河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2006- ラフマニノフの墓、ルーム、猫、天使、小川典子プロデュース、2015.10.31

2015-10-31 22:22:28 | コンサート・オペラ

2006- ラフマニノフの墓、ルーム、猫、天使、小川典子プロデュース、2015.10.31

Oct 31,2015,  6:00pm  MUZA, Kawasaki

Le Tombeau de Prachmaninov  (Japan Premiere) 19′
Prelude,  Stephen Hough   3′
Fugue,  Alan Mills  4′
Forlane,  Peter Fribbins  3′
Rigaudon,  James Francis Brown  5′
Menuet,  Cecillia McDowall  2′
Toccata,  Takeshi Yoshimatsu  2′
Piano, Noriko Ogawa

John Cage,  A Room  3′
Prepared Piano, Noriko Ogawa

Yoshihiro Kanno,
Cat in the Box for Prepared Piano 4 Hands and 2 Toy Pianos (World Premiere) 8′
Prepared Piano & Toy Piano, Noriko Ogawa, Noriko Otake

Yoshihiro Kanno, 
The Remains of the Light Ⅲ, Angel’s Ladder for Piano and Computer 20′
Piano, Noriko Ogawa    Computer, Yoshihiro Kanno

2015年10月31日(土) 6:00pm ミューザ川崎

ラフマニノフの墓 (日本初演)  19′
プレリュード、 スティーブン・ハフ  3′
フーガ、 アラン・ミルズ  4′
フォルラーヌ、 ピーター・フリビンズ  3′
リゴードン、 ジェイムズ・フランシス・ブラウン  5′
メヌエット、 セシリア・マクドウォール  2′
トッカータ、 吉松隆  2′
ピアノ、小川典子

ジョン・ケージ  ルーム  3′
プリペアード・ピアノ、小川典子

菅野由弘
猫はしばしば箱に潜る (世界初演)  8′
プリペアード・ピアノ4手連弾と2台のトイ・ピアノのための
ピアノ&プリペアード・ピアノ、小川典子、大竹紀子

菅野由弘、 天使の梯子  20′
ピアノ、小川典子  コンピュータ、菅野由弘


ホールアドバイザー小川典子の連続した企画3回目の日、当日は3公演ありそのうち一番晩い時間帯のイブニング・コンサートを聴きに行きました。といっても、一連の企画お目当てではなく作品に食指が動いたピンポイントでのお出かけ。
休憩なしの1時間ものと書いてありましたが、演奏間にトークがはいりましたので、結局1時間20分ほどかかりました。新しい作品が多く興味深いコンサートでした。

作品は世界初演というのもありますし全部お初でお目にかかります。
最初の作品、ラフマニノフの墓。マンチェスター、ブリッジウォーターホールの委嘱作品で6人の作曲家による小品集。ラヴェルのクープランの墓へのオマージュ、今年の4月に同じピアニストで世界初演されたばかりという事です。
響きはラヴェルの様な趣きがあり透明なガラス細工模様がきれいに流れていく。これは小川のピアノによるところも大きいと思う。比較的強めのアタックながらうるさくならず、またあとをひかないサッパリ風な切り上げで、これは弾く前に一呼吸入れてまるで習字のときの息を沈めるような振りで緊張感を自分に強いているしぐさと締めの具合が良くバランスしていて気持ちがいいもので、このようなスタイルが演奏するに際しうまく反映されているからだと思う。
作曲家の中にはピアニストのスティーブン・ハフの名前も見える。自分の印象としては、ジェイムズ・フランシス・ブラウンのリゴードンが印象的だった。形式を失ったがために短い曲しかできないと思わせるような現代の音楽作品の中にあって、それとは別の思考による音楽を摸索しているように思えた。太めのガラス細工でジャングルジムのように隙間から先が見えるようでもあり、それでいて鉄の棒を意識させない。隙間があるがゆるくない感じ。
6作品を一つの作品とみてもアンバランスな感じは無く、統一された響きを感じさせるピースの集合体でした。良かったと思います。

ケージのルーム。大竹&小川によるプリペアード・ピアノのトークがあり演奏へ。
同じようなリズムの繰り返しで、事前にまさにプリペアされた長ボルト、大ボルト、中ボルト、ゴム付きボルト、ゴム、1セント硬貨(ペニー)などで押さえつけられたピアノの響きを楽しめる。その為のリズムだけの音楽作品と言えるかもしれない。

