朝から冷たい風が吹き荒れいる。
珍らしく、晴天であるのに、春の風。
「花冷え」という言葉もある。油断は出来ない。
身体を丸めて家の中でも、炬燵に潜っている老夫婦。
視点を変えて見たらどんな具合だろうなどと、想像しながらの自分たちだ。
先ほど外に出てみたら、予想以上に寒い。
たまたま通りかかった近所の奥様も寒いね。どうしてこんなんでしょうね?。
と言って通った。
「春は名のみの風の寒さや、葦は芽ぐめど・・・・・」といったような歌がずっと昔に流行ったことがあったな。
いま思い出している。
ところで自分は昭和12年生まれの老体だ。若い時分に東海地方に学校の紹介で就職した。豪雪で知られた地方で生まれ育った自分だが、このあたりの住みよい、暖かい環境に驚いたことを思い出す。
こんな環境で暮らせるなら、まるで夢のようではないか?。とも思ったものであるが、日本経済の発展の波にのまれて小さい規模の会社は潰れるという運命にも・・・・。
やがて自分も納得して働く企業の傘下で働くことが出来た。寄らば大樹の陰だ。定年後一年延長して退職。
そして現在の自分と家内だ。
ところで、その豪雪地帯の一角に住む療養中であった姉が死亡との報に、予想の範囲とはいえ、そうか、と思いながら出かける準備にかかったところだ。
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