「追憶のカレン」茅田砂胡

すみません、わたし記憶喪失になっているらしいです。グレン警部とディオンがどの話に出てきたのかさっぱり覚えがないんです。「ソフィアの正餐会」辺りでしたっけ？
「クラッシュブレイス」全部持っているはずなのに……。もっとも、もう買うのはやめようと図書館に入るのを待ってたんですけどね。
「追憶のカレン」茅田砂胡（Cノベルズ）です。
シェラの誘拐事件に始まる活劇はいつも通りおもしろいです。でも、茅田さん最近キャラクタープレイに走っているように思えて、それが不満といえば不満です。前回ジンジャーがちょっとやり過ぎの感じがしてがっかりしたので。
それに、なんとなくどこかで読んだことがあるような感じが拭い去れないというか。こういう話、以前にもありませんでしたっけ。気のせい？
わたしが好きなのは「嘆きのサイレン」「オンタロスの剣」「大峡谷のパピヨン」といったところ。
リィもシェラもルゥも好きなんですよ。でもね、「デルフィニア戦記」のラストも結局ルゥの能力で閉幕したでしょ。わたしはそれが不満だったのです。
だってそれまで、確かにリィは強いけどその力だけをあてにして戦ってきたわけじゃないのに。王国の戦士たちの積み重ねてきた歴史が、巨大な能力の前には小さいものに思えて。
だからといってこのシリーズを今後読まないかというとそんなことはなく、新刊が出るたびに買うか借りられるまで待つかの責め合いになるんですけどね。
そう、結局読むのです。「デルフィニア」は画集まで買ったのですよ。もちろん「サイレン」のまんが版（鈴木理香）も持っております。
ついでにいうと、わたしがいちばん好きなのはヴァンツァー。グレン警部も好ましいですね。
茅田さん、「レディ・ガンナー」はもう書かれないのでしょうか。「三人の皇子」からもうずいぶん経ちましたよね。人権について考えさせる秀逸な作品だと思うので、読みたいのですが。