河童国にはクラシック以外の音楽が存在しない。
そのため、たまに人間界に滝登りを行いエンタメ修行をつむ。
今回のテーマは、「ものまねエンタメをきわめる。」である。
まず観なければ話にならないということで、ここのお店に皿ごと出没してみた。
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六本木のSTAR
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夜な夜な、一晩3回ものまねショーが行われているようだ。
ワン・ステージがノンストップ45分。
ショー全体がコンピュータ制御のように思える。
そんなことはないと言っていたが、あやしい。
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非常に楽しめるショーであった。
テレビ芸能人の学芸会のようなばかくささが微塵もない。
甘えのきかないシビアな世界の、そこはかとなく、それでいて、いとおもしろき、人間界のショーであった。
観る前は45分というのは短いような、少しばかりの危惧を抱いていたのだが、実際接してみると、これだけ持続するエネルギーはやるほうも見るほうも適切な長さだと実感した。
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「天城越え」の絶唱は、曲が曲だけにやはりこのような美人が美声で歌うのが理想ではないか。
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それはそれとして、限りなく怪しい扮装のマイケル・ジャクソンの歌。
これ、なに?
河童国ではクラシックしか存在しないため、曲のタイトルが全く、わからない。
でも、この曲のハーモニー、メロディーライン。
やはり、限りなく怪しく、似ている。
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これは、ヴェルディのレクイエムの第2曲の「怒りの日」だ。
微妙にラインをぼかしているが、河童の耳をだますことはできない。
なんだか、とても新鮮に聴こえてくる。
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さっそく、河童洞窟に帰って、ネットで検索してみたが、どうもうまくヒットしない。
コピー曲だという定説、認知、がないのだろうか。
無知というのは全く困ったものだ。
あまり深い追いすると、それこそ深みにはまるので、誰か知っている人に聴くのが一番だ。
誰かおしえて。
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オペラの大家ジュゼッペ・ヴェルディの作曲したレクイエムは、聴きようによってはほとんどオペラのような曲だ。
流れ出て溢れ出るヴェルディ調(本人だ!)の太めメロディーの数々。
美しいブラスのピアニシモ・ハーモニー。
合唱もソリストも全力でことにあたらければならない。
何度聴いてもいい。
マンゾーニも死に切れたと思う。
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この曲は約90分の曲だが、第2曲怒りの日に約40分かかる。
全部で7曲であるから、怒りの日がいかにバランスを崩した曲であるかわかる。
しかし、ときとして、このようにしてまで表現しなければならないものが人にはある。
マーラーの大地の歌、しかり。
この曲はテレビのコマーシャルなどでもさかんに流れるので知っている人も多いと思う。
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それで、スター、であるが、
ジャクソンの歌をたしかめに再訪しなければならない。
それに天城越えも観たい。
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