菅野さんの作品がふたつ。一つ目は世界初演の猫。
ピアノ連弾で、各奏者の右と左側に小さなトイピアノが一台ずつおいてあり、片手でピアノを弾きながらトイピアノも弾いていく。後半は左側ピアニスト大竹が立ち上がり歩きながら手拍子、ピアノのボディを手でたたいたり、弦をハープのように引っ掻いたりする。猫はしばしばピアノという箱に潜んでいるのかもしれませんね。
曲はストラヴィンスキー特有なリズムだけをピックアップしたようなリズミカルなものでそれがずっと続いていく。後半は描写音楽の要素が濃くなりはじめ、大竹ステップとなるわけですね。ピアノ、プリペアード、トイ、ステップ、盛り沢山な内容でした。

天使の梯子。メイン・タイトルが光の残像Ⅲとなっていて、武満の光に向かう梯子、その梯子をピアノが昇る。
全く沈んだピアノの響きから始まり、少しずつ浮き上がってくる。左手と右手が随分と離れている。だんだんと過剰と思える光、飛び跳ねる光、ダイナミズム、スライド状に大きくなるサウンドに乗じるようにコンピュータの響きが覆いかぶさって進行。
梯子を昇り詰めた人が上から、下を眺め、梯子を使ってだんだんと昇ってくる様を描いているような雰囲気を醸し出している。
コンピュータサウンドは最後7分ぐらいから。音量の増強に比例させるために使用したようなうがった見方も出来なくはない。光というよりも音の洪水のようになる。

1、2階センターにこぢんまりと聴衆がおさまっているコンパクトなコンサート。最後の曲が終わる10秒ぐらい前に1人席をかき分け退場しておりましたが、いくら知らない曲とは言え感覚的に終わりも近いのはわかりそうな中、これは演出かと勘繰りたくなるようなタイミングに苦笑しました。

とはいえ、曲間に解説をはさんだていねいな企画で理解が進む演奏会でした。
ありがとうございました。
おわり

 



 


2005- エグモント序曲、ベートーヴェン7番、エロイカ、トゥガン・ソヒエフ、ドイツ響ベルリン、2015.10.27

2015-10-28 21:34:29 | コンサート・オペラ

2015年10月27日(火) 7:00pm 東京文化会館

ベートーヴェン  エグモント序曲  8′

ベートーヴェン  交響曲第7番イ長調  13′10′10′6′

Int

ベートーヴェン  交響曲第3番変ホ長調エロイカ  18′16′5′12′

(encore)
モーツァルト  フィガロの結婚、序曲  -′

トゥガン・ソヒエフ 指揮 ドイツ響ベルリン


DSO来日公演初日です。
この指揮者は最近、忙しすぎると思う。忙しすぎるのが栄養になっているゲルギエフとは違う棒だと思うので、少しスケジュールをコントロールした方がいいと思う。

このオーケストラは、昔はRIASのベルリン放送響、アシュケナージやメッツマッハーが振っていたころは素晴らしく機能的なオーケストラに変貌していい演奏しておりました。
この日のソヒエフの棒は、特に機能追求せずで、もっと昔のヘリオドールレーベルで出ていた頃のフリッチャイ、マゼールの時代のサウンドと大して変わらない、昔に舞い戻った感じ。
プログラムもアシュケナージやメッツマッハーのような意欲的なものではなく、それが来日公演に合わせたような少しイージーなプログラミンであったとすれば残念。ベートーヴェンがイージーとは言いませんが、オケ指揮者双方レパートリーであり、つけ刃的に演奏しても相応な形を呈するのを前提としたようなプログラム・ビルディングではなかったのかという意味です。
おわり


2004- ショスタコーヴィッチ、交響曲第15番、河童ライブラリー

2015-10-27 00:35:32 | ライブラリー

この交響曲は大好きなのですが、所有する音源は25個だけです。
うち8個がザンデルリンクです。
気合を入れて収集したわけでもないのですけれど、自然に彼の音源が増えます。
演奏会でもかなりの数を振っていると推測されますね。
25個のうちどれか一つを、と言われたら、ザンデルリンク&クリーヴランド管です。
神秘的で透明、音楽が深く沈んでいきます。




2003- ブラームス、Vn協、クララ=ジュミ・カン、Sym1、ヘンヒェン、新日フィル、2015.10.25

2015-10-25 18:42:19 | コンサート・オペラ

2015年10月25日(日) 2:00pm サントリー

ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調 23′9′8′
  ヴァイオリン、クララ=ジュミ・カン
(encore)
バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番より「ラルゴ」 3′

