くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「消える日本の自然」鷲谷いずみ 編

2009-03-03 05:46:33 | 工業・家庭
環境問題。
いたるところで叫ばれていますが、こうやって目に見える形で突き付けられるて「痛ましい」と感じます。
まずは、あなたの地元の写真から探してみてください。三十年前、十年前、そしてつい一年前。比較してみるとわかるのです。何が消えたのか。
山梨県櫛形山ではアヤメの群落が消失しました。1995年には咲き乱れた花が、2006年には見当たりません。滋賀県日野町ではしゃくなげの群落が消えています。なんと、しゃくなげを天然記念物に指定したことがきっかけ。より大きく育った他の樹木に覆われてしまうからだとか。
鷲谷いづみ「消える日本の自然 ~写真が語る108スポットの現状」(恒星社厚生閣)。詳細な解説もついていて、自然環境が変わっていくのには様々な要因があることがわかります。しかし、そこには人間の手が介在することが多く、開発、過疎化、後継者問題といった問題がからんできているのです。
宮城県北部の湿地帯が八十年の間に八割消え失せたという記事は衝撃的でした。水田を作るための干拓が行われ、今では九つの沼が残るのみだと。
それでも、環境悪化で失われたものを取り戻そうとする人々の努力には敬服します。豊岡のコウノトリを野性に返そうとする計画。地元の日本産コウノトリは、生物濃縮のために卵を産んでもひなはかえらなかったそうです。今放鳥計画に使われているのはロシア産。着実に実を結ぼうとするこの計画に、期待を持ちましょう。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ミリオン)
2024-06-09 10:23:59
おはようございます。
山梨県は素敵ですね。行くのが大好きです。頑張って下さい。今週の土曜日は、1週間分の「虎に翼」を見ます。
返信する

コメントを投稿