途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「アクセス」誉田哲也

2021年09月26日 09時51分13秒 | 乱読本感想
中央公論新社 2020年09月24日

あっ!新しい文庫が出ている!?
ジウシリーズとかが並ぶ中、「ノワール」の後に「アクセス」の文字、最新作なんだ!と買ってきた。
若い子供たち(高校生)が次々と登場する。
ネットとか携帯とかの話が出てきて、あるアドレスにアクセスして仮契約し、その後誰かを勧誘してその人が契約すればその使用料がタダになるという。
誰がどう考えても怪しい話だが、友達が、その友達も契約したという話につられ契約してしまう。
そうしたら、次々に怖ろしいことが起こってくる。
友達の自殺、失踪、殺人事件、最近の作品ではあまり気になっていなかったけれど、読み始めた頃の誉田哲也のエログロが全開だ。
好きではないが、それを超える展開の面白さが誉田哲也にはある、はず、と思って読み進む。
え~っと、これはホラー小説なんだね。
現実に起こる怖い話だと思っていたら、仮想の話のようだ、ネットでの世界、人の精神性の世界でもあるようだ。
最初に登場した主人公だと思った若い子たちはフェイドアウト。
主人公の脇役だと思った女の子や途中から登場した子が突然ヒーロー、いやヒロインになり”悪”と戦う、って。
とっ散らかっている感じも否めないが、相変らず次の展開に期待させられる。
で、女の子たちの勝利、成長でエンド。
今まで読んだ誉田作品の要素が少しづつ入り込んでいるな、それに何だか粗削りと言うか洗練されてないなと思った。
ら、
解説を読んで、あ~、そうだったのか!と。
これ、誉田哲也のほぼ初期の作品だって。
帯にも”誉田哲也 ダークサイドの原点!”と書いてあった。
それにしても、文庫の表紙の絵、女の子がスマホ握っているんですけど~
この作品が書かれた頃にはスマホじゃなく携帯電話、本文中にも”携帯電話”って出てくるし~
古い話なのにあまり古い感じを受けなかったのは、最近のネットの世界が別の怖さをたくさん持っているからだろうか。

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読書感想「アンマーとぼくら」有川ひろ

2021年09月25日 14時41分24秒 | 乱読本感想
2020年08月12日

知らなかったが、有川さん、有川浩から有川ひろに改名されたとか、初めての“ひろ”作品だ。
“今際の際に、母は苦しい息の下からこう言った。・・・・・”から始まった物語。
そして舞台は沖縄に。
“一日目”が那覇空港、寝ぼけたようなリョウちゃんとおかあさんの再会だ。
そこからおかあさんとリョウちゃんが、亡くなったお父さんとの思い出の地を巡るのだが、
その時々にリョウちゃんとおかあさんとお父さんの過去と繋がりも描かれる。
おかあさんはリョウちゃんの本当のおかあさんではではない。リョウちゃんのお母さんは既に亡くなっている。
1度しか行ったことがないが、沖縄という場所は生と死が近い様な雰囲気がある。
不思議な空気感の中で“二日目”“三日目”が描かれる。
目次には“三日目”までしか無い。
“三日目”に別れが待っていると言うのは思わせぶりな帯の文字から想像がつく。
どんな別れなんだろう?
お母さんの、お父さんの、おかあさんの、リョウちゃんの、それぞれの強くて深い思いが交錯する。
最後に、あぁ、そうだったのかと。
あまりにも深い思いと、沖縄という土地が起こした奇蹟の時間だったのだなと思った。


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読書感想「ひとつむぎの手」知念実希人

2021年09月25日 12時07分26秒 | 乱読本感想
2021年04月26日

書店でよく見かけるし、現役のお医者さんと言うのも少し気になったので読んでみようかと。
大学病院の様子が描かれるが、テレビドラマを観ている感じで、そこまで新鮮ではなかった。
医療関係のドラマが多すぎるせいかもしれない。
ただ、現役の人が書いたので、そういう現実もあるのかもしれないとは思った。
読後感は良かった。

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読書感想「もしも俺たちが天使なら」伊岡瞬

2021年09月12日 15時52分15秒 | 乱読本感想
幻冬舎文庫 2016年10月7日


ちょっとオシャレなタイトルに心惹かれて買ってしまった。
詐欺師にヒモに元刑事、美女や大金持ち、極悪詐欺集団が入り乱れてのハラハラドキドキのコンゲーム。
アメリカ映画を観ている感じもする。
3人の男たちがそれぞれに魅力的で、ハードボイルドを気どってもそれとは真逆の熱いやつばかり。
単純に楽しめた。
伊岡瞬、3作品目にしてやっと”面白い”と思えた。

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読書感想「冤罪犯」翔田 寛

2021年09月12日 08時47分16秒 | 乱読本感想
KADOKAWA 2019年07月24日


”ドラマ化原作!”と言う文字と小泉孝太郎の写真で即買い。
どんな内容なのか、誰が書いたのかは見てもいなかった。
冒頭から幼女殺害事件、なんだかなぁ~のお話。
そして展開も、昔の東京埼玉連続幼女誘拐殺人事件をなぞっていく感じで、なんだかなぁ~
でも、物語としてはそれを捜査する警察関係者の話で、現在の事件を捜査するにあたり過去の事件がひょっとしたら冤罪だったのかもしれないという疑惑がもちあがる。
それを明らかにしたくない警察関係者と真実を追及する警察関係者の攻防。
真相が分かってくるにくるにしたがって物語も面白くなる。
取り扱った事件はあまり気分が良くないが、なかなか面白かった。
この本を読み終わった直後、ドラマの放送があった。
録画してまだ観ていないが、キャストの小泉孝太郎、瀧本美織、うん、い~んじゃない。

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