岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

郷に伝わる祝い唄、御詠歌の紹介 ③

2023-12-15 15:32:29 | いなか暮し

地区内に何か所かある庚申碑の一つ、 刻まれた年号は天保とあるから180年余り前に建立されたものらしい。
 地区内には、ほかにも数ヶ所の庚申碑があるから信仰は昔から続いたらしい。
 地区には、かって各集落やグループごとに庚申講(普通は”おかのえさん”と呼ぶ)があり年に数回の講が開かれた。現在も続く庚申講も数グループある。
 十支と十二支を組み合わせて60日に一回やってくる庚申の日に、たいていのグループは年始の「初庚申」と年末の「しまい庚申」が開かれ、古い記憶だが青面金剛と三猿が描かれた掛図を前にリーダー(主にお年寄りだったような・・)の口上(?)から始まる。
       我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうあくぎょう)
     皆由無始貪瞋痴(かいゆむしとんしんち)

     従身口意之所生(じゅうしんくいししようしょう)
     一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)

     晻庚申禮講心禮(おんこうしんれいこうしんれい)
     来諸々々娑婆訶(まいたりまいたりそわか)
庚申御詠歌

    あさひさし こうしん かがやく
      かのえてら いりあいひびく まつかぜのおと

    つきづきに いのれよ まもる
      かのえさる ときの さいなん のぞきたもうぞ

    げにいのる こころぞ かのえ
      よりのそら うんはてんより さずけたもうぞ

 庚申の日は眠らない日とされ、どの庚申グループも夜更けまで宴会や花札に興じ、この日結ばれて出来た子は盗人になるといわれたらしい。
 諸説はあるが農家の豊作、招福を祈り、石碑の多くは村境にあった事から他村からの疫病や泥棒除けの願いもあっただろうと思われる。

 庚申講や山の神講、出羽三山参りの同行者の最上講、同じく一緒にお参りした伊勢講等々、激しい農作業の合間の楽しい集まりだったことが伺われる。      

コメント
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