岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

小正月

2024-01-16 16:08:55 | いなか暮し

  ふわふわのあったか綿毛に包まれた、こぶしのつぼみだが今朝の花巻マイナス13、5℃の寒さはこたえたろう。春はまだまだ・・・
  24節気 小寒 末侯 雉始めて鳴く 
雉のオスがメスに恋して鳴き始めるころ 新暦では1月15日ころから19日ころ。

 1月15日、一面真っ白の田んぼでは雪中田植え、豆ガラや小さく束ねた藁を使って稲に見立てて雪に差し込む、かって田舎ではどこでも見られた「小正月」風景だが今ではやる人はいない。なにせ稲わらは収穫のとき機械で切ってしまうから肝心の稲わらが無い。少々寂しい「小正月」である。

 15日、日暮れが近づくころ、数人単位のグループの子供たちが、家々の軒先で声をそろえて「舞い込んだ、舞い込んだ、福の神が舞い込んだ」 声を聞きつけた家人が「どうもありがとう ご苦労様」とリーダーの持つ小さな米袋に餅やお菓子、時にはお金を入れてくれる家もある。まれに居留守を使う家では、悪ガキどもが「貧乏神、舞い込んだ」を繰り返し走って逃げる、、、、 家々を回って暗くなったころグループの一員の家に引き上げる。
 家の中では常居の間に大きな木に「みすき団子」が飾られている。みずきの枝先には赤、白、緑の団子や縁起物の小判型のお餅がいっぱい吊り下げられ、その下に陣取った子供たちは家々を回って、袋いっぱいになった餅や菓子、お金などを山分け、分配して解散。昭和30年ころまでの風景だろうか。
 翌16日は「藪入り」花巻地方では「16日」は特別な日である。正月の16日とお盆の16日は一切の農作業はお休みにして、お嫁さんは実家に里帰り、親類や親族の家々を訪ね御先祖さまに線香を挙げる日と決まっている。
 次々と線香をあげに来てくれるお客様に子供達もソワソワ、少し遅れの「お年玉」のチャンスでもある。
 嫁いだ娘や息子も帰ってくるからお年寄りも嬉しい一日、思い出話に、にぎやかな楽しい「16日」となる。

 翌日から「みずき団子」や吊り下げた餅の片付け、木から抜き取った色とりどりの固くなった団子は子供たちがこたつで焼いて、熱々のおやつとなり、いっぱいの小判型のお餅や食べ残したお正月の鏡餅は雪をいっぱいつけて寒風にさらして干し餅となり、春作業の大切なおやつとなる。
 当時の小正月は旧暦だったから2月の半ばから下旬ころだったろう、のんびり過ごした寒い冬から春に向かう頃、春がそこまで来ている。

 
 
 

コメント
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