中共の主導権をめぐる権力闘争がし烈になってきた。体制の崩壊を目前にして、一枚岩であることはできず、お互いに責任をなすり付け合うのである。中共の新華社通信によると昨日、中国共産党政治局会議は、賄賂を受け取ったとして、胡錦濤前国家主席の元側近であった令計画政協副主席を解任した。中共の終わりの始まりなのである。習近平派と胡錦濤派の争いであることは確実だ。どちらに正義があるかはどうでもいい。民主化されていない体制下にあっては、嘘が公然とまかり通るのだ。共産主義の別名はマルクス・レーニン主義と言われるが、レーニンが後継者として考えていたのはトロッキーであった。間違ってもスターリンではなかった。1922年5月24日、レーニンは52歳の若さで脳溢血で倒れた。同年12月30日に筆記させた口述のなかでスターリンを徹底的にこきおろしている。「あの真にロシア的な男、典型的なロシア官僚であると同時に、本質的にはならず者であり、弾圧者である、あの大ロシア主義者」。しかし、レーニンのバックアップがあったにもかかわらず、トロッキーの優柔不断さがスターリンを利したのである。ロシア革命におけるトロッキーの果たした役割は歴史から抹殺された。全体主義国家は密室での粛清の連続なのである。民主主義国家とはまったく異質であり、中国共産党もまたその運命から免れないのである。しかも、体制の崩壊が迫っているなかでは、なおさら何でもありなのである。そんな危ない国家が近くにあるわけだから、どうして我が国が無防備でいられるだろう。
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