民主党政権のやることは、役人と大差がない。作文を書くことばかりで時間を浪費しているからだ。しかも今回、鳴り物入りでスタートした復興構想会議がまとめた提言は、あまりにも菅首相におもねった内容であった。御用学者で防衛大学校長の五百旗頭真が議長なわけだから、最初から期待はしていなかったが、それにしてもお粗末だ。菅首相の「最小不幸社会」に引っ掛けて、災害対策の考え方として「減災を基本にすべきだ」と主張しているあたりは、呆れて物が言えない。せいぜい、津波被害を防ぐために、高台への移転や土地利用の緩和などを盛り込んで程度では、梅原猛を始めとするお歴々が顔を揃えた意味がないだろう。極めつけは、民主党政権をバックアップするかのように、復興財源をまかなうためとして、大増税を国民に求めていることだ。そんなことよりも、今回の東日本大震災によって、高齢者や子供たちが犠牲になっていることを重視し、災害弱者にこそ目を向けるべきだった。さらに、危機にあたっては、国に独裁的な権限を集中させる必要があり、それを根拠づけるための法的な整備も話題にすべきであった。どうせ作文でしかないのは分かっているが、もっと深く突っ込んで、国民に問いかるべきではなかったか。今の民主党政権は、やることなすこと全てがどこかずれている。
反原発や脱原発のスローガンも大事だが、まずは目先のことを処理すべきだろう。福島市、二本松市、郡山市などに子供たちが住めるかどうか、それをはっきりすることが先だ。みんなの党というのが、急に「脱原発」を言い出したが、それ以前に代表の渡辺喜美は、那須や北塩原、さらに日光の放射能汚染をどうにかすべきだ。国道4号線沿いに汚染地域は広がっており、どのような手を打つつもりなのだろう。他人事だと思っているかもしれないが、栃木県だって、かなり深刻な事態になっているのではないか。国道4号線が通り道になって、それが山間部の日光まで拡散してしまっている。ここまでくれば、選挙目当てにして言うのではなく、子供たちを守る覚悟があるかどうかだ。会津にもみんなの党の参議院議員がいるが、原発事故が発生してから今まで、一体何をしたのだろう。国会で質問した位ではないか、それも自民党の森まさこのような厳しい追及はしなかった。みんなの党も「脱原発」を旗印に掲げるのならば、国との対決姿勢を鮮明にすべきではないか。そう言えば、先の総選挙でみんなの党は、マスコミに迎合するかのように「政権交代」を叫んでいた。それでいて野党というのも意味不明である。できもしないスローガンを競うよりも、今考えるべきは子供たちのことだ。
民主党政権の無責任ぶりは目にあまる。菅直人首相を筆頭にして、責任転嫁に終始しているからだ。つい最近は「子供たちに年間20ミリシーベルトまで大丈夫だ」という基準を設けたことについての、裏舞台の暴露があった。福島県が働きかけたのだという。TBSラジオの報道によると、政府関係者の弁だそうだが、国と県とが同罪であることは、教えられるまでもない。お互い民主党なのだから、つーかあであたりまえ。福島県民は、早い段階から国や県を信用していない。今さら佐藤雄平知事でもあるまい。それにしても、民主党というのはめちゃくちゃである。政党の体をなしておらず、朝から晩まで内ゲバに明け暮れている。政権を任せたのが間違いだ。危機的な状況にもかかわらず、大事なことを決められないし、無理に決めたとしても、責任を取ろうとはしない。福島県民を被曝させておいて、自分たちは権力の維持に躍起になっているのだから、どうしようもない。情報も小出しにするので、福島県民はパニック状態である。子供たちが学校に行くのすら危険視され始めている。郡山市では授業を止めるように、との仮処分の申請まで出ている。本をただせば、民主党政権の統治能力のなさが原因なのである。
全国の書店で一斉に発売中
『先人に学ぶ 憂国の言葉』
峰たけし(会津若松市生まれ/歴史思想家)
B6判変型・128頁 定価:本体850円+税
長崎出版株式会社 東京都千代田区神田神保町1-18-1
Tel. 03(5283)3752 Fax.03-5281-2401
国も県も福島県民の気持ちがまったく理解していないようだ。県民220万人の被曝調査を実施することについても、内心は腸が煮えくり返る思いがしているのだ。今頃になって、「低線量被曝の影響が心配されるから」といわれても、もはやどうしようもないし、そんなことよりも、避難が必要かどうかを指示してもらいたいのである。国や県も「安全だ、大丈夫だ」といっていたくせに、この仕打ちはないだろう。医療機関が出てきた段階で、福島県民はモルモット扱いなのである。そして、被曝調査をするにあたって、国が金を出してやるから喜べ、という発想も腹立たしい限りだ。そんなことよりもまず、国は福島県民全てを被災者認定すべきだろう。さらに、迷惑をかけたことを自覚しているのならば、慰謝料を払うべきなのである。それもしないでおいて、実験材料にだけしようというのだから、あまりにも酷すぎる。これから一生涯被曝者として暮らさなくてならない福島県民に対して、国や県がやるべきことは、まずは謝罪であり、そして、慰謝料の算定ではなかろうか。それにしても、だらしないのは佐藤雄平福島県知事である。福島県民の怒りを代弁して、国を訴えるくらいの気概が求められるのに、それがまったく見えてこないからだ。
