河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

渋H

2007-02-25 20:37:00 | 音楽

少し前に渋谷のHMVクラシックフロアで物色しようと思い立ち寄ったが、在庫整理、棚卸みたいな雰囲気なので店員に、クラシックは売るのをやめるか、と訊いた。そうしたらクラシックフロアにはジャズが同居するとのこと。改装前の山野楽器みたいな雰囲気になるわけだ。

今まで余裕の広さでフロア全部を占めていたクラシックが身狭になる。最近はフロアのソファも取り払われて座ってゆっくりも出来ない。これで渋谷のタワレコと張り合っていた片方が瓦解してしまうのかと悲しんだものだ。

そんなこともあり渋谷HMVにはすっかり足が遠のいていたのだが、別のジャンルの音楽で頼まれ物があったので、それを買ったついでに足取り重くクラシックフロア兼ジャズフロアに冷やかし程度に顔を出してみた。

たしかに入口サイドのエスカレーター、エレベーター側にはしっかりとジャズがならんでいる。

中間の間仕切りはないがそこらへんからクラシックジャンルとなる。ひと頃よく顔を出していたのでだいたいのことはわかる。あまり期待していなかったのだが、最初に目に飛び込んできた棚がある。

SACD/DVD-Audioコーナー。これ、ほかの店にあるような小さな島に申し訳程度にあるコーナーではない。陳列棚を三つフルフルに使っている。

ほかの商品と同じように、あ行から順番に並んだかなり本格的な棚だ。従って販売会社毎に揃えて陳列しているようなセコサではなく、純粋な、あ行、から始まるため、プラケース、カミジャケ、寸法違い、などバラバラと混在しているが、昔からその並び方に慣れている連中にとってはわかりやすいものだ。

普通のCDと同じようにとはいかないがそれなりの選択の幅がある。これはSACDファンにとってはかなり画期的なことだ。SACDファンと書いたが、DVD-AUDIOファンにとってはある意味、終焉を示すものかもしれない。棚にはSACD/DVD-Audioと書いてあるが、実際のところDVD-AUDIOは端下部に申し訳程度に20枚ぐらい置いてあるだけ。

SACDDVD-AUDIOの出始めのころ、この店の店員に冷やかし半分で、将来どちらが有望か訊いたことがある。店員は、DVD-AUDIOに決まってるじゃないですか、と商売度外視のタメ口でのたまっていたが、見事にはずれたわけだ。ざまぁみろとは思わないがなんとなく気持ちが晴れるものがある。

それで、とにかく乱買い乱聴き派にとってみれば、明らかにCDよりもSACDの方が音がいい。ものによってはまるで違う。空気感が伝わってくるし、フォルテシモが余裕なのだ。

200万円ぐらいのアンプで時計の針が朝九時ぐらいの角度で聴くときのボリュームの余裕感。同じ音圧でもチープマシンとはマシンの余裕が違う。SACDはそんな感じだ。音の詰まりっけがないのだ。

SACDは今はハイブリッド全盛だが、SACD初期にSACDフォーマットのみ収録、SACDプレイヤーでのみ再生可能というものがソニーから出たことがあり、今でも出ているのだが、これが今でも一番気に入っている。かなりものすごい音だ。ジャケの寸法が普通ではないのだが、こうなってはあれはあれでいいかもしれない。自分の存在を棚で主張している。

こんな感じで渋谷のHMVはクラシックでもさすがに時代に後れを取らないようなことをしているわけだ。

SACD以外の商品はどうだろう。容量は半分になったかもしれないが、土地感というか棚感があるので、どこらあたりにどのようなジャンルのものがおいてあるか大体分かるし、その感覚がそのまま活かせる配置となっているようだ。店員もこの方がやりやすいのだろう。

またタワレコのように同じCDをこれでもかこれでもか、と置かないのも良い。タワレコは新発売、話題の商品を病的なまでに多量に並べる。全く同じものを。

スペースがあまっているんだろうなあ、としか思わないし、一枚手に取るとそのうしろは二枚目はなく空のプラケースであったり、ベニヤ板であったり、といま一つ興感を殺ぐものがある。

それでも絶対数だけではなく種類もタワレコの方がHMVよりは多いと思うのだが、この多量多品種作戦、見る方は結構疲れるものだ。

HMVのように品数圧縮ではなくダブル商品圧縮でコンパクトにまとめて、あまり移動せず同じジャンルのものが見渡せる距離感が、年寄りのファンが多いクラシック音楽には向いているかもしれない。

こうして、渋谷のHMVは面積は小さくなったが自己主張がしっかりしていると見た。

この前改装してジャズコーナーをほかのフロアに押し出してワンフロアを独占することができるようになった銀座山野楽器は、さながらコーヒー・アメリカンのような感じで以前より品数が減ったのではないかとさえ思える幻滅感を味わったのだが、それとは大違いだ。

HMVへは久しぶりの顔だしだったが客も比較的多くにぎわっている感じだ。

センター街から入る方の入口は、都会のやまいをみているような風景でこれ以下のヘルはないが、そこを我慢してエレベーターに乗れば、こんな感じでゆっくりと探せる。

またちょくちょく顔をだしたいものだ。小一時間いたが、占有したもう一方のジャズスペースに人がいないのが気になった。

おわり

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