河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1503- 尾高忠明、N響1976.4.17

2013-08-24 20:22:33 | インポート

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このサイト左のリンク集
「聴いたコンサート観たオペラ」はシーズン毎の一覧です。
「前日までの全ログ」は演奏会以外も含めた全部のログの一覧です。
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1976年4月17日(土)6:30pm 秋田県民会館
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チャイコフスキー ロメオとジュリエット
モーツァルト 交響曲第40番
ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
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尾高忠明 指揮 NHK交響楽団

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1502- 高速爆演マーラー5番、準・メルクル、pmf2013.7.31

2013-08-02 20:25:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年7月31日(水)7:00pm サントリー
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武満徹 A String Around Autumn
 ヴィオラ、ダニエル・フォスター
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マーラー 交響曲第5番
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(アンコール)ホルスト/田中カレン編
       惑星より、木星(PMF賛歌)
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準・メルクル 指揮 PMFオーケストラ
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この日はPMF東京公演二日目、今年のPMFラストの公演でした。
まず一言、前の晩のはち切れんばかりの快活で圧倒的なイメージを帳消しにしてしまったこの日の前半プログラム。選曲ミスです。
武満の曲は音楽の律動を拒否したものでありこの主旨の演奏会に相応しくない。なにがなんだかわからない曲であることを越えて、相応しくない。
一日前の活気が一気にしぼんでしまいました。興ざめ。
この日の演奏会はチャリティーコンサートと銘打ってあり、冠コンサートということもあり、ならば盛況に盛り上がると思いきや、2階センター席、RD、LDあたりのおいしい席はガラガラ、二人で10席みたいな感じ。それに比べ、P席、RA、LAはほぼ埋まっている。形はちがうがドーナツ現象的違和感。
全般に高くないチケットで、そういう意味では聴衆の絶対数が少なかったという事実は、相応に受け止める必要があると思います。
チケットの価格と言えば、チャリティーが前日の通常のコンサートよりなぜ安いのかも不明で、価格のどの部分が寄付に回るのかわからない、もしかして無料コンサートで、チケット価格が全額チャリティーなら話はわからないでもないが。
いずれにしてもこの空席のシラケ配置と前半の選曲ミスのせいで、最初はかなりの興ざめモード。
休憩時間に前半のことは忘れる努力をした。
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メインのマーラーに焦点を絞ってきた人たちも少なからず見うけられ、後半は少し聴衆も増えた感じでスタート。
結果的には、前半のモヤモヤしたものを全て忘れさせてくれたメルクルの一大爆演となりました。
マーラーの5番は第2楽章後半のファンファーレに思い入れがありますが、メルクル棒では高速瞬間通過。第1楽章からギュッギュッとオーケストラを絞り込んでいく指揮で、濡れ雑巾をひたすら絞り込み水っけを取り、乾きそうになったところで、バケツの水に雑巾を入れなおし、また絞り込みモードにする。そんな感じでの演奏で、激しい演奏が猛スピードで進む。第1楽章ではこんなものかという感じがありましたが、第2楽章のファンファーレ軽く通過あたりから尋常でない引き締め高速モードの実態がベールを脱ぎ始めた。第1,2楽章ではそれでも曲想を越えた臨界点演奏までにはなっていなかったが。
第3楽章は曲想の妙もありコクのある思い入れたっぷりのところも見え隠れし、高速エンディングもうまくきまっていた。個別のスキルが高く、空中分解せずに済んでいるが、各インストゥルメントのトップが一つ間違うと総崩れになりそうな際どさがありますね。メルクルがかろうじて淵のこちら側に引き戻している。引き戻していると言っても駆り立てているのが当の本人なので、巧みなコントロールと言わねばならない。
アダージェットは、本当の音と聴く側の思い入れと呼吸、それらが相乗作用を起こすような指揮でなければならない。爆進の中にあって一服の清涼飲料水。弦の圧力は束になって相変わらず非常に美しいものであるが、前の晩のようなチリチリ感はない。
第5楽章の進行は過激で、グイグイ押していき、加速に加速を重ねどこで終わったのかわからないぐらいの圧倒的スピード感のうちに昇天。ユニークな演奏で、これがメルクルの普段の棒だとしたら、是非ともプロオケでの鳴り具合を聴いてみたい。
とにかく激しい棒でした。第5楽章の大胆不敵で圧倒的な前進性、何かに取りつかれたようなメルクの棒は言葉では言い表せない。こうゆう演奏にふれるのが生を聴く醍醐味であるし、まぁ簡単には忘れられない演奏でしたね。
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オーケストラは前日に比べて総じて少し粗い。前半の武満は選曲ミスであり、ここにもっと活き活きした曲をもってくれば精度も上がったのかもしれない。ノリは後半、メルクルが強引につけた部分もあるかもしれないと思ってしまう。
個別のソロは素晴らしいが、アンサンブルの深みが薄く、金属的で平板な傾向あり。特にウィンドとブラス。それからブラスは突然乱れたりすることはないが、終始今ひとつ不揃い。弦のアンサンブルは優秀、昨晩より潰れているというか疲れが取れてない感じが若干感じられる。曲のせいかもしれない。
全体的に立体感が今ひとつで、彫が深くない。マーラーの5番はやはり難しいのだと思う。
それでもここまでもってきたのはひとえにメルクルの熱のあるトレーニングの功績が大だと思う。彼らプレイヤーたちも準・メルクルの棒は忘れられないと思いますよ。
二日間素晴らしい演奏、ありがとうございました。
おわり


