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 ♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して73年、
PBA『世の光』を文字で 

 ■あなたに分かってほしい / 山本陽一郎

2023年08月21日 | Weblog

2023/6/5放送

 「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか? 山本陽一郎です。

 明治時代のキリスト教思想家内村鑑三はこう語りました。「日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。日本に欠けているのは『生きた確信』である。真理そのものを愛する『情熱』である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。」(『東京独立雑誌』)
 
 今この国は物質的な面では明らかに豊かになりました。しかし120年前に内村が言ったような「生きた確信」は得られたのか。依然として「真理を愛する情熱」も「無限の歓喜と満足」も欠乏してはいないでしょうか。

 次にご紹介するのは紀元60年代にヨーロッパ地中海地方で書かれた文章です。「尊敬するテオフィロ様、あなたのために、順序立てて書いて差し上げるのがよいと思います。それによって、すでにお受けになった教えが確かであることを、あなたによく分かっていただきたいと思います。」

 実はこれ、新約聖書「ルカの福音書」の冒頭の部分なんです。そう、ルカがテオフィロという高い地位にいた人物のために記した書物こそが、今私たちが読める「ルカの福音書」なのです。テオフィロは、すでにキリストについて基本的なことを聞いていました。でも、まだ心が揺れていた。だからルカは確かな根拠があるこの福音をよく分かってほしいという一心で書いたんですね。

 同時に、この「ルカの福音書」は、当時繁栄していたギリシヤ・ローマ文明の中で霊的な必要を覚えていた多くの人々に読まれました。現代の日本社会も物質的には豊かな一方で、多くの人が閉塞感や生きづらさを感じています。何が欠けているのか分からないまま人は飢え渇いているのです。

 そんな中でルカはイエス・キリストと出会いました。それはルカの人生を変えました。生きた確信、情熱、救いの喜びをルカは知りました。だから「あなたによく分かっていただきたい」と書かずにいられなかったのです。

 「あなた」とはテオフィロであり、そして今を生きるあなたのことでもあります。あなたにもキリストをよく分かっていただきたいのです。


 ( PBA制作「世の光」 2023.6.5放送でのお話しより )


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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。日曜日に教会を覗いてみるというのもいいんじゃないかなあ。日曜日は大抵、朝10時か、10時半頃からお昼頃まで集まっていて誰が行ってもオーケー。PBAに聞くと近くの教会を紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。
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 このサイトは URL名として   http://yonohikari.biblica.info  が使えます。携帯からもこのURLでどうぞ。

 


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