くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「スーツケースの半分は」近藤史恵

2016-02-18 03:45:54 | 文芸・エンターテイメント
 スーツケースは半分あけておいて、旅のお土産を入れて帰るのだそうです。
 一人旅にスーツケースを持っていったのは、パソコンが必要なときくらいですが、帰りに詰めるのは本くらいですかね。あ、お菓子も買うか。
 近藤史恵「スーツケースの半分は」(祥伝社)。
 トラベルミステリと思い込んでいましたが、青春ドラマ風でした。
 学生時代からの仲良し四人組、真美、花恵、ゆり香、悠子。
 久しぶりに会ったのはフリーマーケットの会場でした。真美はそこで素敵なブルーのスーツケースに目を留めます。格安で手に入れたそのスーツケースで、真美は念願だったニューヨークへのひとり旅を敢行することに。
 旦那さんからの過干渉を乗り越えて出発した彼女は、ブロードウェイでミュージカルを見て、「出待ち」までするという成果を得て帰国。
 さらに香港に出発する花恵は、自分のものが壊れていたためにこのスーツケースを借りていきます。そこで、ある出会いが。
 これって、幸運のスーツケースかも! という話が出て、恋人と旅行するゆり香も借りることになる。

 まわりまわっていくスーツケースと、彼女たちの旅。
 わたしは海外には一度しか行ったことがないですが、近藤さんはここに出てくる国に行かれたのですかね? アブダビ、パリ、シュトゥットガルト、あ、南紀にも行きますね。
 小説を読んで、わたしは香港に行ってみたいと思いました!
  

「空を泳ぐ夢をみた」梨屋アリエ

2016-02-17 05:34:54 | YA・児童書
 NHKネットコミュニケーション小説。
 梨屋アリエ「空を泳ぐ夢をみた」(ほるぷ出版)です。
 高校一年生の未空、真実、結芽、響の四人が、インターネット上で交流をもつ物語です。
 未空は先輩から声をほめられ、幼なじみのすすめで朗読をアップ。しかし、著作権に触れて閉鎖になりました。
 文芸部と新体操をかけもちする真実は、小説サイトに振り回されて、自分の考えが上滑りしていきます。
 イラストレーター志望の結芽は、憧れの凌雅さんの作品をトレースしていると中傷され、響はブログに書いた日記が原因で友人と仲違い。
 ネットのトラブルも感動も扱っています。
 横書きなので、ケータイ小説になじんでいる女の子たちには読みやすいかも。
 
 もちろん、わたしが学生のころには携帯電話なんかないわけですが、もしあったらケータイ小説書いていただろうかと思うことがあります。
 文芸部だったから、ノートにちまちま書いていたのですが、最近は携帯でリレー小説書いたりするらしいですね。
 でも、この本の真実の章を読んで、わたしには向いていないなと思いました。
 ただでさえ改行が少ない(これでも意識して増やしてはいますが)ので、ネット上で把握しやすい構成は難しい。つい書き込んでしまいがちのわたしには合いません。
 
 姫南子先輩は作家デビューだそうですね……。
 ネット小説には懐疑的のようですが、どんな作品を書くのでしょうか。

「ファンム・アレース」香月日輪

2016-02-16 07:15:23 | YA・児童書
 先日、息子の英語面接に付き合ったとき、去年確か会場でこの三巻を読んだことを思い出しました。
 お昼を食べるとき、待ち時間に読むものがない息子に、途中の巻だけどと貸したのです。「妖怪アパート」は夢中になったのに、こっちは結局読みませんでしたね。
 香月日輪「ファンム・アレース」(講談社YA!)。やっと六冊めが終わりました。

 一冊めを買ったのは、かれこれ五六年前。多分、「妖怪アパート」が完結する前です。
 買ったはいいけど、どうも続くらしい。よく行く図書館には、「妖怪アパート」はあるけど他はないので、中途半端に放り出されるのが心配で読めなかったのです。
 そしたら、昨年、泉の蔦屋書店で割引販売をしていた。
 一気に四巻まで読んだのです。「ファンム・アレース」とは戦いの女神。グランディエ王国の最後の王女となったララと、彼女の用心棒となったバビロンの絆や、周囲を取り巻くキャラクターたちが楽しくて。
 やっぱり長編は一気に読まないとなーと思ったのですが。

