェル: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1927)
武田杏奈(ヴァイオリン)、樫村理沙(ピアノ)
ガーシュウィン: 3つの前奏曲(1926)
末次実玲(ピアノ)
ミヨー: 世界の創造(1923)
佐藤桃子、三島 彩(ヴァイオリン)、山本 渉(チェロ)、米谷 陵(コントラバス)、豊島早希、白﨑志歩(フルート)、大久保茉美(オーボエ)、水野まな、小澤里沙(クラリネット)、菊池 愛(ファゴット)、須々木由子(アルトサクソフォーン)、澤 友貴、柴山貴生(トランペット)、城田美咲(ホルン)、正富由香(トロンボーン)、関 聡、狩野もなみ、小針彩菜(打楽器)、鷲見彩花(ピアノ)、金井俊文(指揮)
ジョリヴェ: 幻想即興曲(1953)
芳賀大峰(アルトサクソフォーン)、小坂友紀子(ピアノ)
デニゾフ: アルトサクソフォーンとピアノのためのソナタ(1970)
須々木由子(アルトサクソフォーン)、村田美貴(ピアノ)
カプースチン: 8つの演奏会用エチュード op. 40から 第1、2、3曲(1984)
小坂友紀子(ピアノ)
バーンスタイン: プレリュード、フーガとリフ(1949/52)
安本夏海(クラリネット独奏)、金井俊文(指揮)、SENZOKU クラシック・オールスターズ(ジャズ・アンサンブル)

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1483- レインボウ21、知られざるヴェルディ&ワーグナー、武蔵野音楽大学プロデュース2013.6.3

2013-06-07 01:00:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年6月3日(月)7:00pm
サントリーホール
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ヴェルディ 歌のないロマンス ヘ長調
ヴェルディ ワルツ ヘ長調
ヴェルディ 弦楽四重奏曲ホ短調よりⅠ、Ⅳ
ヴェルディ 6つのロマンス(1838)より1,2
ヴェルディ 6つのロマンス(第2集)(1845)より2,4
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ワーグナー 大ソナタ イ長調 WWV26よりⅢ、Ⅳ
ワーグナー チューリッヒの恋人のワルツ WWV88
ワーグナー ヴェーゼンドンク歌曲集WWV91より3,4,5
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このシリーズの主旨は、音楽大学在学生、卒業生によるサントリー・ホール(ブルー・ローズ)・デビューの出演に至る企画も含めた全般の経験を積む、といったあたりのことでみんなヤングでフレッシュ。スケジュールは以下、
6/3武蔵野音大プロデュース
6/4洗足学園音楽大学プロデュース
6/5国立音楽大学プロデュース
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この日は初日6/3の公演です。
ヴェーゼンドンク以外は知らない曲が並びました。それだけでもかなり有意義。また、プログラム冊子の内容が充実しており、さらにリブレットも別冊でついている、これは助かる。意気込みが感じられよかったと思います。
前半、ヴェルディは、何を書いてもヴェルディという感じで、ほほえましい。演奏者にパッションの盛り上がりやドラマティックな起伏があればさらにヴェルディらしくなったような気がしました。オペラ前提の話しではありますけれど。
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後半のワーグナー。この作曲家はいかにもひねったものが多いな、と。
塚村さんのヴェーゼンドンクが圧巻でしたが、3,4曲目のピアノ伴奏と5曲目の合奏伴奏の間に完全な「切れ目」があったのがいかにも惜しい。
最初から合奏をセッティングしておけば、トリスタンの第3幕冒頭の音楽から、第2幕への動きがうまく滑らかに流れたと思います。流れを止めてしまった結果、断片は断片となってしまった。塚村さんも、ムードは消化不良だと思う。
それ以外は、うまくプログラムをセットアップしていたと思います。
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あっという間に終わる曲が多く、演出の方の時間消化に苦労が感じられた。全体的に間延びしたコンサートでした。なぜ全曲ではなく抜粋が多いのか今ひとつわからず。時間は余っていたのですから。
開始もたぶんほぼ故意の19:05スタートであり、19時から5分間静まり返ったホール、どことなく違和感ありながらも、物音を立てない日本人はやっぱりえらい。
おわり