Int

ブラームス 交響曲第1番ハ短調 13′9′4′16′

ハルトムート・ヘンヒェン 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


フィリップ・カンの娘さんのヴァイオリンです。スレンダーな美人です。
強く当てる一拍目がみずみずしく、美音。力強過ぎて頻繁に弓毛が切れます。演奏はコンセントレーションがかなり効いている。反面、開放も自在。本格的なブラームスでした。

この指揮者は前回来日時のモーツァルトが歯切れ良くていいものでしたが、このブラ1では前のオーケストラに戻ってしまった感じの凡演でした。
おわり


2002- 妖精の口づけ、ロメジュリ二重唱、ショスタコーヴィッチ9番、ラザレフ、日フィル、2015.10.24

2015-10-24 23:00:09 | コンサート

2015年10月24日(土) 2:00pm サントリー

ストラヴィンスキー 妖精の口づけ  40′

Int

チャイコフスキー(タネーエフ編曲) ロメオとジュリエット、二重唱  11′
  ソプラノ、黒澤麻美
  テノール、大槻孝志
  ソプラノ、原彩子

ショスタコーヴィッチ 交響曲第9番変ホ長調  6′6′3′+3′+7′

アレクサンドル・ラザレフ 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


前日に続き二日目。この二日目の方が自分の定席ですので昨晩よりもさらに充実の響きを堪能できました。
ありがとうございました。
おわり

 


2001- 妖精の口づけ、ロメジュリ二重唱、ショスタコーヴィッチ9番、ラザレフ、日フィル、2015.10.23

2015-10-24 22:42:09 | コンサート

2015年10月23日(金) 7:00pm サントリー

ストラヴィンスキー 妖精の口づけ  40′

Int

チャイコフスキー(タネーエフ編曲) ロメオとジュリエット、二重唱  11′
  ソプラノ、黒澤麻美
  テノール、大槻孝志
  ソプラノ、原彩子

ショスタコーヴィッチ 交響曲第9番変ホ長調  6′6′3′+3′+7′

アレクサンドル・ラザレフ 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


前週の大爆発、悶絶ボロディンのあと、この日のプログラムは本当に素敵です。

前半のストラヴィンスキーはレアな全曲演奏。
細やかな表現が魅力的、シーンの変化がよくわかる演奏でした。ホルンの線がきれいに響きます。
最後、両腕を上にあげ音が終わってもユラユラと動かし続ける。フラブラもフラ拍もさせない極意。フライング対策も指揮者がたてろと言う話です、ラザレフからは演奏だけでなくいろいろと教えてもらうことが多いですね。

後半のロメジュリ、これもレアですね。レアというか存在知りませんでした。スケールの大きい曲。あまり原曲を感じさせない。大きな骨太の流れで歌いつくされます。しなっていく感じ。
そして、率先して歌い手に拍手、この技もフライング防止には有効。色々なことをラザレフがしてくれます。

次のショスタコーヴィッチ、この第九も偉大な作品であるということをラザレフが証明してくれました。巨大なポテンシャル、圧倒的なポテンシャリティ、同じことかもしれませんが、でかい演奏でした。15個のうちの9番目、しっかりとその存在を脳裏に刻むことができました。

それぞれのインストゥルメント、ブラスセクション全員、凄技。ラザレフが振るとオーケストラのメンバー全員が良い方向に音が締まっていくのが手に取るようにわかる。凄いもんです。
おわり




2000- リスト協1、小川典子、ボロディン2、ラザレフ、日フィル、2015.10.17

2015-10-19 22:14:05 | コンサート

2015年10月17日(土) 6:00pm みなとみらい

ブラームス 大学祝典序曲  -′
リスト ピアノ協奏曲第1番変ホ長調   20′
  ピアノ、小川典子
Int

ボロディン 交響曲第2番  8′6′8′6′

(encore)
ハチャトゥリヤン ガイーヌ、レスギンカ  3′


アレクサンドル・ラザレフ  指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


小川さんのピアノは魅力的ですね。粒立ちがよくて切れて気持ちがいい。なんか、性格がそのまま音になっているような気がする。
伴奏オケのブラスのド迫力、尋常ではありません。

ボロディンはあまりの音圧に悶絶。驚天動地のサウンド、生音聴けるだけでハッピーだが、しびれてハッピーすぎる。あっという間の出来事でした。
アンコールではさらに上をいく、驚天動地の2乗ぐらい。

