くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「だれもが知ってる小さな国」有川浩

2016-02-01 05:28:40 | YA・児童書
 図書館のYAの棚に普通に並んでいたので、かえって驚きました。書店では平積みなのに。ついでにスピンの感じからいうと、借りるのはわたしが初めてのよう……。
 有川浩「だれもが知ってる小さな国」(講談社)。
 わたし、佐藤さとるさんの本をほとんど読まないできてしまったので、「だれも知らない小さな国」を読んでいません。確かに、あの当時どこの学校の図書室にもあったと思います。

 養蜂家の子どもヒコは、蜂の巣を移動するたびに転校をしています。夏は北海道。いつもの学校に向かったところ、やはり養蜂家の娘だというヒメが一緒に転校してきていました。
 かわいくて運動神経もいいヒメに、同級生たちは夢中。ヒコももちろん親しくしたいのですが、ついぎくしゃくしてしまって……。
 そんなとき、迷子になったヒメを助ける機会があります。テトリスに夢中になっていたヒコは、ヒメが通ることに気づかなかったのですが、誰かの声が聞こえる。
 養蜂場に住むコロボックルのハリーが現れたとき、ヒコは慌てますが、すぐに友達になれたことを喜びます。ヒメにも教えてあげたい。でもコロボックルのことを誰かに話してはいけないのです。
 純粋な青年のミノルくんと知り合い、植物の名前を教えて楽しい毎日を過ごしますが、そのいとこでテレビ番組の製作をしているトシオが現れたことから不穏な影が……。

 九割以上はおもしろかったのです。
 でも、このラストはわたしとしては納得できません。
 コロボックルは一族を選んでいるの? タイトルが「だれもが知ってる」だから、信じている大人はたくさんいるということ? なんだか通過儀礼のような感じ。ざらつくものが残りました。
 コロボックル小国を探す為に、何人かが人間についてくるというのもなんだかな。
 ひっそりとヒコだけが知っているのでは、いけないのでしょうか。

 わたしの教え子にも、養蜂家の娘さんがいます。彼女は転校したりはしませんでしたが、最盛期は人手が必要だからと欠席することはありましたね。
 養蜂にかかわる本と最近縁があるので、少し調べたい気持ちです。