雪うさぎのJunk Yard

へタレ地方私鉄モデラーの独り言と撮り鉄日記

あの日と同じように

2014-09-28 22:29:08 | 撮り鉄日記

 廃止から2年以上経ちましたが、あの駅舎は2年前のあの時と相も変わらずそこに佇んでおりました。もう決してそこに来ることは無い電車を待ち続ける様に。

  

しかし一歩裏に廻ってみると、もう電車はそこに来ることは無いという現実を突きつけられます。

現状を鑑みるに、それは最も合理的な判断なんでしょうが、でもやっぱり何か違和感を感じるのは私だけでしょうか?


豊鉄渥美線の保存車

2014-09-28 22:00:09 | Weblog

 以前やはり近隣に保存されていた木南凸電が程度はそれほど悪くなかったのにも関わらず、施設の閉鎖でいつの間にか廃棄されてしまったので、この手の保存車はあるうちに行っておかなくてば、と、近くを通る行程なのを幸いと、ちょっと寄り道して見てきました。

 

デキ211、一応現役時代の末期、高師で見たカマです。そう言えば旧愛知電気鉄道の車輛で残っているのって、これと名鉄本体で現役のデキ400形2輌のみなんですね。近年まで現役だったモ3200や3300が1輌も残っていないのは残念ですね。

 

片方のボンネットの中身はスカスカなんですね。最後までATSとかも設置されなかったので、こちらのスペースが有効活用されることは有りませんでした。反対側はエアタンクと抵抗器、晩年は花田操車場や高師駅とかの入換に従事することが多く、当然最終段までノッチアップすることも無かったでしょうから、真夏のキャブ内はきっと灼熱地獄でしょう。床下にあるDH-25圧縮機を中に入れて、抵抗器を外に放り出せば、とも思いますが…

こちらのデワ11も昇圧直前に高師で対面して以来、久々の再会です。これまた渥美電気鉄道最後の生き残り、保存に際し羽目板を更新したと思われ、屋外保存としては非常に良い状態です。

 

運転台にはダイレクトコントローラとハンドブレーキホイールだけ、エアブレーキの装備すらない、基本構成は実用的電車としては最もプリミティブなスプレイグ式電車そのものです。こんなのが終電後の深夜だとは言え、90年代も後半まで本線に出ていたことに驚きです。静鉄デワ1は現在も稼働状態にあるとはいえ、70年代に入る頃には長沼の庫から出ることはまず無かったようだし、京福テキ6は勝山線の勾配対策で一人前に直通空気ブレーキと非常弁を装備していましたし。

動かなくなってしまったのは残念ですが、いつまでも良い状態を維持して欲しいものです。


華麗なる襤褸

2014-09-28 01:16:47 | Weblog

 偶には非鉄ネタでも。年一回の招待旅行でのとある海辺のリゾートホテル、その庭園の一角に、今は使われていない旧い建物が佇んでいます。

些かくたびれた姿ではありますが、スパニッシュ風とも、和風とも、北欧の山小屋風とも取れる不思議な姿です。一応展示物としては中も見れるようになっています。

  

宿泊施設としては稼働していないとはいえ、ホテル内の施設として最低限のメンテナンスはされているようなので、今でも営業できそうな位の状態を保っています。

一部の客室も公開状態です。比較的近年まで稼働していたとあって、調度品は一通り近代化されており、普通には十分でしょうか。屋根の傾斜のため、特に窓際の天井が低いのと、スタンダードツインで40平米位が当たり前な今のリゾートホテルの感覚だとちょっと狭いかな?

 この旧館、このホテルが開業した1951年築と言うことですが、別の場所にあった旧帝國海軍の施設から移築されたので、実質的には戦前の(1940年位かな)建築です。実はこの建物、数年前に新館を増築するため、一度は解体が計画されましたが、昭和の日本を代表するとある建築家が手掛けた初期の作品で、建築史的にも非常に貴重であるということで、待ったが掛かったという経緯があります。しかし防災上の理由などでそのまま営業には供せない、かと言って目立つ場所に廃墟として放置する訳にはいかないし、と言うことで今のギャラリー的な運用が妥協点なんでしょうか。個人的には積極的な活用が図られていないのは勿体ないな、とは思いますが。

歩くと床がミシミシ軋むのも、隙間風が入ってくるのも、建付けが狂って扉が閉まり難くても、隣の部屋の音が筒抜けなのも味のうち、と思える奇特な人は決して多数派では無いでしょうが、確実に一定の数は存在しているようで、現に新しくて綺麗で設備の整った建物より、旧くて設備的に難がある建物の客室を高く売っているホテルもこの世の中には存在している訳だし(このホテルと同じチェーンの中にもそんな商売をしているホテルが1軒ありますよね…笑)。何よりもそのような「歴史的」な建物の供給は当然限られているので、需要の絶対数が少なくても供給がそれを下回れば、市場原理により価格は高騰する、と言う訳ですね。これよりもっと旧い建物で今でも営業しているホテルや旅館は沢山あるのだから、防災上の問題はクリアする手段は有る筈ですが、多分、経営サイドが、今時こんな粗末な設備じゃ高く売れないから改修するコストを掛けられない、と思っているのかな。

でも例えば津軽鉄道のストーブ列車や、いすみ鉄道の国鉄型キハは、旧くてボロなのに、新しくて綺麗でエアコン完備の軽快気動車より高い料金を取っているけど、それでも乗りたいという人はいるのだから、アプローチの仕方如何ではその部屋を高く売れるだけでなく、ホテル全体の価値も高めるんじゃないのかな、とか思ったりします。今でも宿泊可能な戦前建築の宿、和風旅館ではそこそこありますが、純洋式ホテルでは全国で数軒しかない希少価値ものなので尚更です。

そう言えば前の「伊香保電車」のすぐそばにも廃業になって廃墟化している物件があるようですね。末期に畳敷きの和風旅館に改装されていますが、どこか買い取って元の純洋式ホテルとしてリニューアルして再開してくれないかな?