 なんだか五巻上(六冊めが五巻下)になったら、さっぱり進まない。
 読み終わったら図書室に寄贈しようと思っていたのに、このままでは並べられないのですよ。(借りる生徒だって一気に読みたいだろうから)
 というわけで四巻までは図書室の準備コーナーの箱に入ってます。
 だから、細かいところは忘れているし、当時は全部読んでから感想を書こうと思ったので、なぜ中断したのかはっきりしません。

 でも、五巻の出だしから読めなくなったのは、ララに動きがなかったからではないかと思います。
 なんだかサーブルにスポットが当たったまま戻ってこない!
 香月さんは好きなキャラクターに入れ込みすぎてしまう方なので、わたしとしてはついていけないのです。
 サーブルとバビロンが危険な目にあっているのに、ララは気づかない状態で放り出されている感じ。
 やっと魔女の城目指して出発したときはほっとしました。

 わたしは女性ながら武術の達人であるアティカが好きなのですが、同行する人物多すぎて(八人)誰だったかごちゃごちゃになってしまうことがしばしばでした。馬とかも出ると何が何やら……。
 魔女がララを狙っている割に、城にくるまで何の動きもないような……。
 まあ、でも読み終えたのでいいことにします。彼らだけで解決する方が、好みではあるのですが。

「阿Q正伝」まんがで読破

2016-02-15 05:32:51 | コミック
 今年も「故郷」の授業が終わりました。
 といっても、次の題材「『正しい』言葉は信じられるか」は冬休み前に終わっているので、教科書が進んでないわけではありません。
 旧正月付近にやりたいと思って。
 今年度三年生用の授業ノートをなくしてしまい、一から出直しで教材研究をしております。読めば読むほど味が出ますね。
 まんがで読破シリーズから、「阿Q正伝」(イーストプレス)。
 「故郷」は入っていませんが、魯迅の作品世界を手軽に理解するにはいいですよ。
 中学生って、時代背景とか社会状況とかうまくつかめない子が結構いるので。(うちの生徒だけですか? 今回「甥ってなんですか」と聞かれて愕然としました……)
 「阿Q正伝」、中学か高校生の時期に読みました。緑の表紙の文学全集で。遠い記憶をたどってみると、迷信といわれるようなエピソードが描かれていたような気がします。
 そして、「阿Q」があんまりにもテンション高くて驚いたのですが、それ以降は全く読んでいないので、中身はよく覚えていません。だから、いろいろとまんがならではの工夫がおもしろいと思いました。
 まず、「藤野先生」。魯迅本人を「周君」として描きます。本来一人称の作品ですが、まんがですから外から見ることになる。その視点の違いが新鮮でした。
 続いて「髪の話」。日本留学で辮髪(まんがでは「弁髪」)を切り落とした男。
 彼の名前は書かれていません。でも、この話を読むと、因習に縛られる中国社会の状況や、革命を終えても理想とする世界が訪れるわけではないということがよくわかります。
 「故郷」も、ルントーの生育に神仏への崇拝が影響していることが書かれていますね。名前の由来とか銀の首輪、香炉と燭台。そして、ヤンおばさんは纏足をしている。
 「髪の話」の主人公は合理性を求めますが、民衆は承知しない。しかし、彼らがこだわった辮髪だって、もともとは満族の風習。なじむまでには相当抵抗があったはずなのですが。

 他には「明日」と「狂人日記」も収録されています。
 わたしの遠い記憶では、他にも迷信にとらわれる人々を描いた作品があったと思います。「饅頭」とか、そうじゃなかった?
 子ども心にすごく衝撃的だったのですが、もしかしたら違う話と混じっているかもしれません。
 