この定期、時間短すぎです。いくら音の量で勝負とはいえ、演奏会の長さとしてはもう1曲入れて普通のレベルです。

それにしても、このド迫力。
ありがとうございました。
おわり


1999- ラインの黄金、千秋楽、新国立劇場、2015.10.17

2015-10-18 23:17:46 | コンサート・オペラ

2015年10月17日(土)  2:00-4:40pm  Opera Palace、新国立劇場、初台

新国立劇場 プレゼンツ
ワーグナー 作曲
ゲッツ・フリードリッヒ プロダクション
New production for opera-palace originally based on Finnish National Opera 1996

ラインの黄金  2時間34分 approx.
  第1場 24′(場面転換の前まで)
  第2場 49′(〃)
  第3場 26′(〃)
  第4場 43+12′

キャスト (in order of appearance)
1.アルベリヒ、 トーマス・ガゼリ (Br)
2.ヴォークリンデ、 増田のり子 (S)
2.ヴェルグンデ、 池田香織 (Ms)
2.フロースヒルデ、 清水華澄 (Ms)

3.ヴォータン、 ユッカ・ラジライネン (BsBr)
4.フリッカ、 シモーネ・シュレーダー (Ms)
5.フライア、 安藤赴美子 (S)
6.ファーゾルト、 妻屋秀和 (Bs)
6.ファフナー、 クリスティアン・ヒューブナー (Bs)
7.フロー、 片寄純也 (T)
8.ドンナー、 黒田博 (Br)
9.ローゲ、 ステファン・グールド (T)

10.ミーメ、 アンドレアス・コンラッド (T)

11.エルダ、 クリスタ・マイヤー (Ms)

飯守泰次郎 指揮
東京フィルハーモニー管弦楽団


2015.10.1公演はこちら
2015.10.4公演はこちら
2015.10.7公演はこちら
2015.10.10公演はこちら
2015.10.14公演はこちら

この日はラインの黄金の6回公演千秋楽。
ザブンザブンと言う感じでめでたく完了。
オーケストラは最後詰まった様な感じになりましたが、これで終われるのかといった勢いが勝った感じで。歌のほうも概ねそんなところです。

ゲッツのプロダクションは結局のところ、舞台には何もなくて人を動かしたり小道具を使うことに長けている。なにをどうやろうともそれはドイツの時代様式を想起させるもので、1996年のものだからというわけでなくとも目新しさは無い。ただ、ラインゴールドは一部でしかないので全4作を通して同じ印象になるのかどうかは来年以降の演出を見ていかないとわからないのも確かです。

来シーズンはワルキューレということですが、このような連続性を感じさせる演出という理由からだけでなく、指環自体が一つの作品なわけですから、例えば、来シーズンはRとWを上演、そして次々とこのように合わせながらS、Gを。そんな感じでやってくれたら演出の妙もより理解できると思うのです。いろいろと困難はあるかと思いますけれど。

全6公演楽しめました。ありがとうございました。
おわり


1998- ルクス・エテルナ、地には平和を、モツレク、ダイクストラ、SRC、都響2015.10.16

2015-10-17 01:28:47 | コンサート

2015年10月16日(木) 7:00pm サントリー

リゲティ ルクス・エテルナ (無伴奏混声合唱)  10′

シェーンベルク 地には平和を (混声合唱と管弦楽)  9′
Int

モーツァルト レクイエム ニ短調 (ジェスマイヤー版) 49′
 ソプラノ、クリスティーナ・ハンソン
 アルト、クリスティーナ・ハマーストレム
 テノール、コニー・ティマンダー
 バス、ヨアン・シンクラー

(encore)
モーツァルト アヴェ・ヴェルム・コルプス  3′


ペーター・ダイクストラ 指揮
スウェーデン放送合唱団
東京都交響楽団


モツレク、タイミング
Ⅰイントロウトゥス     ↓
Ⅱキリエ          7′
Ⅲセクエンツァ1      2′
Ⅲセクエンツァ2      3′
Ⅲセクエンツァ3      2′
Ⅲセクエンツァ4+5+6   13′
Ⅳオッフェルトリウム1+2  ↓
Ⅴサンクトゥス            9′
Ⅵベネディクトゥス    5′
Ⅶアニュス・デイ     ↓
Ⅷコムーニオ       8′


モツレクの良さがわからない身としては、まずは曲ありきのところ、コーラスは曲を越えたとは、言ってもいいのかわからないが、やや細めで清楚なちからで押して加熱感。
拍手ブラボーの流れは理想的。

