今日は、先月教会学校で発行したお便りを紹介します。ホスピスのベッドで横になる父の傍らで書いた物です。9月1日、2日、ブログに書いた「危険にさらされている子供たち」の内容と重複する箇所もありますが、9月には「いま、子どもたちがあぶない!」という本はまだ読んでいませんでした。(この本もホスピスで読みました)
10月から小学科ではモーセのお話をしています。先日は、エジプト人が同胞のイスラエル人を虐げていることに腹を立てたモーセが、エジプト人を殺してしまうというモーセの失敗の話しをしました。そのとき、「ものすごく悪いことをした人なら、殺してもいいと思いますか?」と子供たちに問いかけました。すると、「だめー」という答えが返ってきてほっとしました。
佐世保の小学校で小学生が同級生を殺すというショッキングな事件が起きた後、教会学校では『なぜ人を殺してはいけないのか』について話しました。そのいちばん大きな理由は、『どんな人でも神さまによって造られ、神さまに愛されているから』だと神学生が話してくれました。
最近、若者や子供による異常な犯罪が増えています。以前には考えられないような事件が起きています。それがテレビゲーム、ビデオ、テレビ、インターネットなどのメディアの影響だということが「脳内汚染」、「いま、子どもたちがあぶない!」に書かれています。本には、テレビゲームをやり続けると、脳(前頭葉)が変化してしまうことが示されています。
ゲームでなくても残酷なシーンを繰り返し見ると、残酷とは感じなくなってきます。ホラー映画も見続けていると何ともなくなります。それは、人の正常な感覚が麻痺してきた証拠です。
悪影響を与えるとわかっても、テレビゲームやすべてのメディアから子供を切り離すことは不可能に近いでことでしょう。私事で恐縮ですが、我が家の2人の子供たちもメディアの影響を多分に受けて育ちました。特に長男はテレビゲームに夢中でした。時間を決めていても「セーブするまで待って」と5分、10分時間が伸び、そのたびに親子喧嘩になっていました。
わたしは、当時テレビゲームがそれほど悪いという認識がありませんでしたが、子供たちになんとか本好きになってもらいたいと思っていました。それで毎晩夕食後に20分間本の読み聞かせをしていました。それは長男が2歳から小学校を卒業するまで続きました。かなりの長編を何日もかけて読み聞かせたこともあり、それは親子で物語を共有する楽しいひとときでした。そのせいかどうかわかりませんが、長男はメールより電話派。長女は読書家(?)になっています。
「いま、子どもたちがあぶない!」には、子供たちにメディアワクチンを打つことが必要だと書かれています。メディアワクチンとは、質のいい本を読み聞かせることだそうです。
いま、子供たちは危険にさらされています。子供たちを守るには、有害なもの、悪影響を与えると思うものからできるだけ遠ざけ、良いもの、心を豊かにするもの、美しいものを与えることです。良いもので心を満たしていれば、悪いものは入ってこないとS先生が言われました。
そして大切なことは、神からの規範を教えることです。神さまは、人間を倫理的な存在として造られました。神さまから造られた者として自分を大事にすること。また、他者も大切な存在として造られていることを知らせることが、わたしたち大人の役目ではないかと思います。
「若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いても、それから離れない。」(箴言22:6)
〈本の紹介〉
「脳内汚染」 岡田尊司著 文藝春秋社 1680円税込み
「いま、子どもたちがあぶない!」 斉藤惇夫他著 古今社 1800円+税
そこで、人が人になるには、何よりも第一に、自然の中で自然を相手に遊ぶと、自然に、神が定めた人間らしさが解発されるもののようです。
しかし、今、自然とのふれあい抜きで育つ子供たちが増えているようです。
いわゆる神の存在証明がもたらす意味について
http://blog.goo.ne.jp/i-will-get-you/
賛同してくださったことも感謝します。
現代の子供たちの問題は根深いですね。