先月末から2月の今日に至るまで日本共産党の志位委員長がマスコミ相手に「党首公選制」を訴えた元共産党と委員でジャーナリストである松竹伸之氏をを除名した件で「XX新聞或いは週刊誌に指図されるいわれはない」と大喧嘩の様子です。
大寒波の襲来やフィリッピンの特殊詐欺・広域強殺犯の送還問題でTVニュースショーはそちらで持ちきりでしたから、この件に報道はほとんど有りませんでした。
どうやら1月19日に松竹氏が「シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由」を上梓し「(共産党党首の)党首公選制」を訴えた事が志位氏の逆鱗に触れたようです。
問題が起きて記者会見での松竹氏(ネットから)
この記事では2000年の共産党委員長就任以来22年と有りますが、その前の10年は書記長として顔を見た覚えが有りますから、実に32年の長きに亘って共産党の看板で有った方です! 別に共産党だけで有りませんが党員の高齢化と現象は否定できない現実です。昨年の公称「党員26万人、赤旗購買100万部」も1980年委比べ「党員半減 購買数3分の1以下」の様です。
変わるためには指導部が一新されねばならないのは、組織原則ですがそこを一新出来ない所に「共産党指導部の反対者は除名」なる悪弊から逃れられないのでしょうね? その後の「週刊文春、2月2日号」でも同じ問題が取り上げられ論争の様です。
志位委員長も大人の対応で「以後参考にするべく人材を求める」位の応答にしておけば「赤旗以外は全員敵」風の議論にならなかったのでないか? と書いたコメントをチラッと見ました。
70歳を目前に「革新的であり続ける事」は苦しいでしょうがよくよく考えてください。
写真:日本共産党の志位和夫委員長
デイリー新潮:
日本共産党がメディアにケンカを売りまくっている。何しろ志位和夫委員長(68)が記者会見で「朝日に指図されるいわれはない」と批判したのだ。極めて感情的な発言であることは言うまでもない。
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1月19日、同党の党員でジャーナリストの松竹伸幸氏が著書『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を上梓した。担当記者が言う。
「松竹さんは本書で大きく二つの提言をしました。一つは、共産党員の直接投票による党首公選制の導入。もう一つは、日米安全保障条約や憲法9条、自衛隊などの問題で現実路線を採り、野党共闘を強化することです。松竹さんは発売日に記者会見を開き、志位委員長の在任期間が22年を超えたことについて『国民の常識からかけ離れていると言わざるを得ない』と批判しました」
さらに、1月26日に発売された「週刊文春」2月2日号が「共産党員の党首公選要求に志位委員長が逃げた」と題した記事を掲載。これに日本共産党の広報部がケンカを売った。27日、党機関紙「しんぶん赤旗(電子版)」で「『週刊文春』への申し入れと回答について」という記事を配信したのだ。
「内容自体は単なる反論で特筆すべきものはありませんが、記事の末尾に《「逃げの一手」と書くのは悪質な印象操作です》とあったのが印象的でした。というのも、『印象操作』という言葉は安倍晋三元首相(1954〜2022)が多用したことで知られ、一部の識者が『異論を封じ込めようとする強権的な言葉』と批判してきたからです」(同・記者)
毎日新聞にも八つ当たり
共産党は松竹氏にも牙を剥いた。1月21日に赤旗が反論を掲載。2月2日に同党の京都南地区委員会が松竹氏を調査。5日に除名処分が決定し、6日に京都府委員会の承認が下りたことで処分が確定した。
「これに朝日新聞は、2月8日の社説『共産党員の除名 国民遠ざける異論封じ』で《党の閉鎖性を一層印象づけ、幅広い国民からの支持を遠ざける》と批判したのです。真っ当な指摘ですが、志位委員長は翌9日の会見で猛反発。『朝日に指図されるいわれはない』、『悪意で党を攻撃する者に対しては断固として反撃する』と感情的でした。しかも朝日新聞を産経新聞と言い間違え、産経にそれを揶揄される記事まで書かれました」(同・記者)
10日には毎日新聞も「共産の党員除名 時代にそぐわぬ異論封じ」との社説を掲載し、同党を批判した。
「毎日も《今回の振る舞いによって、旧態依然との受け止めがかえって広がった感は否めない》と常識的な批判を行いました。ところが、今度は田村智子政策委員長(57)が10日の会見で、『党に対する攻撃と攪乱以外のなにものでもない。怒りさえ覚えた』とケンカを売ったのです。志位氏も田村氏も、朝日と毎日の社説は『政党の結社の自由に対する攻撃』と批判しましたが、ならばお二人は共産党のためなら言論の自由は抑圧されるべきとでも仰るのでしょうか」(同・記者)
批判したら除名
松崎いたる氏は日本共産党本部に勤務後、4期16年にわたり板橋区議を務めた。ところが、他の党員が関わった公金横領詐欺を告発したことが党中央の逆鱗に触れ、除籍処分を下されてしまう。
