
連休の後半はずっと雨でした。極楽息子(大)を雨でも楽しめる
トヨタ博物館に連れて行きました。

本館入り口のシンボルゾーンでは、いつものトヨダ(当時はトヨタでなくトヨダ)AA型が迎えてくれます。

2階の展示場で息子がすかさず走り寄ったのがこれ。前に行った時に解説したからでしょうが、小学3年生の好みがドラージュ(1939年)とはなかなか豪勢な。あ、息子の手はクルマに触ってませんよ。演出で「フェンダーに手を置いているように見せて」と言ったとおりにしているだけですのでご安心を。

ここも2回目なので、そろそろ息子にはデザインだけでなくメカニズムにも目を向けて欲しいですね。これはイソッタ・フラスキーニ(1908年)のチェーンによる後輪駆動。

1909年トーマス・フライヤーL(1909年)のエンジン。まずは息子にシリンダーの数の数え方とプロペラファンを覚えてもらいました。これは6気筒です。今のような優れた合成樹脂のベルトがなかったので、ファンの駆動には一種のチェーンを使っているようです。

フォードT型(1909年)とそのエンジン。4気筒で小さく簡便な作りは、いかにも量産用という感じがします。ファンの駆動は幅の広いベルトのようですね。素材は何だったんでしょう?昔はファンベルトってちょくちょく切れたんですよ。

シトロエン11B(1937年)のトラクション・アヴァン、つまり前輪駆動機構。ドライブシャフトとサスペンションの複雑な取り回しが見えます。このクルマそのものは時代に先行しすぎて耐久性や信頼性に問題があったらしいですが、現在全盛のFF乗用車の先駆けとして貴重なモデルです。

企画展「クルマは時代を越える」に出品されていた初代ソアラ(1981年)の5M-GEUエンジン。このクルマこそは、排気ガス規制とオイルショックによる打撃から復活した高性能車のシンボルでした。当時は最高の性能を誇ったエンジンですが、今見るとやっぱり古臭いところがあります。エンジンルームは隙間がたくさんあって、特に後ろ側の空間は重量バランスを考えれば不利な点です。向こう側には昔ながらのディストリビューターがあり、そこから6本の高圧ケーブルが伸びています。エンジンバルブは2個でしたね。

同じく企画展から、スバル1000(1967年)のごちゃごちゃしたエンジンルーム。独創の水平対向縦置き前輪駆動を今に至るまで採用しています。エンジンの重心が低いため操縦性には有利で、全輪駆動への展開も容易という優れたレイアウトです。
しかし富士重工は当時から「クルマはいいが販売は素人」と揶揄されるようにアピールが下手な会社で、せっかく背を低くした水平対向エンジンの上をタイヤやジャッキの置き場にしてしまったためスタイルで独自性を訴えることができず、販売面ではトヨタ、日産の後塵を拝することとなりました。これじゃスペアタイヤも熱で傷みやすかったでしょうね。