草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

独裁国家北朝鮮の「盲目的愛国心」を侮るなかれ!

2017年04月15日 | 思想家

北朝鮮が今日核実験を行うかどうかを、世界は固唾を呑んで見守っている。豊渓里の核実験場の人の動きから推測して、ほぼ準備は完了したとみられる。もし強行すれば、アメリカは核施設ばかりか、金正恩をターゲットにした武力攻撃に踏み切ることになるだろう。東アジアは戦争一歩手前なのである▼自分たちも巻き添えをくう危険性があるわけだから、なぜ北朝鮮の民衆は決起しないのだろう。食べ物もろくにないはずで、不満を持つのが普通ではないだろうか。エリック・ホッファーは『魂の錬金術』(中本義彦訳)で「ある国民の愛国的熱狂は、彼らが享受する自国の福祉や政府の公正さに、必ずしも直接対応するものではない」と述べている。「国民一人ひとりの自尊心の形成と維持を困難にするとき、国民全体のナショナリズムが一層強烈かつ過激になるという逆説が生じる」というのだ▼国家から人間扱いをされないことで、かえってナショナリズムが自尊心の代用品になるのであり、「ファシズムや共産主義の体制下にある民衆が盲目的愛国心を示すのは、彼らが個々の人間として自尊心を得ることができないからである」とすれば、北朝鮮を侮ることはできないのである。日本もまた、自らを守るために最善の策を講じるべきだろう。アメリカの一捻りで金王朝を倒せると思うのは、あまりにも楽観的過ぎる。

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