こたなたよりこんなこと

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古代アンデス文明、総まとめなんです

2017年11月21日 | 博物館・科学館

 今日も寒いながらも、天気は良好。都内も紅葉が見頃となってきましたから、都内で紅葉を見に行くには絶好の天気でしたね。

 さて、そんな好天気、「上野公園」へ行ってきました。と言っても、私の「上野へ行ってきた」は「国立科学博物館 上野本館」の代名詞ですからね。秋の特別展である「古代アンデス文明展」へ行ってきました。

 「古代アンデス文明展」は丁度ひと月前の「10月21日」より開催され、普段なら「開始直後」へ行くことが多いのですが、色々と「VAの納車」があったりと、行く予定が立たず、今日になった次第なんですよね。ただ、開始ひと月経過と、「アンデス文明」と極端に人気のある内容ではないので、かなり空いていましたね。と、思ったのは開始直後くらいで、私が第一展示会場を出る時には結構込み合っていましたね。

 さて、今回の「古代アンデス展」は今まで「かはく」で開催されていた「アンデス文明の特別展」の「総まとめ」といった感じでして、紀元前3千年前の「カラル文化」から最後のアンデス文明である「インカ帝国」までをダイジェストに紹介しています。

 皆さんは「アンデス文明」と聞くと「マヤのピラミッド」や「ナスカの地上絵」、「マチュピチュ」、「インカ帝国」なんかを思い浮かべると思います。では、「インカ帝国」ってどれくらい前だかはご存知でしょうか?

 初期のアンデス文明である「カラル文化」は「紀元前3000年」頃と、コレは、「古代エジプト」と同じくらいの時代から始まり、「太陽神」を崇めることから始まった宗教国家でもあったわけですね。この時はさすがに「石彫刻」が多く、まだ「アンデス文明」の代名詞的な「黄金」の比率は低いようですね。さらに古代文明で必ず出てくる「土器」は作られていなかったようです。そして「紀元前1300年~前500年」までが「チャピン文化」になり、「アンデス」の各地方にあった宗教を統合した新しい宗教により、地域ごとの文化統一がなされた文化でもあったようです。この時期から独特の「土器」が登場していますね。「紀元前200年~後800年」までの、「モチェ文化」と同じ時期に発祥し、後500年まで続いた「ナスカ文明」が登場、「ナスカ文化」ではあの「ナスカの地上絵」の多くがこの時期に描かれたものであるといわれています。「紀元前500年頃」から3つの新たな文明が誕生し「ティワナク文化」は「後1100年頃」、「ワリ文化」は「後1000年頃」まで、「シカン文化」は「1375年ごろ」まで続いたそうです。この頃にはさすがに「絵」も発展しており金属加工技術もだいぶ洗練されてきていますね。「1000年前後」に「ワリ」と「ティワナク」が政体崩壊し「チムー王国」が誕生。そして15世紀前半には「最後のアンデス文明」である「インカ帝国」が誕生するのです。

 そうなんですよ「インカ帝国」は日本で言う「安土桃山時代」に滅んだ事になります。そう考えると「地球史」的には「つい最近」の出来事なんですね。この「インカ帝国」も「スペイン」の侵略によって滅んでしまいますから、西洋では「大航海時代」ってことですね。その前の「ワリ」、「ティワナク」、「シカン」の末期は「平安」、「鎌倉」、「戦国」、「室町」頃の文化になります。

 この事をふまえて展示を見ていくと、アンデス文明がいかに「独特な芸術文化」を持っていたか解ると思います。日本では洗練された形の「茶器」や「日本刀」、「鎧兜」、そして「日本画」があった時代です。それに対し、「シカン」での「土器」や「織物」などに描かれている模様や絵はかなり異様です。何せ「デフォルメ」され「幾何学模様」や「簡略化」された図式や絵を使っているのです。コレは「西洋画」の世界にも言えるものがありますね。大抵の絵は「リアリティ」を求めていたのですから、当然そこには「記号化された絵」は無いのですからね。こう考えると「アンデス文化」の独自性が解ると思います。

 でも、決して文化的に劣っていたとは思えず、独特の色使いや模様はスゴイと思いますし。確かにアンデス文明は「文字」を持っていませんでしたが、それが簡略化、デフォルメ化された絵にも何かしらの意味を持たせていたのかもしれません。

 「古代アンデス文明展」はこれらの「時代」を5つの章で展示しているので、時代ごとの展示数は少ないですが、流れと差を実感する事はできます。そんなアンデスの文明を学んでみるのは面白いんです。

 それでは、本日の登場人物は「博物館」の話題でしたので、この方。「ベルジアンタービュレン」の「Chiefille」で「人類学」の中でも「古代美術」を専攻している「ベルギー国立博物館」の「学芸員」である「リリアーヌ・コラフェイス」さんコト「リリア」さんです。「カラル文化」から「インカ帝国」まで「アンデス文明」を総まとめにした「古代アンデス文化展」が開催される事になり「古代美術」を専攻している「リリア」さん、テンション高めです。ちなみに背景が「国立科学博物館」で開催されている「古代アンデス文明展」内会場なのです。

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