くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「おせっかい屋のお鈴さん」堀川アサコ

2016-04-09 19:38:54 | ファンタジー
 早いもので4月もそろそろ中旬です。
 転勤してから怒涛のように忙しくて、本を読む時間もなかなか取れません。やっと今日、部活から帰ってからいくらか読めました。
 「おせっかい屋のお鈴さん」(角川書店)です。
 堀川アサコさんだから、時代ものかな? と思っていたのですが、舞台は仙台。地下鉄東西線八木山動物公園駅からほど近い本当寺を舞台にした、ファンタジー人情コメディです。
 二歳で両親が離婚したカエデは、亡くなった父親からもらった手紙が縁で本当寺にやってきます。そこに現れたのが、舞妓さんのような格好をした幽霊のお鈴と、奉公人の重兵衛。カエデがお鈴の墓につまずいたことにご立腹の様子。
 お鈴は、かつて自分を裏切って駆け落ちした二人を探し出すように言うのですが……。

 結婚詐欺師を懲らしめたり、役者志望の御曹司に振り回されたりするのですが、カエデと彼氏の「こんちゃん」、本当寺の近くに住む貸本屋のおじさん(泰平さん)のかかわりがとてもあったかいんです。
 目の前で教え子が事故にあい、世間から誹謗中傷をうける友人千佳の話が切なかったです。
 ラストが「さよならのかたち」だったので、てっきりお鈴さんも成仏するものと思っていたのに、全然そんなことはなかったので、続編もあるのかも?
 舞台が仙台なので、なじみの地名がよく出てくるのも楽しいです。泰平さんの息子一家は虹の丘に住んでいますが、わたしもそのあたりでアルバイトしていました。
 冒頭部分は4月はじめ。東西線は先日開通したので、実はこの物語は「近未来」なのです。すぐ時間が追いついてしまいますけどね。そういうところにもにやにやしてしまいました。

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