くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「萌えの死角」今市子

2009-03-10 05:46:14 | コミック
今市子さんの短篇が大好きなのですー。ということで、ちょっと悩んだのですが「萌えの死角」(日本文芸社)を買っちゃいました。
わたしBLは興味ないので、どうかなと思ったのですが、「幻月楼」もわりと読みやすいしいいかなーと。
思った通り、今さんの個人的好みがおもしろかったです。
BLの雑誌に描いていることを知ると、そのことをわざわざ聞いてくる男性編集者がいて、
「お仕事ですからしかたなく」と答えていたという話。でも今さんの心の声は、「好きじゃなかったら書けませんから」
銀じいと森山さん、という組み合わせがお好みらしく、「ふたりっ子」ファンだったわたしはうけてしまいました。
あとは、映画「ベン・ハー」についての部分では、ハンセン病がかつてこんなふうに捉えられていたのだなというのが、よくわかりました。
段々ネタがなくなって、困る今さんがまたおもしろいのです。
でも、本棚には置けません。隠してあります。いや、夫がわたし以上に「百鬼夜行抄」を好きみたいで、ちょくちょく読み返しているもんで。
あ、でも「懐かしい花の思い出」(朝日ソノラマ)を出しっぱなしにしていたから、そっちは読んだかも(笑)
これにも二三、BLっぽい話が入ってますね。デビュー作はそうだったんだ……とも思いましたが。
でもこの文庫、収録の半分は同人誌時代のものなのです。華麗だわー。どの話も世界観が確立していて、引き込まれます。
表題作は、ピアノでつながる双子の物語で、切ろうと思っても途切れることのない運命を感じさせます。おばあさんが「飽きっぽい」伏線が個人的には好き。
「神々の花」も、双子の兄弟の影が落ちている話ですよね。
初期のモチーフってどこかしら似るものなのかもしれません。
わたしは「夜の雫」が好きです。これがたった14ページで表現できるなんて!
今、本を手に取ったらまたまた読みふけってしまいました。まだ読んでいない本が書店にあると思うとどきどきしますー。

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-06-19 20:29:40
こんばんは。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、「虎に翼」の第57回を見ました。
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