くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「異人館画廊」谷瑞江

2015-01-29 19:17:54 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 集英社オレンジ文庫、創刊。
 創刊ラインナップのトップを飾るのが「異人館画廊 贋作師とまぼろしの絵」です。シリーズ第二作。
 だから、一冊めとカバー装丁が若干違う! 本棚に並べるとちょっとかなしい……。

 でも、千景のツンデレぶり健在なのに、透真との距離がなんだか近づいていて、やっぱりおもしろかった。
 なんとっ、透真の元カノ登場!
 ということで、複雑な心境の千景なのです。しかも、その志津香さんがいい人で、千景は彼女に好意を持っています。
 
 今回のモチーフは贋作なのです。「ダンス・マカブル」と呼ばれる死神の絵が思わせぶりです。しかも、千景に脅迫状が届くわ、人混みで服を切られるわ、サスペンスフル。
 また、ある女性画家や不調の有名画家、よくない噂の画廊、自殺現場に残った赤く塗られた絵なども登場。
 小道具が秀逸な作品って、おもしろいんですよ。
 少し近くなった二人。自作ではもっと距離感詰まるかな。
 「青春と読書」に谷さんのインタビューも載っていました。
 贋作事件などを調べておもしろかったそうです。千景のことは「何よりもまず、普通の女の子じゃない女の子にしようと思いました。」とのことで、非常に納得です。
 でも、「予想を裏切るようなエンディングに挑戦してみたい」って、なんか怖いです(笑)。

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