くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「弥栄の烏」阿部智里

2017-12-02 04:37:10 | ファンタジー
 これ、大型書店のSFの棚で見かけたんですけど、SFですかね?(まあ、わたしもファンタジーに分類していますが、ちょっと違う気も……)
 阿部智里「弥栄の烏」(文藝春秋)、やっと読めましたー。
 わたしの行く図書館は四ヶ所あるのですが、そのうち二館しかこのシリーズを入れていなくて。
 とりあえず、娘の加入している電子図書館で貸してもらえることになったのですが、わたしにはスマートフォンで本を読むのは、難しかった……。
 わかってはいるんです。この先目も悪くなってくるし本の置き場だってないし、電子図書に慣れた方がいいって。
 でも、読む気にならず、とうとう娘が返してくれました。ごめん。

 というわけで、やっと借りてきました。
 これで決着がつくと思うと、読むのがもったいない。
 澄尾ーっっ! てっきり真緒の薄さんと想いを交わすのかと思っていたのに、そ、そうだったのですね。
 「玉依姫」の物語が、烏たちの視点で描かれるため、先の展開はわかるのです。そして、なぜ山神に烏と猿が仕えているかもわかります。志帆がどういう行動をとるのかも。
 ただ、あの作品では語られなかった烏と猿との因縁がどうなるのかが気になって。
 
 猿の長が語る「事実」は、奈月彦の来歴を示すには納得できるものでした。
 一冊めの「烏に単は似合わない」のときにも、四兄弟の他に宗家があるのはどういうことなのか疑問だったのです。その謎もすっきり解けました。
 猿とともに山を統治していたのは、女神菜のですね。(言われてみれば、山の神というのは女性でしたね。嫉妬するから山への立入を禁じる昔話があります)
 烏が結ばれるのは、山神(雷神)の眷属の烏。
 奈月彦と浜木綿の間に生まれたのが娘であることも、何か今後に関わってくるような。
 こぼれ種から芽吹いたという青い朝顔の裏表紙が、幸哉の想いを象徴していて美しい。
 ところで、表紙の女性は誰をイメージしているのでしょう。白い椿から考えると雷神や志帆(「玉依姫」は赤い椿でしたね)と対になるのでしょうか。
 第二部はどうなるのか。非常に楽しみです。
 

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