久々に自家製ベーコンに挑戦してみました。昔は医局の隅っこなどで時々作っていたのですが、仕事や家庭が忙しくなって引退してからもう何年にもなります。当時の感覚をかなり忘れてしまったのですが、元が大らかな料理なので形は何とかなります。煙に含まれる亜硝酸で発色するため、色が鮮やかになります。
豚ばら肉に岩塩とブラックペッパー、砂糖を刷り込んで、冷蔵庫で1週間寝かせます。ベーコンの場合、製品にかなり塩分が残るため、ナトリウムの過剰摂取を避けるために岩塩を使用しました。砂糖は元のレシピ(昔のことなので原典は不明)に書いてあったもので、浸透圧効果を期待したものだと思います。
この時、面倒がらずに肉の全面に塩を刷り込むのがポイントです。塩で全面を被わないと寝かせている間に傷んでしまいますし、上から掛けるだけではムラができていけません。本当は重石を載せて余分な水分を搾り出したいのですが、冷蔵庫が狭かったので今回は見送り。寝かせている間のケアも手を抜いたので、昔に比べれば腕が落ちたと言われても仕方がありません。
1週間待ったら、塩抜き、水切りをしていよいよ燻製です。チップは東急ハンズで買ったリンゴのチップを使用。時々は開けて出来具合を確認します。極楽息子(大)が「お手伝い」に来るので気を付けないと。
使い慣れた当時のスモーカーは熱と酸による腐食で底が抜けてしまったので、これは2号機です。燻製作りに賛同してくれた外科の先生からの寄贈品。1号機ほど馴染んでいないので、例えば温度の感覚などが掴めません。温度計は付いているのですが、これが材料の温度を反映しているかどうかは別の問題です。温度計はあくまで参考値であり、自分なりの調整が必要なのは、オーブンで料理をされた人ならわかって頂けると思います。
今回は火力の調節が難しかったので、前半は低温で表面が燻されるだけ、後半は温度を上げすぎて中がまだ十分に加熱されていないという中途半端な出来でしたが、薄く切って焼けば、ベーコンの風味を堪能できます。岩塩はマグネシウムをかなり含むため苦味があって、そのため使用量の割に塩味を強く感じるようです。極楽息子(大)は喜んで食べてくれましたが、極楽妻には受けが良くなかったようです。これは今後の課題でしょう。