いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

生きもの地球学校(その2)

2011年08月23日 | 極楽日記(日帰り)

 動画の内容は月並みで、メダカ館内の説明と大差ありませんでした。面白かったのはバックヤードツアーです。800の水槽を6人の職員で分担して世話しているそうですからこれは忙しそう。家庭で金魚を飼うのとレベルが違います。

 毛糸に付着したメダカの卵。水草に産卵する種類ではこうやって産卵場所を確保します。これは希少種を確実に維持するための知恵でしょう。生きている水草だと、何が付いているかわかりませんからねえ。種類によっては川底の砂利に産卵するものもあります。

 メダカの卵と言っても多彩です。染色してみると大きさがわかります。左のは大きな種類、右のは小さい種類です。日本メダカは体の割りに大きな卵で知られています。

 乾季に水が干上がる地帯でも、しぶとく生存する種類もいます。親は死にますが、卵は乾燥に強く、少しの湿り気があれば3ヶ月間もの乾季に耐えて、雨季になると孵化します。このような種類を維持するためには、卵をピートモスなどで保護して乾燥させておきます。

 こういう雰囲気はいかにも研究室。種名にOryziasとあるものが多いですね。Oryzias latipesが日本メダカ。oryzaはラテン語で稲です。戦前に鈴木梅太郎が、世界に先駆けて脚気予防因子として米ぬかから抽出した物質を「オリザニン」(今のビタミンB1)と命名したのも同じ語源です。メダカの生息域と稲作地域は明確に重なっており、伝統的な水田の環境がメダカの成育に極めて適していたことから、多くのメダカが「田んぼの」という意味の種名を冠しています。

 バックヤードを見た後だと一層興味深く観覧できます。ここのメダカは田んぼまで作ってもらって幸せですね。このメダカは「メダカの先生」として著名な故山本時男名大名誉教授が70年前に採取した、いわゆる名古屋メダカの子孫です。

 絶滅危惧種のウシモツゴ。見えないって?

 小さいのがウシモツゴです。昔は佃煮の材料だったそうです。
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