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読書感想「夜また夜の深い夜」桐野夏生

2018年11月16日 10時13分32秒 | 乱読本感想
幻冬舎文庫 2017/8/4

★4

読み始めると違和感がまず来る。
マイコが七海さんに宛てた手紙の完成度が高すぎる。
各国を転々とし、日本に住んだこともなく、学校教育もほとんど受けていない。
友達も、まともな隣人もいない。
そんな環境で育った女性にこのような文章が書けるのか?
でも、違和感を押しのけて、マイコとその母親の奇妙な生活に惹きつけられる。
マイコが母親の元を飛び出して色々な人や出来事に遭遇しながら生きていく。
現実にはあり得ないだろうと読んでいくが、マイコが知り合ったエリスとアナのあまりにも悲惨な境遇は現実のニュースで見聞きした現実だ。
平和な日本で生きている人間(私)の“正義”とは違った“正義”で逞しく生きる彼女たちにハラハラドキドキする。
ワクワクさえもしてしまう。
「OUT」に出会った時の感覚に似ている。
一気に読んでしまった。
最後に母娘が何故そういう生活をしていたかは解ったが、ちょっと物足りない。
結局、七海さんはどんな人だったのだろう?
お母さんの娘に対する“愛情”とはどんなものだったのだろう?
本作は舞子の話であったが、七海さんの話、お母さんの話も読んでみたい気がする。


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