ダイクストラは独特の節回しをオケに付けているところが何か所かありました。子羊と終曲ですね、フレーズを分解せずしゃくりあげる様な感じで。意味合いはわかりませんが、縦ずれしても表現したい別のものがあったと思います、そうしなければならないモツレク弱点も見た気がします。

あと、このオケ、持ち時間持て余し気味にみえて気になる、ピース増やした方がいいと思う。いつも短すぎの演奏会で。
おわり


 


1997- フルトヴェングラー、ニューヨーク・フィル、3シーズン

2015-10-16 01:19:49 | フルトヴェングラー

フルトヴェングラーはベルリン・フィルとの時代に、ニューヨーク・フィルを3シーズン続けて振っています。
その演奏会、全プログラムを随分前にアップしました。OCNのブログサービス廃止に伴い、こちらサイトに引越ししましたが、うまく移行されておらず、今回少し整理してみました。

このデータはニューヨーク・フィルのパフォーマンス・ヒストリーのデータベースが出来る前のもので、最終的にはもう一度整理しなおすことになるかと思います。

1924-1925シーズン(ニューヨーク・フィル83年目)
1925-1926シーズン(ニューヨーク・フィル84年目)
1926-1927シーズン(ニューヨーク・フィル85年目)

おわり


1996- ラインの黄金、五日目、新国立劇場、2015.10.14

2015-10-15 16:47:01 | コンサート・オペラ

2015年10月14日(水)  7:00-9:40pm  Opera Palace、新国立劇場、初台

新国立劇場 プレゼンツ
ワーグナー 作曲
ゲッツ・フリードリッヒ プロダクション
New production for opera-palace originally based on Finnish National Opera 1996

ラインの黄金  2時間29分 approx.
  第1場 23′(間奏の前まで)
  第2場 49′(〃)
  第3場 25′(〃)
  第4場 42+10′

キャスト (in order of appearance)
1.アルベリヒ、 トーマス・ガゼリ (Br)
2.ヴォークリンデ、 増田のり子 (S)
2.ヴェルグンデ、 池田香織 (Ms)
2.フロースヒルデ、 清水華澄 (Ms)

3.ヴォータン、 ユッカ・ラジライネン (BsBr)
4.フリッカ、 シモーネ・シュレーダー (Ms)
5.フライア、 安藤赴美子 (S)
6.ファーゾルト、 妻屋秀和 (Bs)
6.ファフナー、 クリスティアン・ヒューブナー (Bs)
7.フロー、 片寄純也 (T)
8.ドンナー、 黒田博 (Br)
9.ローゲ、 ステファン・グールド (T)

10.ミーメ、 アンドレアス・コンラッド (T)

11.エルダ、 クリスタ・マイヤー (Ms)

飯守泰次郎 指揮
東京フィルハーモニー管弦楽団


2015.10.1公演はこちら
2015.10.4公演はこちら
2015.10.7公演はこちら
2015.10.10公演はこちら


この日は5回目の公演。
ローゲ役のグールドも少し疲れているのかもしれない。ちょっと歌がざらついたところもありました。ここまで2週間で5回ですから大変だと思います。それでも、みなさん余計なことをせず、喉や演技が絞れてきたとも言えますね。
飯守棒はさらに速度を増し、この日はこれまでの最速で2時間半を切りました。だんだんとこなれてきて、より滑らかな演奏となりました。特に第4場が顕著で、ドンナーの一撃の前までが滑るような演奏となり初日とはだいぶ異なる。


ヴォータンの魔力は契約で得た権勢なので、巨人に契約して建ててもらったお城の代金を反故出来ない、未払いすると自分の権勢契約が無くなる訳で、契約の世界。ただその払うものがフライアというあたりジェンダー問題が出てくる。いくらフリッカを片目を失って得たとはいえいろいろと厳しい。魔術で契約を破るという発想はないみたいだし、そうすると罰があるのかどうかわからないが、現代社会の縮図みたいな気もしますね、言われていることではありますけれど。

アルベリヒは腕を後ろに縛られてはいるものの手先や足は自由でローゲが片方のはじを握りながらコントロールしているだけ、つまりアルベリヒの手にある指環は彼の自由なコントロール下にある。それなのにその魔術を使うことなく手首ごとヴォータンの槍でもぎ取られてしまう。
どうしたものかと。

