コピーワンスの緩和策にユーザーサイドの大御所、著名なAVライターで日本画質学会副会長の麻倉怜士さんから批判が出されています。1世代のみコピー可、つまり孫コピー禁止の状態では編集ができないし、録画内容を次世代メディアに引き継ぐことができないという当然の指摘です。
8月2日の情報通信審議会第17回総会で、著作権過剰保護システムとユーザーに悪評の高い「コピーワンス(実際はムーブ1回だけ)」が、視聴者に最もメリットのあるコピーフリーやEPNを退けて、「1世代のみコピー9回とムーブ1回」に緩和されることが決まりましたが、やはり視聴者には不評です。このような重要な審議について、麻倉さん以上に適当なユーザー代表はおられないと思っているのですが、審議会の構成員はどのような経緯で決まったのでしょうか?
「消費者代表」として「生活経済ジャーナリスト」という肩書きの高橋伸子さんが構成員のリストに入っています。でも、この人がユーザーの意見を代弁してくれるのかな?どうも東京電力の生活情報サイトや他のサイトで金融商品のアドバイスなどをしている方のようです。東証の社外取締役ですから、セルサイドつまり企業側の人ですよね。
経歴のどこを見ても、放送のデジタル化や録画、著作権問題を専門にされているようには見えません。こんな人にユーザーの感覚はわからないだろうと思ったら案の定、今回の緩和策に「本当にいいまとめができたのではないか」などと寝惚けたコメントをしています。録画コレクションの保存や編集に苦労したことのあるユーザーなら、こんな気楽な意見を吐くはずがないでしょう。
こんな企業側の人を入れておいて、「消費者代表とも合意した」などと言うのは強弁もいいところです。私も含めて多くのユーザーは高橋さんに全権委任をした覚えはありません。ユーザーの意向がわかるのなら、こんな著作権者に擦り寄った審議会の結論には抗議して退席ぐらいするのが当然です。
確かに、麻倉さんは平均的な視聴者ではなく高画質、高音質を追求するトップエンドの人です。しかし長年のライターとしての活動は一貫して映画や音楽の愛好者のために適切なアドバイスを送るものであり、間違いなくユーザーの意見を集約できる人です。コンパクトディスクやビデオディスク、ハイビジョンなど、新しい機器とコンテンツが普及していく過程では、麻倉さんのような先駆者が大きな力を果たしてきたのです。機器メーカーやコンテンツ販売者に対する最高クラスの貢献をしてきたと言ってもいいでしょう。
麻倉さんのような先駆者に続いて、余裕のある愛好家(マニアなどと呼ばれる)が思い切った投資をして、それから新しい機器が普及していく。これまでの画像・音響機器、特に高価な機器は、こうしたピラミッド型の普及パターンを取ってきました。だから先駆者やヘビーユーザー層の意見を十分に入れなければ、後に続く人がいなくなるのです。
まあ、著作権者が「顧客は潜在的に泥棒」としか思っていないとすれば残念なことです。高価な機器やコンテンツを購入するヘビーユーザー層は、機器メーカーやコンテンツ販売者にとって有難い顧客のはずですが、彼らには「ヘビーユーザー」=「スキルがある」=「違法コピーをする泥棒」ぐらいの認識しかないのかも知れません。
麻倉さんのような真のユーザー代表、あるいはユーザーに近いヤマダ電機などの販売業者代表を排除しておいて、著作権者側の意向を酌む人物ばかり集めたとしても、「視聴者も納得した」ことにはなりません。ニセ視聴者が合意したからと言って、デジタル機器が急に売れるようになったり地上デジタルの視聴率が急に上がったりするものですか!
総務省のやり方は姑息であり、多くの視聴者の顔に泥を塗る行為でした。この上は中途半端な「新規格レコーダー」の売れ行きをじっくり見て、高橋さんが本当に消費者代表であったかどうか確かめさせて頂きましょう。
8月2日の情報通信審議会第17回総会で、著作権過剰保護システムとユーザーに悪評の高い「コピーワンス(実際はムーブ1回だけ)」が、視聴者に最もメリットのあるコピーフリーやEPNを退けて、「1世代のみコピー9回とムーブ1回」に緩和されることが決まりましたが、やはり視聴者には不評です。このような重要な審議について、麻倉さん以上に適当なユーザー代表はおられないと思っているのですが、審議会の構成員はどのような経緯で決まったのでしょうか?
「消費者代表」として「生活経済ジャーナリスト」という肩書きの高橋伸子さんが構成員のリストに入っています。でも、この人がユーザーの意見を代弁してくれるのかな?どうも東京電力の生活情報サイトや他のサイトで金融商品のアドバイスなどをしている方のようです。東証の社外取締役ですから、セルサイドつまり企業側の人ですよね。
経歴のどこを見ても、放送のデジタル化や録画、著作権問題を専門にされているようには見えません。こんな人にユーザーの感覚はわからないだろうと思ったら案の定、今回の緩和策に「本当にいいまとめができたのではないか」などと寝惚けたコメントをしています。録画コレクションの保存や編集に苦労したことのあるユーザーなら、こんな気楽な意見を吐くはずがないでしょう。
こんな企業側の人を入れておいて、「消費者代表とも合意した」などと言うのは強弁もいいところです。私も含めて多くのユーザーは高橋さんに全権委任をした覚えはありません。ユーザーの意向がわかるのなら、こんな著作権者に擦り寄った審議会の結論には抗議して退席ぐらいするのが当然です。
確かに、麻倉さんは平均的な視聴者ではなく高画質、高音質を追求するトップエンドの人です。しかし長年のライターとしての活動は一貫して映画や音楽の愛好者のために適切なアドバイスを送るものであり、間違いなくユーザーの意見を集約できる人です。コンパクトディスクやビデオディスク、ハイビジョンなど、新しい機器とコンテンツが普及していく過程では、麻倉さんのような先駆者が大きな力を果たしてきたのです。機器メーカーやコンテンツ販売者に対する最高クラスの貢献をしてきたと言ってもいいでしょう。
麻倉さんのような先駆者に続いて、余裕のある愛好家(マニアなどと呼ばれる)が思い切った投資をして、それから新しい機器が普及していく。これまでの画像・音響機器、特に高価な機器は、こうしたピラミッド型の普及パターンを取ってきました。だから先駆者やヘビーユーザー層の意見を十分に入れなければ、後に続く人がいなくなるのです。
まあ、著作権者が「顧客は潜在的に泥棒」としか思っていないとすれば残念なことです。高価な機器やコンテンツを購入するヘビーユーザー層は、機器メーカーやコンテンツ販売者にとって有難い顧客のはずですが、彼らには「ヘビーユーザー」=「スキルがある」=「違法コピーをする泥棒」ぐらいの認識しかないのかも知れません。
麻倉さんのような真のユーザー代表、あるいはユーザーに近いヤマダ電機などの販売業者代表を排除しておいて、著作権者側の意向を酌む人物ばかり集めたとしても、「視聴者も納得した」ことにはなりません。ニセ視聴者が合意したからと言って、デジタル機器が急に売れるようになったり地上デジタルの視聴率が急に上がったりするものですか!
総務省のやり方は姑息であり、多くの視聴者の顔に泥を塗る行為でした。この上は中途半端な「新規格レコーダー」の売れ行きをじっくり見て、高橋さんが本当に消費者代表であったかどうか確かめさせて頂きましょう。