生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

いじめや自殺がなくなる薬

2007-06-30 16:00:05 | 日記

わたしはあまりテレビを見ないのですが、興味のある番組があると録画し、食事の時、数回に分けて見ています。久々に感動的なドラマを見ました。フジテレビの「わたしたちの教科書」です。28日の最終回は昨日見たのですが、意外な結末に驚き、感動しました。暗いドラマでしたが、最後に希望が見えてほっとしました。
 
女子中学生が教室の窓から転落死するというショッキングな事件から物語は始まります。学校側は事故だと主張しますが、少女がいじめられていたという証拠がみつかり、彼女の継母であり、弁護士でもある主人公積木珠子(菅野美穂)が、裁判を起こすという物語です。


ドラマはいじめという問題に対して法律という側面から迫っていきます。今までにない視点からです。教職の矛盾、いじめの実態、教師の無力感などが現され、考えさせられるドラマでした。

死んでしまった少女明日香は、自殺ではなく事故死だったことがわかります。明日香が転落するときその教室にいたという、小学2年生の時からの友だち、朋美が裁判所で証言します。朋美は自分のせいで明日香が死んだと自分を責め、証言の後心が壊れたようになってしまいます。
その1年後、朋美が積木珠子に連れられて明日香との秘密の隠れ場に行って、コンクリートの壁に書かれた明日香の自分に宛てた手紙を発見するというところでドラマは終わっています。
その手紙文を紹介します。


明日香より。明日香へ。
わたし、今日死のうと思ってた。ごめんね。明日香。
わたし、今まで明日香のことがあまり好きじゃなかった。
ひとりぼっちの明日香が好きじゃなかった。
だけど、ここに来て気付いた。
わたしはひとりぼっちじゃないんだってことに。
ここには8才の時のわたしがいる。
わたしには8才のわたしがいて、13才のわたしがいて、
いつか20才になって、30才になって、
80才になるわたしがいる。
わたしがここで止まったら、
明日のわたしが悲しむ。昨日のわたしが悲しむ。
わたしが生きているのは、今日だけじゃなんだ。
昨日と今日と明日を生きているんだ。
だから明日香、死んじゃだめだ。生きなきゃだめだ。
明日香。たくさん作ろう。思い出を作ろう。
たくさん見よう。夢を見よう。明日香。
わたしたちは、思い出と夢の中に生き続ける。
長い長い時の流れの中を生き続ける。
時にすれ違いながら、時に手を取り合いながら、
長い長い時の流れの中を、わたしたちは、歩き続ける。
いつまでも。いつまでも!


この手紙文を読んだ珠子と朋美はどれほど慰められたことでしょう。このメッセージは視聴者に「生きよ」と訴えています。家族の愛に恵まれず、孤児院で過ごした明日香。自分がいなくなってもだれも悲しむ人はいないと言う明日香。小学生のとき、朋美と過ごした時間が唯一の楽しい思い出だったのかもしれません。そんな思い出と夢があったから生き続けることを願ったのでしょう。

もし、楽しい思い出や夢がなかったとしても、誰からも愛されていないと感じたとしても
「生きて下さい」とわたしは叫びたいです。


明日香の担任だった加治先生は、「いじめや自殺がなくなる薬が発明されればいいのに」とつぶやきます。

その薬はすでに人類に届けられています。薬は誰にでも手に入り、世界中の人が飲んでもなくならないほどたくさん用意されています。でも、それを飲んだ人はわずかです。

その薬をわたしは知っています。それは「互いに愛し合う」という薬です。他の人を自分と同じように愛し、大切にできれば、いじめも自殺もなくなりますね。

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2 コメント

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Unknown (まこ)
2007-06-30 19:50:15
驚きました。文香さんもこのドラマを見ていたとは・・。私は、3回目くらいから見始めて、毎週このドラマだけは釘付けになっていました。
私も、意外な結末にほっとすると同時に、心に余韻が残りました。それが、今、文香さんの文章を読んではっきり分かりました。ドラマを見ている時には気が付きませんでした。そうか、私たちはその「薬」を知っているではないか・・・と。だから、人類にすでに与えられている、そして、まだまだ知らない人が多いこの薬を少しでも多くの人に知ってもらうために日々を生きていかなきゃいけないのだと。御免なさい。長くなりました。文香さん、目を開いてくださって、ありがとうございました。
まこさんへ (文香)
2007-06-30 21:29:16
このドラマ、まこさんも見ていたのですか。

>まだまだ知らない人が多いこの薬を少しでも多くの人に知ってもらうために日々を生きていかなきゃいけないのだと。
 
そうですよ。わたしたちの生かされている目的がそこにあるんですよね。

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