2場で宇宙服みたいな恰好だった巨人2人は4場では野球のアンパイアみたいなスーツ姿に野球帽みたいなものを斜めにかぶり、よくわかりません。
ドンナーのボクサースタイルやヴォータン一家の時折見せるスクラムと合わせなにやらスポーツ系リングみたいなところもありますね。

このヴォータン一家の並びですが、そのスクラムのときと、それ以外は、だいたい直線並び。リンゴ食べてない局面におけるフリッカ、フロー、ドンナーの並びをはじめとして、5人揃って直線並びとなるシーンもある。第2場の冒頭ヴォータンが設計図の上にうつぶせになって現れるシーンにおける丸みの無い背景など、どちらかというと幾何学模様仕様で進められていきます。
フローとドンナーの歌唱も素晴らしい。特に片寄のフローは艶と張りのあるテノールで、力強い確信に満ちた歌唱は湧き立つ場を静めるもの。

この日の公演ではピットのオーケストラにも大きな拍手が湧いておりました。こなれ具合がいいです。
日本語字幕も頭韻を踏んでいるのではないかと思えるほど、ワーグナーにすっかり毒され、ドンナー黒田の一撃で目が覚める、神々の入城は終わりではなく、さてそろそろリングが始まるそんな雰囲気を醸し出してくれた飯守棒はお見事でした。

以上 五日目


1995- コリオラン、白鳥を焼く男、ハルモニーレーレ、下野竜也、読響、2015.10.13

2015-10-14 16:38:52 | コンサート

2015年10月13日(火) 7:00pm サントリー

ベートーヴェン コリオラン序曲  8′

ヒンデミット 白鳥を焼く男 9′11′11′
  ヴィオラ、鈴木康浩
Int

ジョン・アダムズ ハルモニーレーレ(和声学) 17′13′13′
 Ⅰ、-
 Ⅱ、アンフォルタスの傷
 Ⅲ、マイスター・エックハルトとクエッキー


下野竜也 指揮 読売日本交響楽団


コリオラン、棒無し指揮のためか縦ずれ、アインザッツが気になる。

ヒンデミット、ヴァイオリンを欠いた曲、タイトルほどの面白みは無い。

アダムズの和声学、
Ⅰの前半はフィリップ・グラスなモード、中間部はウェットなアダムズが顔を出す、最後はそれらのハイブリッドなモード。
Ⅱはダークでウェットなアダムズの世界からGM10のアダージョ帰結へ。
Ⅲはさざ波と息の長いフレーズの分奏、クライマックスはさざ波のミニマル大勝利となりエンド。

下野の棒は理系の勝利ながら、強弱濃い野性味溢れる余裕の演奏でした。
アダムズの和声学クライマックスの強弱は作為的とも思えるもので、ミニマルが刻みにとどまらず、強弱ミニマルみたいな様相を呈したのでした。よせては去る、激しい出し入れを下野&読響は余裕を持って奏した。圧巻の演奏。
おわり




1994- アレクサンダー・ロマノフスキー、ラフマニノフPfcon2、小泉、都響、2015.10.11

2015-10-12 14:06:11 | コンサート

2015年10月11日(日) 2:00pm 東京芸術劇場

カバレフスキー コラ・ブルニョン序曲 5′

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 11′11′11′
 ピアノ、アレクサンダー・ロマノフスキー
(encore)ショパン 革命 3′

Int

グラズノフ 四季より 秋 11′

ボロディン イーゴリ公より、序曲、ダッタン人の踊り  10′12′

小泉和裕 指揮 東京都交響楽団


ロマノフスキーの演奏は今年の初めにノセダ&N響で2度聴いた。今回は都響の伴奏で。
ロマノフスキーの手は大きくてポーンポーンと跳ね上げる様な動き、それと深く押して美しいピアニシモを奏でるときもある。音は柔らかく、作為的な技巧をまるで感じさせない。淡々と進めていく。大きな手で柔らかなタッチ、鍵盤が音楽を求めているように指が吸い込まれていく感じ。昔聴いたホロヴィッツも手が大きくて、同じような響きだった。鍵盤に向き合う姿勢も似ている。姿勢をただし呼吸を整えてそれから、きれいな音で柔らかく大きく包み込む。
強弱で大きな波をつけていくというよりは、流れるようなフレーズが連鎖していく、呼吸がつながっていく。バスは明確、右手できらびやかさが。
この曲は各楽章がだいたい同じタイミングでサイズもコンパクト、プレイするほうも聴くほうも手垢にまみれたというわけではないが、なんだか小曲の域になってしまった雰囲気がしないでもない。
そのような思いとは関係なく、ロマノフスキーは淡々と独自の世界をひらきつつあるのでしょう、いい演奏でした。