 若い頃わたしは、「故郷」はつまらない教材だと思っていました。
 でも、読むほどに発見があり、今では中学校の教科書の小説としとはかなり好きな作品です。
 また、生徒たちがこの作品とよき出会いができますように。

「レジまでの距離」似鳥鶏

2016-02-14 10:23:10 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 歯医者で女性週刊誌を読んでいたら、似鳥さんの新刊が出たというじゃないですかぁ!
 その足で本屋に寄りましたが売っていなかったので、着実にありそうな本屋さんに行きました。よしよし(とほくそ笑む)、似鳥さんの、しかも書店ものです。「レジまでの距離 本屋さんの名探偵」(光文社)。
 カラーとしては、大崎梢さんのシリーズに似ています。というのも、結構参考にされたのだそうです。大崎さんと久世番子さんの作品で、本屋さんの仕事の基本的なところは語り尽くされている。
 
 この連作のきっかけとなったのも大崎さんで、「本屋さんのアンソロジー」に作品を依頼されたから。
 わたしもこの一作め「七冊で海を越えられる」はそちらで読みました。
 アルバイトをしている青井くんの視点で、本屋さんで起きた事件を解き明かしていくシリーズです。といっても、名探偵は店長ですが。「西船橋のポップ姫」と呼ばれる彼女は、仕掛けた本を完売する凄腕の書店員なんですが、店のことはほぼ青井くん任せでレジにも入らない(笑)
 店から送られてきたの七冊の本。何かの暗号なのか。
 売れっ子ライトノベル作家のデビュー作が引っ越しの最中になくなったのは、友人が盗んだとしか思えない。どこに隠して持ち出したのか。
 その事件が縁でサイン会をしてくれることになった蓮見喬のポスターに落書きが! 一体誰が? どういうつもりで?
 そして、雑誌に挟まれた強迫文。文芸担当の一ノ瀬さんが売り上げを伸ばそうと奮闘しますが……。

 似鳥さんのカラーがすごく出ていておもしろいです。
 実在の本とかドリンク剤とかが出てくると、ついにやりとしてしまいます。大好きな「夏のくじら」と「ホワイトアウト」が並んで出てきたり、東野圭吾の経費を小説に登場させる短編が出てきたり、本好きにはたまりませんよ。
 ふと思ったのですが、本屋さんの常連と呼ばれるのってどんな感じですかね。わたしはしょっちゅう寄って買っていると思うのですが、書店員さんを名前で呼んだり話したりはしないので……。
 学生時代、花とゆめを取り置きしてくれたK書店のおばちゃん(ひとりで切り盛りされていたので、今はもうやってないと思います)くらい。
 ただ、アルバイトをしていたときは、よく来るお客様は特徴を覚えていましたから、そんな感じかな。
 一ノ瀬さんは、本を買いにくるというより本屋さんに来る客を増やしたいと考えていますが、それはすごく分かる。
 手に取ってみるというのは大きいです。
 わたしは最近ネットのまんがを読むようになったのですが、なんだかやっぱり距離がある気がします。
 似鳥さん、今年は楓が丘動物園の新作、出してくださーい!

「なりたい」畠中恵

2016-02-12 20:37:41 | 時代小説
 「しゃばけ」シリーズは人気があって、図書館で借りるにも時間がかかります。今回は「なりたい」(新潮社)。
 妖になりたかったり、りっぱになりたかったり。
 わたしがおもしろいと思ったのは「親になりたい」です。
 長崎屋の女中おように縁談があり、子どもを連れた柿の木屋(煮売り)がやってきます。しかし、息子の三太は手に負えない行動をすることで知られ、女中頭のおくまは納得できないと言います。
 おようは一度嫁入りしたものの、子どもが生まれないことで戻されたのです。三太の母親になる決意をしたおようは、若旦那にとりもちを頼みます。おかみさんが、相談できるとしたら一太郎だろうと言ったからだそうですが、その理由は三太が妖だからなのですね。
 柿の木屋は三太を川端で拾ったのです。もちろん、妖だとは知りません。自分自身も火事のどさくさで親とはぐれたことがあり、他人事とは思えないのです。
 おようが嫁に行き、柿の木屋は繁盛しますが、そこに自分が父親だと名乗る猪助という男が……。
 
