2018年2月17日(土) 3:00-4:40pm オペラパレス、新国立劇場、初台
新国立劇場プレゼンツ
細川俊夫/サシャ・ヴァルツ 作
サシャ・ヴァルツ プロダクション
松風 (日本初演) 7-20-15-25-7-4
キャスト(in order of appearance and also voices’ appearance )
1. ダンス(黙役)
2. 旅の僧(ワキ)、グリゴリー・シュカルパ(Bs)
3. 合唱
3.須磨の浦人(アイ)、萩原潤(Br)
4. 松村(シテ)、イルゼ・エーレンス(S)
4.村雨(ツレ)、シャルロッテ・ヘッレカント(Ms)
ダンス、サシャ・ヴァルツ&ゲスツ(14人)
合唱、新国立劇場合唱団ヴォーカル・アンサンブル
7人(女声4SSAA、男声3TTBs)+須磨の浦人(Br)
指揮、デイヴィッド・ロバート・コールマン
管弦楽、東京交響楽団(1管編成クラのみ2、8-6-4-4-2型)
(duration) 78′
ダンス 7
海 20
潮 15
夜 25
舞 7
曙 4
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松風 アフタートーク 5:00-6:00pm 場所同
出演:細川俊夫、サシャ・ヴァルツ
司会:柿木伸之
通訳:蔵原順子
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細川さんの作品はたくさん聴いている。オペラの断片も聴いてはいるものの今回は全曲、それの日本初演。3日連続公演の中日におじゃま。
普通なら細川俊夫作曲松風となるところだが初台の1000円プログラムやちらし、ポスターでは、「細川俊夫/サシャ・ヴァルツ 松風」となっている。空間を音楽とダンスが対等に共有している、そういったあたりのことがよくわかる。観た感触としては、全ての枠は取り払われている、総合芸術である事いかんにかかわらず。これが一番しっくりくるかな。ダンスを、音楽作品の演奏を伴奏として踊るものでもない。とりあえず、そこらへんまでは理解が進みました。
作曲者の弁によると、このオペラはこれまで上演回数50回ほど、演出は3種類。今回の日本初演が4つ目のプロダクション。自作オペラ6作品中3作品目。ざっとこういったことのようです。
歌い手はシテ、ツレ、ワキ、アイの4人。合唱は女声4、男声4。男声4にはアイが含まれる。ダンサーは14人。オーケストラは1管編成クラ2、弦8-6-4-4-2型。鳴り物多数。
楽器類に和楽器は無く、合唱が歌う時にならす風鈴のみ。
合唱は舞台上での歌唱とピット右サイドのラッパの奥でも歌う。
シーンは海潮夜舞曙の5個の記載。実際に観たところでは、最初のシーン海の前にかなり長いダンスがある。オペラでよくやる前奏曲や序曲での演技がイメージされているのかどうかはわからない。一番目に出てくる顔に網目のマスクをしたダンサーは、後々まで見るとわかってくるのだが行平なのであろう。この亡霊は歌うことはない。ワキの出により劇が動くというよりも、この亡霊の劈頭ダンスで既に劇がいきなり動き始めていると見るべきだろう。多数のダンサーによるコンテンポラリーな踊りに関する知識は無くて眺めるだけ。コリオグラフィックオペラなのだと、眺めるだけで、とにかく、これまで観たことが無くて今回初めての体験、これはこれで。
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シーン・メモ
ダンス
海 旅の僧と須磨の浦人の会話
潮 松葉風の紗幕、上から姉妹が降りてくる。ハンモックのような柔らかそうな紗幕
夜 格子で作られた正方形の仕切り部屋4つ。マネキンのような行平
舞 ダンス 後半 針葉が上から落ちてくる
曙 旅の僧が目を醒ます
能もコンテンポラリーダンスも知らず、オペラを少しかじっただけの身としては理解も三分の一といったところで、これはもう、理解する努力はちょっと横に置いて、吸収することのみ。観劇をエンジョイするのみ。今回のことをきっかけに、能やダンスに興味を持つことが出来たので今が出発点。
舞台はシンプルで場面転換もわかりやすい。シンプルな舞台に多数の人たちが乗り、動き回る。色々と仕掛けや小道具が出てくる。それらが全てダンス寄りと感じてしまうのは、リブレットを理解していないこちらのせいだと思う。ドイツ語上演で日本語字幕とはいえ、必ずしも馴染みのある言葉でもなくて、リブレットが事前に手にはいれば読んでおいて少しは観劇の手助けになっていたかもしれない。
闇の持つドラマは現実とあの世の区別をぼかしてくれる。また、ちょっとした動きや響きに大きなドラマチックなものをビビッと感じさせてくれる。
凝縮された高濃度で緊張感に溢れる舞台。ほとばしるドラマが暗闇の熱い火となって帯のように流れる展開。集中させてくれます。
暗闇から出てくる音楽はコンパクトな編成を感じさせない威力のあるもので、説得力が大きい。
最後の2つのシーン、舞と曙は合わせて10分ほどの短いものだけれども、狂乱、そして旅の僧の目覚め、あの世からこの世への覚醒としては圧縮された迫力を感じる。
明日もう一度観る。
おわり
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