いい演奏ではあった。
しかしあの伴奏はどうだろう。指揮者は一度もピアニストを見ませんでした。振り向きしぐさが最後に一度ありましたが、あれでは伴奏としてはお話にならない。冒頭ピアノソロから始まる曲とは言え、ロマノフスキーが指揮者の顔を覗き込みアイコンタクトを求めているのに、小泉はオケを向いてただ立っているだけ。ピアノの音が出れば棒を振りはじめるのは自明ながらどうかと思う。結局最後までこのような具合で、オーケストラとピアノは淡々と別の世界を歩み続けるというまことに珍妙なものとなってしまいました。
もし、指揮者やオーケストラが、おいらたちが格上で君のプレイの伴奏をつけてあげるんだから、みたいな気持ちがあったとすれば、それはゆゆしき事態といえる。極度の美化とおごりは滅亡を招く。

この日は一連のロシア物を並べた名曲コンサートでそれでかどうかわかりませんが2番コンチェルト。自分の好みとしては3番を、いつか聴いてみたいものです。名曲陳列コンサートでは難しい選択なのでしょう。


ルーチンワークで気持ちにゆるみが出ればそれはトップオケとは言えません。
全4曲、気持ちのはいっていない演奏で、いつもの短い演奏会の延長のような雰囲気のもと、グラズノフはいつぞやの全曲演奏時からのピックアップでしょうし、ボロディンでは序曲後のコンマスと指揮者の息の合わない具合がそこで拍手を聴衆に求めるためにこちらを向くという苦肉のアクションになったのでしょうし、ただ単に技巧で並べた演奏でルーチンワークを見下したようなプレイだったと思います。やる気パワーがこのようにまだら模様でムラがあり、シーズン通して気持ちのコンディションのレベルを持ち上げ続けるのは簡単ではないのでしょう。
ホールは満員御礼状態でした。
残念な演奏会でした。
おわり


1993- ラインの黄金、四日目、新国立劇場、2015.10.10

2015-10-11 01:00:40 | コンサート・オペラ

2015年10月10日(土)  2:00-4:40pm  Opera Palace、新国立劇場、初台

新国立劇場 プレゼンツ
ワーグナー 作曲
ゲッツ・フリードリッヒ プロダクション
New production for opera-palace originally based on Finnish National Opera 1996

ラインの黄金  2時間31分 approx.
  第1場 23′(間奏の前まで)
  第2場 47′(〃)
  第3場 28′(〃)
  第4場 43+10′

キャスト (in order of appearance)
1.アルベリヒ、 トーマス・ガゼリ (Br)
2.ヴォークリンデ、 増田のり子 (S)
2.ヴェルグンデ、 池田香織 (Ms)
2.フロースヒルデ、 清水華澄 (Ms)

3.ヴォータン、 ユッカ・ラジライネン (BsBr)
4.フリッカ、 シモーネ・シュレーダー (Ms)
5.フライア、 安藤赴美子 (S)
6.ファーゾルト、 妻屋秀和 (Bs)
6.ファフナー、 クリスティアン・ヒューブナー (Bs)
7.フロー、 片寄純也 (T)
8.ドンナー、 黒田博 (Br)
9.ローゲ、 ステファン・グールド (T)

10.ミーメ、 アンドレアス・コンラッド (T)

11.エルダ、 クリスタ・マイヤー (Ms)

飯守泰次郎 指揮
東京フィルハーモニー管弦楽団


2015.10.1公演はこちら
2015.10.4公演はこちら
2015.10.7公演はこちら

この日は4回目。
2人で行ったが連れは最初の30分は熟睡モード。寝るならここというところではある。ウォーナープロダクションも見ているので余裕の睡眠。オペラの場合、長丁場なので眠ったり起きたりモヤモヤするよりも最初に寝てしまったほうがすっきりすると、経験的にも。
この日の演奏はやたらと速くてスゥスゥと進んでいく。思うに場面転換の3回の間奏をあまり濃くせずどちらかというと、速目のテンポで転換場面の劇性を高めている。

第3場の猛速演奏を聴いているとバレンボイムの伸縮を思い出すが、テンポを緩めてていねいさを求める場面ではバレンボイムのほうが響きを十分すぎるほど味わう傾向があり、他場面も含めスローテンポでのこだわりにおいては飯守棒は概ね普通の域と感じる。

