今年の春 木々の開花は早い。
記念樹として植えた庭の枝垂れ梅、15年して元気な若木に育ち見事な花を見せてくれる。
今年は3月30日には咲き始めて4月4日にはもう満開、こんなに早く咲いたのは初めて、そういえば先日東京と南極が同じ気温だったり4日には岩手県南の一関でもう桜が咲き始めたとか、これも超早い。
こんな異常天候の後には何があるか、お日さま頼りの農家としては先が案じられる昨今である。
大震災で1200人もの命が失われた岩手県大槌町の海を臨む高台に電話線のつながっていない「風の電話」がある。
もう一度会いたい、もう一度話したい・・・相手に想いを伝え、心で話す。
そんな電話を訪れる人が絶えないという。
食道がんを患い声を失った友人はそれまで興味のなかったメールを覚えて想いを伝えるようになった。
いつも一緒だった山登りの事、若い頃 共に親不孝をしたこと、家族ぐるみで温泉に行ったこと、やり残したこと・・・・
しきりにメールを寄せていたが半年後に亡くなった。
残った携帯電話の番号、メールアドレス 何年経っても削除できない。
もしかしたら電話に出ないだろうか メールに返事が来ないだろうか 今、どこにいる?
そんなはずもないし、無駄とは知りつつ削除できない。
検索の度に現れる電話番号。
年齢と共にそんな電話番号が増えてきた。
そして、この春 また一つ削除できない電話番号が増えた。