くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「マイナークラブハウスの恋わずらい」木地雅映子

2016-02-05 05:29:38 | YA・児童書
 「マイナークラブハウス」です。sideBですが。本編ももちろん読んでます。読んでます、が……。
 どうも記憶が定かでない。すごい忙しい時期に読んだものと思われます。いつ読んだのか、わからない。
 内容は結構覚えてますよ。有名私立校桃園学園に通う畠山ぴりかを中心としたマイナーな部活(演劇や園芸、歴史研究、ウクレレとかそういう部)の部室が集まる会館でのにぎやかな活動ぶり。
 ぴりかと親友滝ちゃん、園芸部の変人天野、軽音楽もやっているゴーへー(業平)、爽やかなのに滝ちゃんへの執着が捨て切れない野球部員(あれ? 名前なんだっけ?)、先輩高橋くん、はちきれそうな演劇部の女王など個性的すぎる面々が繰り広げる学園ものです。が……。
 どの人も対人関係に問題があるんだよなあ。
 この「マイナークラブハウスの恋わずらい」(ポプラ文庫ピュアフル)は、三分の一くらい読んでほうっておいたのです。本編はなんだか中途半端なところで終わった気がして。
 でも、こちらに続きがあるという感じでもないかな。

 ぴりかみたいな子は、近くにいたら疲れそうな気はします。
 でも、彼女とでなければ仲良くなれないタイプの子も、やはりいるのです。
 そして、園芸部の野菜を狙うぴりかと、怒りを爆発させる天野。彼らのやりとりが、繰り返し描かれます。
 
 今回、カウンセラーの湯浅さんまで手に負えないと判定した女の子も登場します。
 文芸部員。自分で製本した詩集を、二冊作って部長に渡す。彼が親しさを見せたから、ぴりかの炊飯器(ジャー子)を壊す。遺書を書いて医学部の屋上に上る。
 部長がほめて部誌に載せる作品を破棄し、データまで壊す。
 ものすごい悪意です。そこまでなりふり構わない行動には困惑します。
 わたし自身が文芸部所属だったので、遠い出来事のようには感じません。
 
 最後の話に登場する徹子さんも、すきっとしていてかっこいいお母さんです。コロッケをたくさん揚げて、子どもたちの友達を歓待します。悩み多き彼らが、高橋家を訪れるのもわかります。
 天野は、押しかけた母親から守るために裸足で少年を担いで逃げる。ぴりかは二人の靴を持って走る。
 先の女の子の騒動のときにも、天野は、ぴりかに縄をつけて連れてくる。
 二人の極端なほどの喧嘩は、だからこそ「恋わずらい」という言葉に集結するように思いました。
 木地さんのひりひりするような青春物語、です。