日暮れ近くなってから、いつもの散歩に出かけた。東の空にびっくりするほど大きなお月さんが・・
そろそろだろうとは思っていたが、岩手県の男性の平均寿命に達するのは目前に迫っていた。
元気で平均寿命に達することはやはり目出度いことだろう。
生まれてこの方、凡そ平均に達したことは少ない。
勉強学業、凡そ平均並み、もしくは少し下、スポーツ運動・・苦手、仕事の成果、平均以下、カラオケ下手くそ音痴、平均に達したのは長生きだけ、だが残りの人生大切に生きよう。とは思うが。
同じ集落に住む大先輩のおばあちゃんは、もうすぐ100歳を迎える。早世した長男は良い飲み友達だった。
長男を亡くしてからは大きな家に一人で住んでいる。訪ねると「良く来てくれた・・」とニコニコ笑顔で出迎えてくれる。
台所に立ってお茶の準備を始めるから「いいから・・」と言っても「台所とこたつの往復は良い運動になるから・・」と、こたつに入ると新聞が大きく広がっている「新聞だけは見ないと世の中の事を知らないでいるから・・・」と新聞は休まずに取っていると。
お話し好きな、おばあちゃんは次から次へとお話が続く、時には前にも聞いたこともあるお話も・・・
「お嫁に来た頃はまだ電灯が点いていなかったのにお姑さんや旦那さんが働き者で大きな家を建ててもらった・・」
長男は早世したけど「10㌔も離れた所に住む次男夫妻がごはんのおかずを届けてくれるの、嫁さんもとっても優しくてね」
近所の人は「私の食べるお米をくれるの・・」3日に一回は顔を出して「元気か」と言ってくれる。「私をおふくろと思って孝行してくれているようだ」と・・
民生委員の人も、とてもいい人で「この間、雪が降ったら朝早く来て雪かきをしてくれたの・・」
週に2回のディサービスは一番の楽しみだと、「お昼をいただいて、お風呂にも入れてくれるの・・」
私を取り巻く人たちは、みんないい人ばかりでおかげで長生きできると、口から出てくる言葉は何回も何回も「私は恵まれている」「運が良い」と感謝の言葉ばかり。
100才にも近いおばあちゃんに、平均寿命に近づいた今、色々大切なことを教えてもらった。
帰り道、いい感謝の話を聞いて、気分が爽快になったような、、、おばあちゃんに習って、自分の環境に感謝しよう、結婚後59年支え続けて、その重みに耐えかねて腰の曲がった老妻、懸命に働いてくれる家族、孫たち、近所の人たち・・・老いても目の前には、自分の力を待ってる、たくさんの仕事のある事、感謝しなければと学んだ・・・