 「猫になりたい」は手拭いを染める店の元主人が生まれ変わって猫又になり、商売のことで若旦那に相談にくる。
 「猫じゃ猫じゃ」を踊るには手拭いが必要だから、戸塚の猫又たちを紹介しようと思っていると、そちらからも相談を持ち込まれて。
 相変わらずコミカルでおもしろかった。
 来世でなりたいものを探すように神様たちから言われますが、これは「えどさがし」に通じていくエピソードですね。
 続きが楽しみです。

「二の姫の物語」深山くのえ

2016-02-09 03:45:22 | YA・児童書
 ずっと学級文庫として使っていたのですが、整理しようと思って読んでみました。原作は少女まんが。多分、初読の感想もブログのどこかにあるはずです。「二の姫の物語」(小学館)。
 中国古代が舞台と思われる王宮ものです。
 宰相の息子青推は、愚図姫と呼ばれる二の姫の臣下になります。
 後ろ盾のない二の姫に仕えるのは青推一人。
 初めは気が進まなかったのですが、二人で勉強を重ねるうちに彼女の聡明さに気づくようになる。
 力はあるのに優遇されない兵士たちが集まるようになって活気づいた二の姫の部隊ですが、隣国との合戦で不利な位置を任せられることに。
 敵に挟まれ、生命の危機があるなか、青推はやっと自分の思いを告げるのでした……。

 でもね。このお話のポイントは、このあと大逆転した二の姫陣営を讃える人々が、王位を継承してほしいと願うことにあるんですよ。
 青推だけを見つめてきた二の姫は、自分の嫁にならないかと言った言葉が胸にある。でも、隣国から和平のために訪れた王子と結婚しなければならない。
 青推は、国の将来を考えて留学することにしますが……。
 もう、このあたりが泣けて泣けて仕方がないです!
 まんがとノベライズでは結末が違うそうですが、どちらもハッピーエンドだったはず。
 この本、寄贈しようかと思って読み返したのですが、持ち帰ってしまいました……。

「14歳からわかる生活保護」雨宮処凛

2016-02-08 05:38:57 | 社会科学・教育
 生活困難について勉強する必要にかられ、情報収集のために借りてみました。雨宮処凛「14歳からわかる生活保護」(河出書房新社)。
 雨宮さんは生活困難にかかわる新聞記事などよく登場されるので気になっていました。
 当時、売れっ子漫才師の方のお母さんが生活保護を受給していることが話題になりました。その話題にもずいぶん触れていますが、何よりも驚いたのは、生活保護は稼いだ分のお金を差し引いて支払われるものなのだそうです。
 高校生の子どもがアルバイトしたとしても、収入として扱われる。漫才師の河本さんの場合は別世帯ですし、仕送り分は引かれていたのだから、規定違反ではない。
 それなのに、政府からも批判の声があがり、不正に受給したかのような印象を与えたのだとか。
 生活保護を受けていれば救われたはずの餓死が、現代でも少なからずあるということにも愕然としました。
 というのも、役所が水際で申請を止めてしまう。住居の問題を指摘したり当座にとパンを支給したりして、受け付けないのだそうです。
 生活保護だけでなく、困窮した世帯を援助するシステムはあるのでしょう。わかるとわからないでは、社会の見方が変わるように思います。
 本屋に行ったら、柏木ハルコさんが生活保護をテーマにまんがを描いていることを知りました。見本冊子を読んだのですが、気になっています。
 

