改正の柱である利用者負担を考えたいと思います。
「施設ではホテルコストを徴収する」といわれ、「値上げ」は当たり前のように議論されてきました。改正のポイントを、①介護保険施設では、保険給付の対象だった居住費用と食費が給付からはずされた。②保険料の決定のための所得段階が6段階となり、新・第1~3段階に属する者については利用者負担が軽減される。とされております。具体的には、これまで保険給付の対象だった居住費用(光熱水費、減価償却費)と食費を給付からはずし、入所者の負担とする方針です。ただし、居住費のうち減価償却費を徴収できるのは、個室及び準備室(ニュットケア型以外の個室)に限られ、2室以上の多床室では徴収できません。
私の関わっている特養ホームでは、所得段階を4段階とし介護度1~5別に「利用者負担金一覧表」を作成・配布して個々の家族の方々に説明していました。
第1段階は「生活保護受給者・市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者」。第2段階は、「市町村民税世帯非課税であって、課税年金収入と合計所得金額の合計が80万円以下の方」。第3段階は、「市町村民税世帯非課税であって、利用者負担第2段階以外の方(課税年金収入が80万円超266万円未満の方など)」。第4段階は、「上記以外の方」。となっています。これをもとに「介護度」別に計算しますと、
第1段階の方の差額は、 9,424円のアップ。
第2段階の方の差額は、12,834円のアップ。
第3段階の方の差額は、14,694円のアップ。
第4段階の方の差額は、41,664円のアップ。となります。
内容は、「説明会」に参加した時のブログで紹介しましたが、新・第3段階以下では、さほど変わりませんが、新・第4段階以上では負担が大幅に増えることになります。納得できる値上げと納得できない値上げがありますが、厚生労働省の負担金値上げの説明不足と制度理解のための努力不足はあるのではないか。と思います。