「君たちに明日はない」の三冊目「張り込み姫」(新潮社)です。真潮社という出版社も登場します(笑)。
でも、初めの方はなんとなくルーティンな感じがして読みづらかったのです。英会話教師、能力は高いのにやる気を感じさせない旅行社の社員、ディーラーのメカニック、写真週刊誌の記者が今回のお仕事です。
三話「みんなの力」あたりからおもしろくなってきました。
車にこだわりをもつ人々が絶大な信頼を寄せるメカニック宅間の物語です。
彼の勤める店が閉鎖されることになり、村上も面接官として登場します。でも、今回は友人山下がなんとか宅間の仕事を、彼の望む通りに続けさせたいと尽力する話だと思いました。
昔からの職人気質で、会社の求めるような効率化はできない宅間。彼の技術こそ自分たちの車になくてはならないと思う顧客たち。
会話に「カキさん」なる作家まで出てきますよ。わたし、垣根涼介初読みなので他の傾向はわからないんですが、このシリーズだけでも相当車やらバイクにこだわりのある人だろうと推察できます。実際に同じような立場のメカニックさんと懇意なのかな? と思ってしまいますよね。
「張り込み姫」、スピーディーな展開でおもしろかった。センセーショナルな写真週刊誌記者は、真潮社の他部署に移っても馴染めないまま辞めてしまうことが多い。新卒からこの編集部でやってきた恵はどのような選択をすべきか。
はじめは仕事に反対したお父さんが、「どんな仕事でも、真面目に取り組んでさえいれば、やがては自分だけの何かが見えてくるものだ」といった場面が、心に残ります。
で、四冊目「勝ち逃げの女王」。
借りに行った図書館にはここまでしかなかったのですよね。で、もう一軒行って探したのですが、そこも同じ。でも、以前書店で見かけたのは「永遠のディーバ」という本だったので、ここから先どうなるのかと思ったのです。
いや、単に文庫化してタイトル変えたそうで。この巻で終わりです。
キャビンアテンダント、証券会社、音楽業界、ファミリーレストラン。
最終巻といっても、特にエンディングを迎えわけでもなく。淡々と物語は進行。
「永遠のディーバ」がやっぱり良かった。ハヤマのロッコンで準優勝したものの、バンドを続けることなくハヤマに入社した正樹。
圧倒的な才能の前に打ちひしがれてプロになるのをあきらめたのです。
が、少子化のあおりを受けて部署は縮小。リストラの対象になってしまう。
村上は、自分もプロのライダーを目指していたことを語ります。
また、正樹自身が知人から、サッカー選手の才能を思い知らされた話を聞き、続けていく人たちのことも考える。
正樹たちの年に優勝したのはR&Bを歌った龍造寺みすづという女性でした。その後、デビューしたものの、事務所の戦略は彼女の望むものではなく……。
時が経ち、音楽はテクニックではないと感じるようになった正樹が見つけた新しい仕事は……。
再び夢を見ることを始めた姿が清々しいです。
ところで、これで終わりとなると、ちょこちょこ伏線みたいに出てきた陽子と高橋の関わりとか、アシスタントの美代子の恋愛関連とか、そういうのは特に重要ではないんですね。
そのあたりがちょっと腑に落ちない気持ちです。
でも、初めの方はなんとなくルーティンな感じがして読みづらかったのです。英会話教師、能力は高いのにやる気を感じさせない旅行社の社員、ディーラーのメカニック、写真週刊誌の記者が今回のお仕事です。
三話「みんなの力」あたりからおもしろくなってきました。
車にこだわりをもつ人々が絶大な信頼を寄せるメカニック宅間の物語です。
彼の勤める店が閉鎖されることになり、村上も面接官として登場します。でも、今回は友人山下がなんとか宅間の仕事を、彼の望む通りに続けさせたいと尽力する話だと思いました。
昔からの職人気質で、会社の求めるような効率化はできない宅間。彼の技術こそ自分たちの車になくてはならないと思う顧客たち。
会話に「カキさん」なる作家まで出てきますよ。わたし、垣根涼介初読みなので他の傾向はわからないんですが、このシリーズだけでも相当車やらバイクにこだわりのある人だろうと推察できます。実際に同じような立場のメカニックさんと懇意なのかな? と思ってしまいますよね。
「張り込み姫」、スピーディーな展開でおもしろかった。センセーショナルな写真週刊誌記者は、真潮社の他部署に移っても馴染めないまま辞めてしまうことが多い。新卒からこの編集部でやってきた恵はどのような選択をすべきか。
はじめは仕事に反対したお父さんが、「どんな仕事でも、真面目に取り組んでさえいれば、やがては自分だけの何かが見えてくるものだ」といった場面が、心に残ります。
で、四冊目「勝ち逃げの女王」。
借りに行った図書館にはここまでしかなかったのですよね。で、もう一軒行って探したのですが、そこも同じ。でも、以前書店で見かけたのは「永遠のディーバ」という本だったので、ここから先どうなるのかと思ったのです。
いや、単に文庫化してタイトル変えたそうで。この巻で終わりです。
キャビンアテンダント、証券会社、音楽業界、ファミリーレストラン。
最終巻といっても、特にエンディングを迎えわけでもなく。淡々と物語は進行。
「永遠のディーバ」がやっぱり良かった。ハヤマのロッコンで準優勝したものの、バンドを続けることなくハヤマに入社した正樹。
圧倒的な才能の前に打ちひしがれてプロになるのをあきらめたのです。
が、少子化のあおりを受けて部署は縮小。リストラの対象になってしまう。
村上は、自分もプロのライダーを目指していたことを語ります。
また、正樹自身が知人から、サッカー選手の才能を思い知らされた話を聞き、続けていく人たちのことも考える。
正樹たちの年に優勝したのはR&Bを歌った龍造寺みすづという女性でした。その後、デビューしたものの、事務所の戦略は彼女の望むものではなく……。
時が経ち、音楽はテクニックではないと感じるようになった正樹が見つけた新しい仕事は……。
再び夢を見ることを始めた姿が清々しいです。
ところで、これで終わりとなると、ちょこちょこ伏線みたいに出てきた陽子と高橋の関わりとか、アシスタントの美代子の恋愛関連とか、そういうのは特に重要ではないんですね。
そのあたりがちょっと腑に落ちない気持ちです。