1501- 準・メルクル、ワディム・レーピン、PMF、ブルッフ、Vn協1、幻想2013.7.30

2013-08-02 19:50:00 | インポート

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2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番
 ヴァイオリン、ワディム・レーピン
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(アンコール)パガニーニ  ヴェニスの謝肉祭
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ベルリオーズ 幻想交響曲
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(アンコール)ホルスト/田中カレン編
       惑星より、木星(PMF賛歌)
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準・メルクル 指揮 PMFオーケストラ
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若々しくてフレッシュ、はち切れんばかりのみずみずしさ、またプレイヤーにここちよい緊張感が溢れておりそれが聴衆にストレートに伝わってくる素晴らしい演奏。多少の難はあれど、ものともせず突進。幻想に至っては火山噴火なみの大爆演。
それもこれも指揮者の準・メルクルのあまりにも見事なバトンに負うところが大きい。彼のもとでのトレーニングの成果が100パーセント出た形にしか見えない。あまりにも見事にコントロールされた音の揺れ動きには驚嘆するしかなく、それが変に縮こまらず前に押すような演奏になっているのは、そのコントロールと巧みな解放が随所にあるから。換言すると、指示の通り以上の表現を可能にしたメルクルのトレーニング魔術棒ということになる。真に唖然とするバトン・テクニックであったと思います。
あの棒ならみんなあのようにうなりを立てて演奏していくほかない。聴衆も演奏行為をしているような錯覚に陥ってもおかしくない。素晴らしい指揮芸術というものを久しぶりに観た思いです。ありがとうございました。
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前半のブルッフ、オーケストラの鳴りがこんなに巨大な曲だったかという軽い驚きをおぼえました。それはひとまず横に置くとして。
レーピンの骨太で自信に満ちたヴァイオリン、琥珀のしずくのようなサウンドが心地よくホールを潤す。
また、オーケストラの音位置と同じぐらい低いところでの活躍が多い曲だなぁとあらためて思いました。ですので、ソロの音が埋もれてしまってもしかたがないパッセージなどもあるかと思いきや、明確に浮き出ていて見事に弧を描いているので、その美しさにずっと浸っていられる。結局あらためて思うのは、ロシアのオーケストラを耳にするとその骨太な鳴りに驚くわけですが、それとおなじものをレーピンに感じる部分がある。レーピンが束になれば、轟くようなロシアサウンドのオーケストラになるのだろうな、と。
このような手ごたえのあるブルッフ、久しぶりに聴きまして、あまりの素晴らしさにいたく感動しました。
それと驚くべきはメルクルのトレーニングがゆきとどいているオーケストラの多様な表現。ストレートでぶっきらぼう、この両方の真逆だと思えばいいかと。
伴奏止まりではまるでなくて、オーケストラの主体性ある曲を聴いているおもむきであり、もうこれだけで聴く方も噛んで消化する。再生装置ではなかなか感じ取ることのできない巨大な伴奏演奏にしびれました。
レーピンのアンコールは弦パートの応援付きのパガニーニ。PMFの意義、実践をこなしてきた結果というか成果が、熟した果実のよう。泣けますね。
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後半の幻想。これがメルクル自身の解釈表現なのかというところは一点あります。譜なしで全てのパートに的確な指示をして(驚嘆!)、そしてその指示通りパッセージがふくらみ、歌い、伸縮する。全く驚異のトレーニング成果というしかなく、唖然。
PMFとはこのような主旨のものであり、その練習成果が見事に出ているわけですが、メルクルが通常のオケ相手にこのような解釈をするかどうかというのは、少しわからないところではあります。同じでも違っていてもいいではないか、という話もありますね。たしかにこれだけ素晴らしいとどっちでもいいかも。
第4,5楽章のスピード感ある咆哮には驚きましたけれど、思い起こしてみると、第1楽章から特に弦の濃度が非常に濃い。弦が高音に登りつめるときに加速気味にして、思いっきり集中させて弾かせるので充実した響きが美しい。そして下降するときの余裕の横広な解放。こうゆう音を出させる指揮者はやっぱり才。
第2楽章もワルツの加速での弦が濃度高い。
こういったスタイルで第1,2楽章あたりからチリチリしているので第5楽章の引き締まった大爆演も流れとしては、メルクルにしてみれば方針にブレはないということなのかもしれない。
普通ありがちなアタッカはなく、きっちり準備を整えて次の楽章を開始する。
第4楽章でブラスの爆発、結構な速度。ここらあたりで聴衆は興奮してくる。そして第5楽章では爆走となり圧倒的な締まりと開放で咆哮エンド。最終音はちょっと中途半端な長さのような気もしましたが、メルクルは見せかけの表面効果を狙っているわけではないと理解します。
弦は優秀で熱を感じる。ウィンドは几帳面できっちりしている、この気持ちが無いと幻想はなかなか難しい。ブラスは前二者に比べるとアタックが少し甘め。ラッパですので迫力はあります。
国籍は色とりどりで見た目にも飽きない。編成は巨大な18型。音色は硬め。アンサンブル志向より束のまとまりで押されたかな。
実は第3楽章の静寂とソリスティックな技巧と弦の歌、ここが一番、きた。
本当にまとめてブラボーです。素晴らしい体験をありがとうございました。
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アンコールの編曲木星、あれ、一体なに?
おわり