ラインの乙女の歌唱が日によりムラがある。安定感を欠いているところがありいまひとつ。
他の方々はきっちりこなしている。自分がロール風になるところはしっかりと要所を押さえて歌唱をしている。こういったあたり素晴らしいですね。
ほかは他日3回と同じ感想です。

終わってから新宿で焼肉、そのあと六本木のバーへ。

以上、四日目


1992- ラインの黄金、三日目、新国立劇場、2015.10.7

2015-10-07 19:27:58 | コンサート・オペラ

2015年10月7日(水)  2:00-4:45pm  Opera Palace、新国立劇場、初台

新国立劇場 プレゼンツ
ワーグナー 作曲
ゲッツ・フリードリッヒ プロダクション
New production for opera-palace originally based on Finnish National Opera 1996

ラインの黄金  2時間37分 approx.
  第1場 25′(間奏の前まで)
  第2場 50′(〃)
  第3場 25′(〃)
  第4場 45+12′

キャスト (in order of appearance)
1.アルベリヒ、 トーマス・ガゼリ (Br)
2.ヴォークリンデ、 増田のり子 (S)
2.ヴェルグンデ、 池田香織 (Ms)
2.フロースヒルデ、 清水華澄 (Ms)

3.ヴォータン、 ユッカ・ラジライネン (BsBr)
4.フリッカ、 シモーネ・シュレーダー (Ms)
5.フライア、 安藤赴美子 (S)
6.ファーゾルト、 妻屋秀和 (Bs)
6.ファフナー、 クリスティアン・ヒューブナー (Bs)
7.フロー、 片寄純也 (T)
8.ドンナー、 黒田博 (Br)
9.ローゲ、 ステファン・グールド (T)

10.ミーメ、 アンドレアス・コンラッド (T)

11.エルダ、 クリスタ・マイヤー (Ms)

飯守泰次郎 指揮
東京フィルハーモニー管弦楽団


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この日は3回目。
第4場のブラスが大きくうねを入れていく感じで少し時間が増しました。
だいたい2時間20分過ぎたあたりでボクサースタイルのドンナー黒田が、この鬱陶しい空気を取っ払おうと、それまでのことを洗い流しにかかるそのくだりで、そう言われてみればたしかにこの2時間半は鬱陶しかったなぁと、ふと気がつく。それまでワーグナー魔術にすっかりはまってしまっていたんですね。ドンナーのグローブが地を叩き、ものすごい金属音と地鳴り、そして神々入城ワルツダンス、はないちもんめ。そこですっきりと終幕となるわけですけれど、やっぱりちょっとスッキリしないというか、ワルキューレの音形が響いているわけですから、いよいよリングが始まるという感興の中終わりをむかえる。
ワーグナーの筆の運びには唖然とするしかありません。

同じ第4場、アルベリヒはお宝も指環も全部ヴォータンに取られそして解放されて去る。ヴォータンがアルベリヒから指環を強奪する際にもいだ右手首指をローゲが拾い上げどうしたものかとうろうろする。ヴォータンの名状し難い立ち姿。その時、弦によるピアニシモがチリチリと弧を描いて弱音美の限りを尽くす。音の響きが心の動きと一致した瞬間。ワーグナーの心理描写、見事の一言に尽きる。
そしてこの響きはなぜか未来のブルックナー、マーラーを呼び起こさずにはいられない。

第1場ではアルベリヒと乙女、計4人。2場では第1場に出ていない8人。この14人の姿はきっちりとキャラクターに個性があり。見た目もフィギュアの置物が動いているようにさえ見える。愛着がわく置き物。
ゲッツの舞台はシンプルですが、人物それぞれに主張があり見た目も把握しやすい。巨人兄弟の動き表情は笑いを誘うもの、フロー、ドンナーの切り分けも明確。ヴォータンとフリッカの動きはどちらかというと二人の愛の方が勝っている感じ。尻に敷かれという雰囲気はない。
ローゲのグールドはもはや別個性。この日も素晴らしい歌唱で美しくもウィットにとんだテノールの声を満喫しました。

飯守棒のオケは特にブラスセクションが切れ味よりも海原、大河の様な流れが見事。プレイヤーもそちらのツボのほうにはまってきたのではないでしょうか。彼らもワーグナーの魔術にかかり始めたのかもしれない。もしかすると、早く残り三つをやりたいものだと思っているのかもしれない。

カーテンコール、ラインの乙女1人欠けました。

この日もありがとうございました。

以上、三日目