松崎氏は2022年7月、著書『日本共産党 暗黒の百年史』(飛鳥新社)を上梓、注目を集めた。文中には以下のような記述がある。
《私は一九八五年に入党し、二〇一五年には党歴三十年の「永年党員」として登録されたこともあるれっきとした日本共産党員だった。だが永年だったはずの党員資格は翌年には除籍処分のため、はく奪された。他の党員がかかわった公金横領詐欺の不正事件を告発したことが、党中央の逆鱗にふれたためだ》
《除籍に至った経緯は本書の主題ではないので、ここでは詳しく述べない。ただ党員、党議員として当然の義務と任務を果たしてきた私が除籍されるという衝撃的な経験は、「日本共産党とは何だったのか」という根本的な疑問を、私に正面からつきつけることになった》
今回の松竹氏の除名処分について松崎氏に感想を訊くと、「日本共産党は昔から同じことを続けてきました」と苦笑し、次のように話す。
「党の方針に異を唱えると、除名されてしまうのです。読売新聞の主筆・渡邉恒雄氏(96)、日本テレビの会長を務めた氏家齊一郎氏(1926〜2011)、セゾングループの代表だった堤清二氏(1927〜2013)、作家の安部公房氏(1924〜1993)、皆さん共産党を除名されています」
共産党はブラック企業
今回の騒動で、共産党は「建設的な批判や提言さえ許さない」という狭量な体質が露わになった。
これに対して一部の識者は、マルクス主義が「プロレタリア独裁(プロレタリアが革命によって得た権力を維持・強化するためにブルジョアジーを強制支配すること)」を掲げていたことや、ソ連共産党の前身であるボリシェヴィキが「民主集中制(反対政党の存在や個人による党批判を許さないとする行動規範)」を制度化していたことが一因だと指摘していた。
だが、松崎氏は「そんな大げさな話ではありません。要するに日本共産党はブラック企業なのです」と言う。
「一般的な労組などとは異なり、日本共産党は専従率が高いことで知られています。専従の党員は、党の指示にさえ従えば、衣食住に不自由はしません。党内部でぬくぬくと生きることができる代わりに、党を批判すると容赦なく潰されます」
松竹氏の除名について志位委員長は「公然と外から攻撃したことを問題にしている」と説明した。
一方の松崎氏は公金横領事件に関して党内で資料を配付し、自身の主張を支援者に説明した。すると、これが“分派行動”だと批判された。
「要するに、党中央が『党に異論を唱えた』と認定すると、議論の場が党内であろうが党外であろうが、問答無用で追い出されてしまうのです。ブラック企業も社員が経営陣を批判するとクビでしょう。全く同じなのです」(同・松崎氏)
「党の決定に従わない」行為
ちなみに“分派活動”について松崎氏は、前掲の「日本共産党 暗黒の百年史」で以下のように記述している。
《私が党の地方議員(東京・板橋区議)であったとき、区政に関わるある不正事件が発覚し、私が党議員としてその事件の究明と、責任追及の論戦を担当することになった。すると不正の当事者から私は「名誉毀損」で提訴されてしまった。私は、党に裁判への支援を求めたが党は応じてくれなかった。困り果てた私は不正事件についての党内の理解を得ようと、事件に関する資料を党内で配布した。私の地元の居住支部の党員や支持者たちは、党中央あてに、私への支援を求める署名を集め、手紙と共に郵送してくれたりもした》
《ところが党はこれらの活動が分派活動であり、反党活動であると警告してきた。党は裁判に関与しないと決定したにもかかわらず、勝手に資料を配付したことは第三条(二)項に反する「党の決定にしたがわない」行為だといい、支部が署名を集める行動は党決定に反抗する分派の形勢にあたるとされたのである》
共産党は消滅の運命
もし志位委員長が「松竹氏の批判を虚心坦懐に受け止め、参考にすべきところは参考にする」と言っていれば、何の問題にもならなかったに違いない。
松崎氏は皮肉を込めて、「日本共産党がこれほど注目を集めたのは久しぶりではないでしょうか」と言う。
「党勢の衰退は著しく、まさに断末魔の苦しみを味わっています。党は党員に『以前に赤旗を購読してくれた読者の自宅を訪問し、再購読をお願いしろ』と指示していますが、そんなことが今さらうまくいくはずがありません。例外的に民青(日本民主青年同盟=日本共産党の下部団体)が貧困に苦しむ若者にフードバンクを提供するなどして党員を獲得しています。率直に言って、ご飯で釣って党員にしているようなものですから、これも長続きしないでしょう」
マルクス・レーニン主義を深く掘り下げて研究する党員など、今では皆無だという。
「先日、現役の党員と話をしていると、『天皇陛下』と平気で口にしているので驚きました。日本共産党は天皇制に批判的な立場を取っていますが、そんなことも知らないのでしょう。こんな不勉強な党員ばかりなのですから、党勢の退潮を止められるはずもありません。党の消滅は時間の問題です」(同・松崎氏)
松竹氏の除名騒動は、結局のところ「間もなく滅びようとする共産党を象徴するドタバタ劇」──松崎氏はこう指摘する。
(引用終わり)