「洞窟で待っていた」松崎有理

2016-02-07 11:08:04 | YA・児童書
 蔵書検索サイトであれこれ見ているうちに、ある図書館に松崎さんの本が全部あることがわかりました。
 それなら、今まで読んでいないジュブナイルを! と借りてきた「洞窟で待っていた」(岩崎書店)。「21世紀空想科学小説」シリーズの一冊です。
 5歳のときにお互いの趣味を認めて親友になったアジマとコマキ。ふたりは穴が大好きで、鍾乳洞とか横穴とかをめぐって歩きます。
 六年生になったふたりのクラスに転校してきた変わり者のイーダ。彼は西の古都の隣にある「もっと古い町」からやってきました。
 友達を作ることなく、何事にも涼しい顔で対応するイーダですが、ふたりは自分たちと同様に穴が好きなのではないかと予想します。
 休み時間、イーダが読んでいるまんがから親しくなろうと考えますが、なかなか思うようにはいかず……。
 まあ、でも一緒に地下歩道に出かけることにしたのですが、そこで待っていたのは。

 「待っている」ではなく「待っていた」に着目です。
 長年地中をさまよっていた「依頼者」。不死の彼がどんな思いで生きているのか。
 そして、別れたイーダの両親のつらさも感じました。
 ユーリー小松崎のまんが、次回作が待たれます(笑)
 松崎さんは現在書籍計画が進んでいる作品が何点かあるそうで、そちらも楽しみです!

「『罪と罰』を読まない」岸本佐知子ほか

2016-02-06 12:57:59 | 書評・ブックガイド
 『罪と罰』ですか?
 読みましたよ、高校二年の冬休みに。祖父の本棚にあった世界文学全集で。
 宿題だったんです。でも、ちゃんと読んだのは多分二十人いなかったと思う。(三百二十人くらいはいた学年でした)
 途中で挫折してもいいからとか、第一部をクリアすればあとはおもしろいからとか、国語担当のK先生に言われました。夏のサンクトペテルブルグの物語を、わたしはこたつで読んだわけです。
 言われた通り、慣れるまで大変でしたが、ペースに乗ったらぐいぐい引かれておもしろかったのです。
 新学期にK先生に「スヴィドリガイロフ氏がよかった」と言ったら、
「あなた、あんな虚無的な男はだめよ」と言われました。いや、だって、ラスコーリニコフはもっとだめでしょう。(今、予測変換にラスコと打つや否や「ラスコーリニコフ」が出てきました! そ、そこまでの知名度なの? 衝撃!)
 
 「『罪と罰』を読まない」(文藝春秋)。岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美の四人が、『罪と罰』を読んだことがないことを肴にどんなストーリーなのかを予想する。
 おもしろい試みです。くすくす笑ってしまいます。特に三浦さんの爆走ぶりが。(そして、読後も詳細なメモをとっています)
 また、岸本さんの独特の感性。実際に読んだあと、こんなことを言うんですよ。
「ラズミーヒンは修造だよね」
 ずっと松岡修造の声で脳内再生されていたそうです。
 「黒山の人だかり」とか「富士額」とかは翻訳に使いにくいというお話も納得でした。
 また、浩美さんはかつて影絵版の『罪と罰』を見たというのですが、記憶に改竄があることに気づいたというエッセイを書かれていて、これもすごくよく分かる。篤弘さんとのコンビネーションもなんかおもしろいです。

 『罪と罰』は、読んでいないか内容を忘れている人が多いとどこかに書いてあったと思いますが、意外と細かいことを覚えていて自分でもびっくり。スヴィドリガイロフ氏は当時、ちゃんと名前を覚えなければと頑張った甲斐あります。会話にさっぱり出てこないから、あれ? 違う話と混じってる?? と思ってしまいましたが、「アメリカに行く」とピストル自殺することも記憶に残っていました。
 ただ、わたしの印象ではソーニャに春を売るように言う母親のセリフがちょっとひどいと思ったのですが、三浦さんたちはカテリーナに好意的ですよね。
 ぜひ、他の作品でも予想読書会してほしいです。でも、三浦さんがこの作品を読んでいなかったのは意外だったな。(手頃な読んでない本を探すのが難しいですかね)
 篤弘さんは、本来は同人誌として出そうと思っていたと書いてらっしゃいますが、こうやって出版していただけて幸いです。楽しい雰囲気が、あちこちから感じられて、わたしも隣のテーブルで笑いをかみ殺しなから四人のお話に耳をそばだてている感じがしました。