1500- 三善晃、Vn協、プルチネルラ、イタリア、アルミンク、新日フィル2013.7.26

2013-08-01 22:01:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年7月26日(金)7:15pm サントリー
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三善晃 ヴァイオリン協奏曲
  ヴァイオリン、豊嶋泰嗣
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ストラヴィンスキー プルチネルラ、組曲
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メンデルスゾーン 交響曲第4番 イタリア
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クリスティアン・アルミンク 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
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アルミンクは今回の来日で新日フィル音楽監督卒業のようで、来日場所盛り上がっている雰囲気ですね。個人的には当節、音楽監督、常任指揮者といった事にはあまり興味が湧かずあまり深入りもせずで。
最近はそもそも、シーズン二桁振るか振らないぐらいで音楽監督、常任指揮者といっている現象は国内どこのオーケストラでもあるもので、ご本人の切り口からしたら一つの出来事にすぎないと思う。ひどかったのはN響の音楽監督制、あれ、一人の音楽監督がシーズンに何回振っていたのだろうか。デュトワが振ると色が変わる、みたいなことが実しやかに言われていたが、たしかにそういう部分もあるとは思うが、別に通常の来日と同じぐらいの回数で、あまり大げさな話でもないだろうと思う。
アチコチ駆け巡って1シーズンが過ぎてしまう指揮者の時代は、世界中どこでも同じ現象かもしれない。それよりも気になるのは国内オケのコンマスが毎度毎度コロコロと変わること。なんであんなに変わるのかな。オーケストラの音色や呼吸を含めた意識の統一といったあたりのことは見事に飛んでしまっていて、ただスキル的に上手だ、といった一点の共通項目だけでつながっているのではないか。アメリカの場合、それこそスキル集団と思われがちだが、コンマスは基本的に一人。なんか、逆なら話が分かるが、みたいな、笑えない事実がある。ここらあたりの話しは、日経新聞2013.1.25のナッシュヴィル交響楽団コンマス岩崎潤の記事が興味深い。
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アルミンクについて好印象としてあったのはふだんあまり生で聴くチャンスが無い曲を積極的に取り上げて聴かせてくれたこと。新日フィルの会員になって頻繁に聴くようになったのはここ2~3シーズンなのだが、振り返ってみると本当にいろいろと振ってくれているなぁと思います。これ自体一つの功績だと思います。
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この日のコンサートの聴きものは最初の曲、三善晃のヴァイオリン協奏曲。若いときの曲でごつごつしながらも閃きの感じられる曲。じっくり時間をかけて考えこまれているのに一瞬の出来事のような曲、それが閃きと勝手に理解している。メシアンのトゥーランガリラとか、ブーレーズのノーテーションとか、あんな感じ。
この日の演奏は、曲を詳細に知っているわけではないのでフィーリングですが、オーケストラが雄弁でなく大胆でもなく、のびのびしていない。枠の中で動いている感じ。練習した分だけ縮こまりから開放されていくのだなと感じてしまう。このような曲の場合、オーケストラのスキルの底辺がどこらあたりにあるのかで演奏の雄弁さが違ってくるような気がする。
ソリストのヴァイオリンはどちらかというとオーケストラと逆。弾きこまれていて太くて自信に満ちたもの。これは良かったと思います。
オーケストラの伴奏が、伴奏どまりを越えてくれたら最高の演奏だったように思えました。
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プルチネルラ、イタリアはきれいに光り輝くサウンドでのびのび。気持ちよく音を浴びることができました。
ありがとうございました。
おわり