くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「アホウドリに夢中」長谷川博

2009-03-07 05:44:29 | 自然科学
長谷川博「アホウドリに夢中」(新日本出版社)を読みました。
「アホウドリが復活する日」に比べると、専門的でちょっと難しいかな。あっちを先に読んで正解でした。重複する記述も多いので、今回新たにわかったことを書いておきます。
まず、アホウドリの生態について。卵の大きさは両手の親指と人差指で楕円形を作ったくらい。一年に一腹、一回一個しか産みません。最初の繁殖は平均七歳くらいからだそうです。
十一月くらいに産卵して一月に孵化。四か月半で巣立ちます。
新コロニーが軌道に乗るまでにも紆余曲折があり、デコイの力で最初から順調にいったわけではないことも驚きを感じました。なんと、若鳥たちが定着するまで十二年! しかし、三十年で十倍にも増え、長谷川さんは満足しています。
それから、現在の取り組みとしてひなを人工飼育するアイディアもあるそうです。はやければ2008年から実施できるかも、とのこと。もう着手しているのでしょうか。
考えてみれば、一度絶滅した野性のトキやコウノトリを人工的に繁殖させて放鳥していますものね。
鳥島という孤島に生きているためか、アホウドリの絶滅を回避するためのセンターを設けるという考えはなかったのでしょう。かつて絶滅したと信じられていた時期に、発見した人が本物のアホウドリかどうか調べてもらおうと捕獲したときには、人から与えられた魚を拒否したそうです。 また、鳥島には飲み水がないそうなので、本格的な保護センターを作るのは難しいかもしれません。
それで、聟島にひなをうつして飼育してはどうかというプランなのだそうです。この計画が実施されれば繁殖は5パーセントアップするとか。
人間によって絶滅においこまれた動物について、何冊か読んだので、このように復活を目指して努力し続ける取り組みはきわめて難しいことを知っています。長谷川さんの情熱とたくさんの方々の協力にエールを送りたいと思います。

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-06-13 14:17:50
おはようございます。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、「虎に翼」の第54回を見ました。
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