岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

田舎に暮らす幸せ

2020-02-18 16:53:04 | いなか暮し

 春、柔らかな雪が降った翌日
  里山には小さな動物の足跡がいっぱい。
 狐、タヌキ、ウサギ・・・・はいいが、昨今は鹿もみかけるようになった。
 まもなく、イノシシも登場するらしい。

 地区内の古い石碑を見ると、少なくとも150年も前から行われていた古峰神社信仰
 ほとんどの家屋が、かやぶき屋根の時代、最も怖い火事、火除けの神様として長い間信仰されている。

 昭和、平成時代は地区内150戸ほどの家が参加して、年に5千円を積み立て、6年で3万円を積み立て、年に一回当番が、交代で栃木県の古峰神社に代参し「お札」を受けてくる。
 3万円の積立金があれば、お参りの後、近くの鬼怒川温泉に一泊してもいくらも不足しないが、時代とともに古峰神社に代参の後,善行寺や伊豆、さらには伊勢までも足を延ばすようになってきていた。
 それでも6年に一回の楽しみの旅行として夫婦の参加も増えていたが、平成に入って、長い歴史の古峰信仰、代参は若い人を中心に講の参加者も減って、平成28年、代参制度は解散した。

 翌年春、集落の集会で古峰神社代参の代わりに「お札」を取り寄せようと提案があり、募ったところ、講に入っていた全員が欲しいということになり、代参に代わって「お札」を送ってもらい、各家庭に配布していた。
 それから数年続けていたが、そろそろ、潮時と思い、この春は、注文を取らないでいたら、思いがけなく集落の若い年代から
 「今年は古峰神社のお札は頼めないんですか?」
 「いやいや、そんなことはないよ・・・」急遽、注文を取ったら、なんと今まで通りの申し込みがあった。
 かやぶき屋根の火の心配もないし、今ではめったに火災もなくなったが、守られているという安心感は若い世代も感じていたんだろう。
 「お札」が送られてきて、集会所に集合して「お札分け」をする。
 集会所の神棚、火を扱う炊事場に「お札」を祀り、集落内の独居高齢者には「火の用心」をしてもらうよう無料配布する。
 「お札」を分けた後、この先も集落に災難のないことを願って、直会(なおらい)、いろいろの世代が懇親、情報交換の場となる。
 鎮守さま、権現さまや神様を祀り、種々の地域の文化を守る。
 そんな田舎、地区、集落に住む幸せを感じる。

 

 

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