銀幕大帝α

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市子

2024年07月13日 13時25分47秒 | 邦画ドラマ

2023年

日本

125分

ドラマ/ミステリー

劇場公開(2023/12/08)

監督:
戸田彬弘

原作戯曲:
戸田彬弘
脚本:
戸田彬弘

編集:
戸田彬弘

出演:
杉咲花・・・川辺市子
若葉竜也・・・長谷川義則
森永悠希・・・北秀和
倉悠貴・・・田中宗介
中田青渚・・・吉田キキ
石川瑠華・・・北見冬子
大浦千佳・・・本さつき

渡辺大知・・・小泉雅雄
宇野祥平・・・後藤修治
中村ゆり・・・川辺なつみ

<ストーリー>

3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川からプロポーズされた翌日、川辺市子は突然失踪した。途方に暮れる長谷川の下に、刑事が訪れる。

―感想―

いいなあ俺も杉咲花ちゃんとディープキスしてえよぉお!

役者冥利に尽きるてやつよの、相手側の男優からしたら。

にしても生々しいキスをするじゃねえか、裏山エロ氏。

ほんと、穏やかな生活を送りたかっただけなんやろね。

でも、隠した死体が見付かっちゃう、そこから又市子の「逃げる」生活が始まって行く...そう考えると、とてつもなく哀れで切ない。

市子は月子でもあり、月子は市子。

別人(妹)を演じなければいけない理由。

戸籍を持たず、病院にも行かない(行けない)理由。

これは自ら望んだ事なのか、それとも親から突き付けられた一つの選択肢なのか。

どちらにせよ、市子にとっては「嘘」に塗れて生きていくしか他はなく、っぱつれぇわ、な過酷さではある。

突然失踪した恋人の行方を探す為に、彼女が歩んできた人生という道を人伝に聞き回り、その尋常じゃない生き様に閉口し、そして号泣する。

過去を何も知らず呑気にプロポーズした事に胸が苦しくなる。

市子の為に何か助け舟を出せたのではないのか?

そんな思いに馳せるも、時すでに遅し。

もう市子の姿は目の前にない、二度と再会する可能性すらも薄い。

市子と過ごした数少ない思い出だけを残し、これからはそれらの記憶を徐々に消していかないといけない、それが自分の為でもあり市子の為でもあるからだ。

重たい話だよなあ。

確かな幸せは市子にもあった。

それがエンドロール中に流れる音声に集約されている。

これを聴くと、余計にいたたまれない気持ちにはなるんだわ。

救いの無い話ちゃあそうなんだけども、家庭環境の問題や、介護疲れについても一石を投じている作品でもあるので、市子を自分に置き換えて観ると又違った視点が生まれるやもしれない。

今までになかった汚れ役を堂々と演じた杉咲花ちゃんの頑張りと、そこから被さるかのように綴られる一人の女性の藁をも掴む想いで願う幸せが一瞬で崩れ落ちてゆく様に目が離せなく見応えはあるが、もう一度観るか?と問われたら俺は遠慮する、それ位、ひたすら重く暗い。

評価:★★★☆

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