近々撤去予定、と言う公園保存車が最後の車内公開、と言う事で見に行ってきました。
会場の公園、ちょっと駅からは遠いですが、まあゆっくり歩いても30分位、丁度良い運動でしょう。一応バスはありますが、本数は少ないです。
まずは電車の方から、見た目には塗装は褪色して剝がれ、錆が浮いていますが、鋼板自体の傷みは少なく、永年ノーメンテであることを考えたら、状態は極上だと言えます。やはり屋根の効果は絶大です。
お約束の解説看板。
カプラーは舶来物のシャロン、台車は解説ではブリル77Eですが、日車製のコピー品です。オリジナルとの違いは、目立つ所では板バネの上にコイルバネの有無、MCBもそうですが、どうやらパテントの関係で完全コピーとは成らなかった様です。主電動機は引き続き使われた750とかの予備品として外されてしまった様です。
主制御器は解説ではHL-480Fですが、後年モ750とかの他形式に合わせるため、デッカーの電動カム式(多分ES-152)に換装されています。
瀬戸電は当初路面電車並みの低床ホームだったので、当形式もステップが下に長く出ていましたが、後年の高床ホーム化で短縮されました。その切った跡はこうなっているのね。
車内は永年非公開だったので、積年の埃が積もり、モケットも傷んでいますが、欠品も少なく、これまた極上の部類と言えます。
運転台、マスコンはデッカーじゃなくてWHのままなので、自動進段機能は殺されてそうです。
地元ボランティアによる前サボの取り付け、前照灯の点灯や、汽笛の演出もありました。どうもありがとうございます。
これも利府のED9111と同じく、公表時には解体撤去の段取りがほぼ済んでいるのでは、と思いましたが、現時点では具体的なスケジュールは未定で、部品だけでも残せないかと模索しているようです。主電動機こそ無いものの、台車や主制御器等の部品は北米や豪州の保存鉄道とかで需要ないでしょうか? あ、そう言えばそう遠くない所で、廃線の駅跡に所縁のある電車を保存したい、と言う自治体があったはずだ、と思ったら、どうやらもう動いている、と言う話も伝わってきます。状態が比較的良いだけに、吉報があることを期待したいところです。
(2022年2月12日 瀬戸市民公園)