首相官邸を取り囲んで、野田佳彦の退陣を要求するのもいいが、責任は歴代の民主党政権にもあるわけだから、民主党本部にも行くべきだろう。そして、スピーディを隠蔽した菅直人や枝野幸男のことも槍玉に挙げるべきだろう。デモをするのは私も理解できるが、もう一つピンとこないのは、識者による60年安保騒動や70年安保騒動と同列視するコメントだ。知ったかぶりをするにもほどがある。そのときには、吉本隆明や谷川雁といった思想的リーダーがいた。一定の方針にもとづいて闘ったのである。指導すべき前衛があったかどうかは問題だとしても、きちんと理論武装をしていたのだ。今はどうだろう。マルクス主義を引っ提げて、デモに参加する者は、皆無に近いのではないか。理論的にも敗北し、運動自体も行き詰まっているサヨクが、逃げ場所に利用しているだけだ。だからこそ、中途半端なのである。その一方では、警備当局は、首相官邸や国会議事堂周辺の警備を、徐々にエスカレートしつつある。反原発のデモが恐いわけではないだろう。それ以上に、尖閣諸島などをめぐって、中共と日本が軍事的に衝突したりすれば、民主党政権が腰砕けになるのは必至だ。そこで保守民族派のデモが荒れ狂えば、押さえ込むのが難しくなる。その前に準備万端整えておきたいのだろう。反原発のデモ隊の大半は、民主党による政権交代を後押しした連中だ。意気が上がらないのはあたりまえである。しかし、保守民族派の場合は、それと違うわけだから、警備当局が神経を使うのは当然だし、デモ隊の数ではないのである。
←反原発のデモはもう一つ意気が上がらないと思う方はクリックを