途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「幻夏」太田愛

2021年02月27日 11時27分43秒 | 乱読本感想
KADOKAWA / 角川書店 2017年8月25日


「幻夏」というタイトルに何となく惹かれ手に取った。
ミステリーのようだし、「相棒」「TORICK」(視聴していないが)の脚本を手掛けた人が作者だということで読んでみることにした。
”幻の様な夏の出来事”が行方不明の少年探しとどう絡んでいくのか?
読み進むと”冤罪”がテーマのようだ。
現実の冤罪事件もこの物語の冤罪事件も悲惨で胸が痛い。
そして冤罪を生んだ人たちに対しての怒りが大きくなる。
緻密に計算された展開に目を見張る。
巧いなぁ~と思う。
巧すぎて現実味が無くなる感じもあり、物語の中の人たちが現実にいなくて良かったとも思えた。
が、解説を読んで、現実の冤罪事件を踏まえてこれが書かれたことを知った。
そして、この作品の登場人物たちの前後の作品があることを知った。
彼らの来し方行く末を知りたいと思った。
ただ、また胸が痛い話のようなので読む覚悟かいる。

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読書感想「真夜中の神話」真保裕一

2021年02月06日 09時18分13秒 | 乱読本感想
文春文庫 2007年8月10日

”飛行機事故、奇跡的に助かって、山奥の村で神秘的な歌声を持つ少女と出会い、驚異的に回復した”
冒頭部分を読みながら、『これ以前に読んだっけ?似たような描写に覚えがあるような???でもその後に続く猟奇的な殺人ってのは記憶にない!篠田節子さんの作品の様な雰囲気だから、篠田作品だったのか?でも、作品名が出てこないし~』と。
半分くらいは真保裕一ではない誰かの作品みたいだと思いながら読んでいた。
が、後半は、『わぁ~!これぞ真保裕一!』
”神秘・奇跡”をめぐり学者、警察、宗教の思惑が入り乱れる。
その中で描かれるインドネシアの圧倒的な自然、宗教と言う排他的な組織。
それらが濃く、深く、描かれる。
そのスケールの大きさは「ホワイトアウト」並み、いや、それ以上かも。

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