どこまで民主党政権は福島県民を馬鹿にしたらば気がすむのだろう。今日の夕方流れた福島中央テレビの「ゴジてれChu!I」に登場した文部科学省のキャリアは、あまりにもお粗末な答弁しかできずに、怒りがこみ上げてくるというよりも、ほとほと呆れてしまった。番組紹介では文部科学省の高官となっていたが、攻撃されにくいように、あえて女性をあてのだろう。相変わらず「健康に影響を及ぼすのは年間100ミリシーベルト以上ですから」を連発していた。「学界の定説ですから」と居直ったのにはビックリした。そして、時間をつぶそうと、いろいろと喚いていたが、寄せられた福島県民の意見は、非難ごうごうであったはずだ。しかし、それ以上に許せないのは、官僚のせいにして、逃げ回っている民主党の政治家だ。文部科学省がやっていることは、全て民主党が決めたことなのである。政治主導が口癖なのだから、本来であれば、大臣が出てくるべきであり、それが難しいのならば、副大臣や政務官もいるのだから、彼らが受け答えをすればいいのだ。一体、民主党の政治家は何をやっているのだろう。福島県民を被曝させておいて、その責任を東電や地元の自治体、さらには役人に丸投げして、それで政治家といえるのだろうか。スピーディを公表しなかった国と福島県は、確実に訴えられるだろうが、菅直人首相と佐藤雄平福島県知事は、いずれも民主党であり、今すぐ無責任な政治を止めさせなければ、泣くのは私たち福島県民なのである。
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『先人に学ぶ 憂国の言葉』
峰たけし(会津若松市生まれ/歴史思想家)
B6判変型・128頁 定価:本体850円+税
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国会が混乱しているのは、あくまでも民主党内のゴタゴタが原因だが、その一方では福島第一原発の方は、にっちもさっちもいかなくなっている。あれだけ東京電力が自信あり気に語っていた汚染水処理システムが、足踏み状態で一向に前に進まない。このままでは汚染水があふれだすことは必至で、海に流すしか手はないようだ。さらに、福島県内では、放射性物質による低線量被曝が大問題になっており、自治体レベルでは対応できなくなっている。この二つの深刻な事態にもかかわらず、菅直人首相は、自らの政権の延命に躍起になっている。また、それを擁護するかのような論陣を張っているのが、朝日新聞や毎日新聞である。私たち福島県民からすれば、東電や自治体に責任を丸投げしているような政権は、一日も早く退陣してもらいたいのである。昨日、福島県のローカルテレビで、川俣町などのホットスポットのことが取り上げられていたが、小学生の親が「もう何もかも手遅れです」と述べていたのが印象的だった。菅政権内部でも不満の声が出ているのは、そうした無為無策を目の当たりにしているからだろう。しかし、菅首相のようなサヨクは、一度手にした権力は手放したくないようで、国民がどうなろうが関係はないのである。
福島県民にとって不幸なことは、佐藤雄平知事が無能であるということだ。今、福島県が非常事態だ、という認識が乏しいのではないか。福島市、郡山市、二本松市、本宮市あたりは、それこそ避難する必要性が叫ばれ始めているのに、県の対応があまりに後手後手過ぎる。今頃になって、「福島県の子供を守って欲しい」と菅直人首相に陳情する始末だ。そして、文部科学省の官僚的な押し付けに唯々諾々と従っている。だからこそ、県を無視して、それぞれの市町村が右往左往してしまっているのだ。ここで確認すべきは、福島県民全てが東日本大震災による被災者であるということだ。それにともなう原発事故で大変な被害をこうむっているからだ。国は被災者については、東北の高速道路を無料にしたが、そうであるのならば、福島県民全てがその恩恵に浴するべきだろう。岩手県あたりでは、2、3日停電した町の住民でも被災者扱いになっているのだ。それと比べて、あまりにも不公平である。さらに、佐藤知事は、もう風評被害という言葉を使うべきではない。どんどん実害が出てきているからで、そんなことよりも、福島県民のことを考えて、国と裁判で争う準備こそ進めるべきなのである。民主党の渡部恒三の秘書であった佐藤知事には、それを望んでも無理だろうが。
圧制や専制政治に対して、国民は抵抗権が行使できる。今回の福島第一原発の事故でもたらされた放射物質の拡散によって、福島県の約75パーセントが法令の定める放射線管理地域であり、約20パーセントが厳しい管理が必要な個別被曝管理地域にあたる。福島県民の多くは、民主党政権の騙まし討ちに遭って、逃げるタイミングすら逸してしまったのだ。命すら奪われようとしているのだから、抵抗権を振りかざして戦うしかないのだ。ようやく福島市も独自に「緊急避難計画」を策定することになった。年間20ミリシーベルトを超えることが予想される地区から、早目に子供や妊婦などを避難させるのだという。しかし、ホットスポットから少し離れれば安全かというと、そう簡単ではない。ここ2、3日、線量計を手に会津盆地とその周辺を回ってみたが、どこで計っても、1時間あたり0・15マイクロシーベルト以上はあった。そして、農地や公園の近くでは0・3マイクロシーベルトまで跳ね上がった。福島市あたりだとその10倍以上はあるわけで、全住民が逃げ出すレベルではなかろうか。1キロ2キロ離れても、それほど変わりはないはずだ。もうここまでくれば、法的なことを含めて、福島県民はあらゆる手段を講じて、民主党政権と戦うべきだろう。口だけ反原発の菅直人首相をサヨクが引きずりおろせないわけだから、いよいよ私たち福島県民の出番なのである。