極楽息子(大)がキャンプでバウムクーヘンを焼いて来ました。野外で子どもが作ったものなので詰まった感じがしますが、ちゃんと年輪が見えています。初めてならこれで上出来。
有名なお菓子のユーハイムのサイトによりますと、日本で初めてバウムクーヘンを作って売り出したのが創業者カール・ユーハイムさん。1919年に今の原爆ドームで「俘虜作品展示即売会」なる催しがあり、そこで販売したそうです。
ユーハイムさんは元々ドイツから中国の青島(チンタオ)に渡って菓子作りをしていた人で、第一次大戦で日本軍の捕虜になって広島に連行されました。自分の意思で日本に来たわけではないので、「ユーハイム」の名を冠した菓子店とバウムクーヘンがこんなにも日本人に親しまれるようになったのは、歴史のいたずらとでも言うべきでしょう。他にも当時のドイツ人捕虜は日本人と交流して様々なドイツ文化を日本に伝えています。ロースハムの元祖として有名なローマイヤさんも元捕虜ですし、パンやビールの技術も捕虜を通じて移転されたものが多いそうです。
バウムクーヘンとはあまり関係ないですが、ベートーヴェンの交響曲第9番の日本初演が捕虜たちにより徳島県鳴門市の坂東俘虜収容所で行われたのは、映画にもなったのでよく知られるところです。収容所のあった付近にはドイツ村公園や鳴門市ドイツ館、「阿波大正浪漫バルトの庭」などで当時を偲ぶ資料が保存されています。