地元の方からいただいた古い教科書の中に、小さい版の和綴じの冊子がありました。
『高等小學 筆算教科書 巻之壹 生徒用』でした。これまで、修身や讀本などを紹介してきましたが、今日は、算数教科書を紹介します。
昔の算数、数学といえば、江戸時代の和算の関孝和、算盤などが思い浮かびます。高度な数学、計算技術が広まっていたとの認識がありますが、明治時代の小学校で算数はどのようにお知られていたのか、具体的なことは知りません。
教科書を見たのも初めてです。地元の方のご先祖が八城小学校(現社小学校の前身)で実際にこの教科書で勉強していたのかと思うと、明治の算数教育を知る貴重な資料だなと思わず姿勢を正しました。
教科書には、筆算、乗法、除法、応用問題や最大公約数、最小公倍数、分数など、私が昭和の時代に小学校で習った算数と同じことも出てきて、130年前にもこうして算数を勉強したんだなと感心していると、明治時代の教室風景が浮かんできました。