生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

「子どもたちに導かれて」を視聴して(その2)

2008-01-14 16:15:17 | CS(子供伝道)
昨年12月23日にNHK教育テレビで放送された「子どもたちに導かれて」の番組から坪井節子さんのお話を紹介しています。


坪井さんは、虐待・非行……過酷な現実を生きる子どもたちと接して、自分が『無力であること』を感じられました。でも、子供たちから『無力でいい』ことを教えられたと言っておられます。

傷ついている子供たちは、ほとんどが「自分など生まれてこなければ良かった」と思っています。その子供たちに「わたしはあなたに生きていて欲しいと思っている」と伝えます。生きていて欲しいと思っている人がひとりでもいることがわかると、それを支えに生きていけます。


わたしもそうでした。死にたいと願っていた中学生のとき、自分のお墓の絵を描いていました。墓のまわりにいる人たちが笑っている絵でした。それを見た祖母は「おまえが死んで、誰が喜ぶんだ!」と怒りながら体をふるわせて泣きました。
わたしは、はっとして祖母にあやまりました。
そのとき、少なくとも祖母は、わたしに生きていて欲しいと思っているのだなあ。この祖母のために自殺をしてはいけないのだと思ったのでした。


坪井さんも、高校生のころ死にたいと思っていた時期があったそうです。
坪井さんは、子どもの人権救済活動に携わり、子どもたちの生の声を聞く中で、子どもたちの駆け込み寺となるシェルターの必要性を痛感されて、日本で初めての子どもたちのためのシェルター(緊急避難場所)カリヨン子どもセンターを2004年に設立されました。
 
カリヨンに来る子供たちは、最初はみな『死にたい』と思っているのですが、心を開くようになると、本当の気持ちを表現してきます。本当は、『生きていたい』『愛されたい』のです。
大人はそんな子供たちに何かをしようと思ってはいけません。何もできない、無力ですが、『ひとりぼっちじゃないんだよ』と伝えられたら、それだけでいいのです。

坪井さんは、親から虐待を受けている子供と接したとき、しばらく遠のいていた教会に通うようになったと言われました。祈らなければやっていけないことがわかったそうです。

最後に傷ついた子供たちと接するときの大切な3つのことを教えて下さいました。


1)「あなたが生まれてきてよかった。あなたに生きていてほしい」と伝える。
2)子供の人生は、子供自身が歩く。(大人が横取りしてはいけない)
3)「ひとりぼっちじゃないんだよ」と伝える。



坪井節子さんの著書『 子どもたちに寄り添う 』(いのちのことば社)をぜひ読んでみたいと思いました。

おわり


拍手ボタンです

web拍手