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1978年10月17日(火)
ベートーヴェン・ザール、シュトゥットガルト
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ウェーバー 魔弾の射手、序曲
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ドビュッシー 夜想曲
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ドヴォルザーク 交響曲第9番新世界より
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セルジュ・チェリビダッケ指揮
シュトゥットガルト放送交響楽団
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1979-7-31(火) NHK-FM
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この演奏会はシュトゥットガルトのベートーヴェンザールでのもの。いつもの、聴いたコンサート観たオペラ、とは違います。NHK-FMのエアチェックです。いつまでたっても忘れられない強烈な演奏。
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この演奏会が行われたのは1978年ですので昭和53年。NHKがオンエアしたのが翌年。
それを、オープンリールデッキTEAC X10Rで録ったもの。たしか。。
テープはスコッチの7号リールです。
数年後、TEAC X2000Rで再生したサウンドは格別だった。また、その数年後、今ではシーラカンスも化石になるのかといったたぐいのDATにしっかりおさめた。
今、DATもオープンリールデッキも休憩しているのでなかなか聴けないでいた。
つい先達て、ヤフーのオークションでこの録音を手に入れた。(新世界のみ)
演奏解釈のことはチェリの絶叫とともによく覚えているし、これが演奏の耳印になっているので、このオークションCDを聴いてみて間違いのないものと確信。
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チェリの棒による新世界には音がいっぱい詰まっている。とにかくオーケストラの充実度がものすごい。弦も管も力を振り絞って、あらんかぎりの力で演奏を行っている。なんという充実度。テンポ設定はかなり極端に変化するがフレージングの滑らかさは類を見ない。
いまだにこれを越える新世界は聴いたことがない。チェリにルーチンワークという言葉は脳裏の裏にも表にもない。大胆な表現、テンポ設定、音の出し入れ、普通ではないアンサンブルバランス、大変に新鮮。それに、極度に強いボーイング、ブラスの大胆さ、何をとっても素晴らしいの一語に尽きる。プレイヤーが圧倒的に指揮者に共感、共鳴している。
結果、ちまたのチープな演奏とはまるでかけ離れたこれぞシンフォニーの醍醐味、そんな感じの気持ちに気がついたらなっている。
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圧巻は、第4楽章フィナーレのコーダで第1主題が再帰する大団円。チェリの絶叫が2度聴ける。ここはすごい。
そしてアチェルランドできざみ、最後のブラスのピアニシモはあっという間に終わる。あっけにとられているうちに終わる。風船がしぼんだように終わる。言わば、マゼールの新世界のエンディングの全く逆をいくもので、たぶん長さをはかったら10分の一ぐらいではないか。超ユニークな表現だが、なにをとってもあとあとまで印象が残る気持ちいいぐらい奇天烈な演奏解釈だ。
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前半のフライシュッツとノクターンも濃い演奏だったと記憶する。
そのうちX2000RもDATも稼働させようと思ってはいるが、心配なのはハード面ですね。そう思って、ここにとりあえず書いておきました。
おわり
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