2015年9月20日(日) 1:30-5:00pm NHKホール
ロイヤル・オペラ プレゼンツ
モーツァルト 作曲
カスパー・ホルテン プロダクション
アントニオ・パッパーノ、コンダクティング&フォルテピアノ
ドン・ジョヴァンニ 全2幕
序曲 6′
第1幕 83′
Int
第2幕 77′
キャスト(in order of appearance)
1.レポレルロ、 アレックス・エスポージト
2.騎士長、 ライモンド・アチェト
3.ドンナ・アンナ、 アルビナ・シャギムラトヴァ
3.ドン・ジョヴァンニ、 イルデブラント・ダルカンジェロ
4.ドン・オッターヴィオ、 ローランド・ヴィラゾン
5.ドンナ・エルヴィーラ、 ジョイス・ディドナート
5.侍女、 チャーリー・ブラックウッド
6.ツェルリーナ、 ユリア・レージネヴァ
6.マゼット、 マシュー・ローズ
ロイヤル・オペラ合唱団
ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
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序曲途中で幕が上がる。
白から黒への色調感のプロジェクション・マッピングがメインの演出。
1階2階の建物で回り舞台。奥行き感はあまり感じられない。
新国立の奥行きのあるステージではもう少し何かできるのではと、ちょっと物足りなく感じる。
その回り舞台方式、回る壁にマッピングされた窓とか模様が映ってあって、回っているときも壁に描かれたように固定している。つまり一緒に動く。このシンクロナイズはすごいですね。
それから、主の館に漂う女性たち、鉛筆下書きのような色彩感で希薄な存在をよく表現している。
色々あるが、舞台は洗練されていますね。シックにおさまっていてバタ臭さがまるでないもの。さすがと思います。
パッパーノの指揮ですすむオーケストラはマッピングとこれまたよくシンクロナイズしています。先に進むにつれて締め付け度が増していきまして、最後は割とあっけなくエンド。
オケサウンドは比較的柔らかで、重心も上にある。スタンディングで男メンバー多いと知りました。重い感じは無いですね。
ビラソンは体調不良をおして出演という話でしたが、そのようなことは感じさせなかったですね。
1幕終幕に向かう7重唱、その前のエリヴィーラ、アンナとの3重唱。それから2、3ソロでの歌、なんとか踏ん張ったと思います。どうしても、タイトルロールとジョイスに目がゆきますしね。
重唱アンサンブル良く、独唱は聴かせてくれた。それでも、まぁ、誰か1人全力投球するとみんなつられて全員全力投球となる現象は次回いつの日かということで。
それから、あのフルヌードさん。あちらのお国では得意の、あまり脈絡のないところで興味をつながせるあたりの違和感のなさ。洗練されておりますね。
あのシーンはダルカンジェロさんへの拍手がとぎれましたね。お相手をあのまま拍手の間中さらしてはおけないという日本人的な聴衆感覚を感じました。
それから演出でもうひとつ印象的だったこと、それは石像の頭はドン・ジョヴァンニに割られてしまう。これの意味はいまだ不明です。
豪華キャストで演出も含め洗練度の高い充実した内容でした。
ありがとうございました。
(付記)
毎度のことですが、今回のROの2500円プログラムについて、価格不相応のチープな内容でした。プログラムを売るという発想もうやめてもらいものです。
おわり