【以下、プログラム詳細】
レインボウ21 サントリーホール デビューコンサート2013
武蔵野音楽大学プロデュース
知られざるヴェルディ&ワーグナー ―オペラの巨匠たちの器楽曲と歌曲―
RAINBOW 21 Debut Concert 2013 at Suntory Hall
Unknown Aspects of Verdi & Wagner - The instrumental music and songs of the opera masters
Produced by Musashino Academia Musicae
【日時】2013年6月3日(月) 19:00開演(18:20開場)
【公演紹介】
2013年に生誕200年を迎えるジュゼッペ・ヴェルディとリヒャルト・ワーグナー。イタリア・オペラとドイツ・オペラの二大巨匠として知られている彼らには、オペラ以外にも器楽曲や歌曲において魅力的な作品がある。ヴェルディらしい流麗な旋律、ワーグナー特有のライトモティーフなどオペラにも見られるような特徴を持った作品から、意外な一面を持つ作品まで、二大巨匠の知られざる作品を通してふたりの音楽観に迫る。
【曲目・出演】
ジュゼッペ・ヴェルディ Giuseppe Verdi (1813~1901)
歌のないロマンス ヘ長調
“Romanza senza parole” in F major
ワルツ ヘ長調
Waltz in F major
大久保恵美(ピアノ)
弦楽四重奏曲 ホ短調から第1楽章、第4楽章
String Quartet in E minor, the 1st and 4th movements
武井喜哉、加藤揚啓(ヴァイオリン)、小澤 恵(ヴィオラ)、原 悠一(チェロ)
『6つのロマンス』(1838)から
“Sei romanze” (1838)
1. 墓に近寄らないでほしい Non t' accostare all' urna
2. エリーザよ、疲れた詩人は死んでいく More, Elisa, lo stanco poeta
井出壮志朗(バリトン)、新枦 萌(ピアノ)
『6つのロマンス(第2集)』(1845)から
“Sei romanze” (1845)
2. ジプシー女 La zingara
4. 煙突掃除屋 Lo spazzacamino
塚本正美(ソプラノ)、大久保恵美(ピアノ)
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リヒャルト・ワーグナー Richard Wagner (1813~1883)
大ソナタ イ長調 WWV26 から 第3楽章、第4楽章
“Grose Sonate” in A major, WWV26, the 3rd and 4th movements
チューリッヒの恋人のワルツ WWV88
“Zuricher Vielliebchen-Walzer” in E-flat major, WWV88
前隈仁裕(ピアノ)
『女声のための5つの詩(ヴェーゼンドンク歌曲集)』WWV91から
Funf Gedichte fur eine Frauenstimme (Wesendonck-Lieder), WWV91
3. 温室で Im Treibhaus
4. 苦しみ Schmerzen
塚村 紫(ソプラノ)、日下部史奈(ピアノ)
5. 夢 (ハイト編曲による弦楽アンサンブル伴奏版)
  Traume (accompanied with string ensemble arr. by Gerhard Heydt)
塚村 紫(ソプラノ)、武井喜哉、中野めぐみ、加藤揚啓、河内山愛子(ヴァイオリン)、
小澤 恵、大久保 智(ヴィオラ)、宮原珠生、原 悠一(チェロ)、本田直也(コントラバス)
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以上

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1482- 正真正銘、ジュピター、エロイカ、高関健、日フィル2013.5.24

2013-06-01 21:28:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年5月24日(金)7:00pm
サントリーホール
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モーツァルト 交響曲第41番 ジュピター
ベートーヴェン 交響曲第3番 エロイカ
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高関健 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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音楽自らが流れる以上の流れは演奏行為の範疇にはいるからそれは今回はいらない、そのように指揮者が語っているかのような真っ当で格調の高い音楽表現であり、あらためて曲の偉大さをかみしめる結果となりました。素晴らしく聴きごたえのあるものでした。前進する推進力とは異なるもので十二単的な動かずとも多様な音のあやの世界を感じさせてくれる、初めて(モノフォニックでなく)ステレオでエロイカを聴いたのは、たしかワルター&コロンビア響で、あのときの切ればしぶきが飛び散るような新鮮な感動、なにかあれに似たものを感じさせてくれました。
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いまどきこの二本の曲を並べるなどというのは覚えなく、彼としても真正面攻撃しか有りえないという覚悟だと思います。(正面突破)
聴く方も軽くは聴けない。
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というあたりを踏まえて、
ジュピターは唐突ですがチェリビダッケの演奏に似ていました。チェリはソナタ形式への主張が強い表現でものすごくシンフォニック、果ては楽章間のポーズなどもキッチリ間合いをとり、交響曲という造形物を奇を衒うことなく創造していく。だから瞬間よりも演奏が終わった後に、全体を見渡してくれ、どうだいい造りだったろう、そんな感じの演奏がシンフォニーでは実は多い。音が鳴り終わった後に、どうだこの絵いい絵だろう、みたいな感じで作品がそこに屹立しているわけです。
高関の振るジュピターはそのような鳴りの表現でした。聴く方としては音を隈なく全て聴くことができた。チェリもそうだったが、このような表現は楽章間のポーズも含め全体的なアトモスフィアがマイクにはいりきらないもの、装置とは別のところにうったえているそんな演奏なんです。
安全運転と誤解されるところがあるが全然そうではなくオーソドックスの極みの力が存在していることをあらためて教えてくれる。ジュピターのサウンドバランスの良さ、形式の格調の高さ、モーツァルトの傑作、全部あらためておしえていただきました。
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エロイカ、終わってほしくない、どこまでも続いていってほしい、地平線の先に別の地平線があるよう願う。そんな曲、そして演奏。
素晴らしく均整がとれたものでエロイカ作品に相応しい格調の高さを感じさせてくれる。ベートーヴェンの変則打撃音型とか、スケルツォの2拍子の割込みなど、これはこうであってあたりまえみたいな感じで、自然でクール。
新たな地平線をみいだしたエロイカにどぎつさはなく、例えばティンパニなどこれはこういう鳴りでなくてはいけないといった感じで要所を締める締める。見事なエロイカ表現でした。
もしかしてこのような音楽表現行為への喜びを忘れかかっていたのかもしれない(自分)、
激しさよりも均整、波打つよりもバランス、新鮮でした。
高関のスコアの読みはおそらく深くなればなるほど推敲の痕がさらに同じ方向に深まると思われる。自由自在さとは一種異なるものである。どのようなオーケストラを振っても同じ方向の鳴りで、オーケストラの能力が彼のもとでさらされる。もともとこのようなスタイルを持ったオーケストラであれば指揮者と共鳴して一段と高みに向かうということでもある。昔と時代は変わってしまったが、同じオーケストラを振り続けるシステムが必要かもしれない。
おわり


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