くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「烏百花 蛍」

2018-08-06 04:37:57 | ファンタジー
 「烏百花 蛍の章」(文藝春秋)、とても、よかったです……。
 シリーズの番外編なんですが、いちばん涙ぼろぼろだったのは、「まつばちりて」。藤宮連の禁官(女性ながら髪を切って男として仕える官吏)松韻の物語です。
 遊女屋に生まれ、美貌を期待されながら書道にのめり込む娘「まつ」。自分が育てようと申し出た楓蚕について宮中に上がり、松韻と名付けてくれた大紫の御前に認められようと頑張ります。
 以前からその手跡に感心していた忍熊という男は、出会ってみれば禁官に否定的。事あるごとにいさかうのですが、とある事件が……。
 もう、後半涙ぼろぼろで、何度も読み返しては泣いてしまいました。

 それからね、わたしはやっぱり澄尾が好きなんです。
 最初の「しのぶひと」で、雪哉より鮮やかに流鏑馬を決めてくれ、ラスト「わらうひと」で、いつか真緖の薄にその姿を見せると約束します。
 澄尾の思いが届いてほしい!

 それからですね、わたしは「単」のときからなぜ浜木綿が「すみ」なのか謎だったので、「すみのさくら」もよかったです。
 シリーズ読み返したいんですよね。文庫二冊買ってあるんですが……。
 短編集なのでいろいろな話を思い出しながら読めました。
 忍熊の育てる卵は、どこかに結びつくんでしょうか?(結?)

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