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生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

ヨブ記を読んで

2006-01-13 11:02:44 | 乳癌

昨年の暮れからヨブ記を1章ずつ読んでいて、今日は33章を読みました。12月30日の日記にも書きましたが、以前(乳癌になる前)にヨブ記を読んだときと今とでは感じ方が全く違います。

以前読んだときは、自分の正統性を主張し続けるヨブをやや批判的な目でみていました。友人たちの議論は理解しがたく、真理を語っているのは誰なのだろう?と考えていました。

でも、今回読んでみてヨブに心から同情しています。ヨブは財産や子供たちを失っただけでなく、自身も足の裏から頭の頂まで悪性の腫瘍ができ、土器のかけらで自分の身をかいていたというのです。今まで元気で裕福な暮らしをしていたヨブが突然の不幸に襲われて、このような状況になってしまうとは……。神さまの存在を深く信じているヨブは、
「神さま、どうしてですか? わたしのどこが悪いというのですか?」と叫ばずにはいられなかったのでしょう。

わたしは喘息で死ぬほどの苦しみを経験しましたが、それは苦難といえる程のものではありませんでした。乳癌の手術を受けたときも、肉体的苦痛はたいしたことありませんでした。でも、リンパ転移がわかってからの精神的苦痛はいままで経験したことのない苦しみでした。ヨブの苦難に比べれば、これもたいしたことないものですが……。

でも、乳癌という病気を通して、少しだけヨブの気持ちが理解できるようになってよかったです。ヨブ記が聖書にあるのは、苦難の中にある人を慰めるためなのかなあと思います。


「苦しみは神を仰ぐとき恵みの宝庫となる」
(「旧約聖書1日1章」榎本保郎著506ページより)

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